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「じゃあ聞いてもらおうかな。
本当は子供に話すような内容でもないんだけど…懺悔がわりに」
私は遠くを見上げながら話しはじめた。
「私さぁ、育った環境が最悪でさ。
幼い頃に母親は男作って出て行って、父親は残った私に虐待の毎日。
それでも最初は気に入られようと必死だったんだぜ?
指ケガしながら料理作ったり、掃除をしたり。
何でもいいから話をしてほしくて、少しでも私を見てほしくて。
今じゃ想像もできないだろうけど、勉強もがんばってテストで100点取ったりもしたんだよ。そして褒められたくてそのテストを広げて見せたりしてさ。
でも親父が私に求めていたのは物言わないサンドバッグだった。
結局、作ったごはんを食べてもらったことなんてなかったなぁ…」
独り言のように静かに話し始めた私に、その子はわかっているのかいないのか、そのまま動くことなく黙って聞いていた。
「ありきたりだけど、だんだん私はグレてってさ、中学に上がるとすぐ悪い先輩に誘われてその道に入りこんだよ。
だからもう親父との関係は修復できないと思ってた。
そんな親父がさ、もうすぐ高校に入るって頃私に話しかけてきたんだよ。
嬉しかったなぁ。
家族だって認めてもらえた気がした。
でもさ、なんか変なんだよ。
会話もだけど、やたら近くで話すし、だんだんボディタッチも増えていって…。
まさかって思ったよ。
だって正真正銘私は親父の子供。血が繋がってるんだから。
親父は必死で親子の絆を取り戻そうとしてくれてるだけだって自分に言い聞かせた。
でも、ある夜ついに親父は化けの皮を剥がしやがった。
寝ているときにいきなり上に覆いかぶさってきたんだ。
必死で抵抗したよ。
でもあいつ、私を押さえながら言うんだ。
『お前の母親は誰にでも股を開く汚い売女だった。
そんな汚い血を引くお前も同じようなものだ。
だから黙って俺のいう事を聞いていればいいんだ』
って。
笑わせるよね。
半分はお前の血だっての。
今まさに私を汚そうとしてるのは誰だよってね。
私は近くにあった目覚まし時計を親父の顔に思い切りブン投げて逃げ出した。
本当は子供に話すような内容でもないんだけど…懺悔がわりに」
私は遠くを見上げながら話しはじめた。
「私さぁ、育った環境が最悪でさ。
幼い頃に母親は男作って出て行って、父親は残った私に虐待の毎日。
それでも最初は気に入られようと必死だったんだぜ?
指ケガしながら料理作ったり、掃除をしたり。
何でもいいから話をしてほしくて、少しでも私を見てほしくて。
今じゃ想像もできないだろうけど、勉強もがんばってテストで100点取ったりもしたんだよ。そして褒められたくてそのテストを広げて見せたりしてさ。
でも親父が私に求めていたのは物言わないサンドバッグだった。
結局、作ったごはんを食べてもらったことなんてなかったなぁ…」
独り言のように静かに話し始めた私に、その子はわかっているのかいないのか、そのまま動くことなく黙って聞いていた。
「ありきたりだけど、だんだん私はグレてってさ、中学に上がるとすぐ悪い先輩に誘われてその道に入りこんだよ。
だからもう親父との関係は修復できないと思ってた。
そんな親父がさ、もうすぐ高校に入るって頃私に話しかけてきたんだよ。
嬉しかったなぁ。
家族だって認めてもらえた気がした。
でもさ、なんか変なんだよ。
会話もだけど、やたら近くで話すし、だんだんボディタッチも増えていって…。
まさかって思ったよ。
だって正真正銘私は親父の子供。血が繋がってるんだから。
親父は必死で親子の絆を取り戻そうとしてくれてるだけだって自分に言い聞かせた。
でも、ある夜ついに親父は化けの皮を剥がしやがった。
寝ているときにいきなり上に覆いかぶさってきたんだ。
必死で抵抗したよ。
でもあいつ、私を押さえながら言うんだ。
『お前の母親は誰にでも股を開く汚い売女だった。
そんな汚い血を引くお前も同じようなものだ。
だから黙って俺のいう事を聞いていればいいんだ』
って。
笑わせるよね。
半分はお前の血だっての。
今まさに私を汚そうとしてるのは誰だよってね。
私は近くにあった目覚まし時計を親父の顔に思い切りブン投げて逃げ出した。
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