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2日目
第16話 クリームパン
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◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
Side:ミュウ&ティナ
「ティナだけだなんて、ありえない」
ティナのいるキッチンから少し離れた場所。逃げたとは言ってもほんの僅かなもの。更にはミュウの方が身長も低いので追いかけられたら一溜まりも無い。
しかし、目的である自分の涎を入れる事を達成してしまえば良いだけの事で、それさえしたらティナに返すだけだった。
一応、背中を丸めて縮こまったミュウは何か気になったのか、切れ込みの中にぷっくりと丸みを帯びた鼻を近付け匂いを嗅ぐ仕草をする。
「クリームの甘い匂いの中に、ティナの唾液の臭いが……する。ふむぅ……」
顰めっ面をして、すぐに使命を帯びた表情を見せるとティナなものが既に入っている事など意に介さず口内に溜めた自分のものを吐き出す。小さな口から泡を伴いながらパンの中へと糸を引いて垂れた。
白いクリームの上には透明でまだ気泡が残る液が満ち満ちて重力に従いながらねっとりと動く。ミュウの唾液が足されてティナのものと混ざり合いその量は増した。
「ティナは一回だけだった……でも」
再びミュウは唾液を自分の奥から搾り取るように溜めて、廊下の照明に照らされて光る液体をパンの中へと流し込んでいく。
「ミュウ、あまりし過ぎたらバレてしまいますよ」
パンに唾液を入れる事に無我夢中になってしまっていたミュウはそう呆れるように話しかけるティナに気づいていなかった。その声で初めて近くにいた事を認識すると、すくっと立ち上がって手に持っていたパンを手渡す。
「はやく、颯太に、これ食べさせたい」
颯太に食べさせる予定だというクリームパンはティナが1回だけ入れた時と比べて見た目に変化は無かったものの切れ込みの部分を僅かに開くと粘性のある液が染み出した。
それから漂う匂いはパンの香ばしいものとクリームの甘い匂いであったはずなのに二人の出した唾液の臭いも多分に含まれるものになっていた。
「一応持っていきますが、さすがに颯太さんにもバレてしまいそうですね。どれくらい入れたのですか」
「あまり考えてなかった……しらない」
ティナは「さすがにこれで気付かないなんてことあるのでしょうか……」と考えながら切れ込みが見えないように親指と人差し指で摘んで閉じた。
キッチンに戻りお盆にクリームパンというよりは、ふんだんにミュウとティナの唾液を入れた唾液パンになってしまった物を置き直す。
「今度こそ、完成ですね。ミュウも行きますか?」
「うん、あたりまえ……」
二人は意気揚々に廊下へと飛び出して、颯太のいる部屋へと足早に駆け出した。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
Side:河井颯太
洋館の一室の中で縛られながら死んだように眠っている男性がいる。
先程食べたクリームパンはただただ美味しいと感じて真面に食べさせてもらえたと思っているが、勿論ここに住む幼女達がそんな事をする筈もなく唾液がたっぷり入ったものを饗されていた。
世の中には知らない方が幸せな事もあるとは正にこれだろう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
Side:???
さらさらとした黒髪、ブラウンの透き通った瞳の幼女が廊下を彷徨っていた。
この洋館も、この世界も変。1日が……ろ…時間もある。四季はあるみたいだけど、1年が……ヶ月しかない。
それにここに居たら私、おかしくなってしまいそう。身体も何故かとても幼い少女のものになってしまったし、不思議と男性が欲しいと考えてしまう。
絶望的なことにこの世界からどうすれば脱出できるのかは分からない。そういえば、ティナという少女が「男を見つけたので捕まえました!」とよく分からない自慢をしてきた。
男は一体どこから来たのだろう。私自身は元々何者だったのかの記憶が無く、一部知識があるだけで此処に来た方法を覚えていない。
もしかしたら、そのティナが見つけたという男性と会話すれば何か分かるかもしれない。
私の自我は、徐々に削られているような感じがする。今もそこに男性がいるという事を思い始めた途端に下半身が疼き出してしまいそうな衝動に襲われた。
きっと私に残された時間もそう長くはないのだろう。そう考えると次第に焦りを感じ始めた。
──早く会いに行かなきゃ……!
Side:ミュウ&ティナ
「ティナだけだなんて、ありえない」
ティナのいるキッチンから少し離れた場所。逃げたとは言ってもほんの僅かなもの。更にはミュウの方が身長も低いので追いかけられたら一溜まりも無い。
しかし、目的である自分の涎を入れる事を達成してしまえば良いだけの事で、それさえしたらティナに返すだけだった。
一応、背中を丸めて縮こまったミュウは何か気になったのか、切れ込みの中にぷっくりと丸みを帯びた鼻を近付け匂いを嗅ぐ仕草をする。
「クリームの甘い匂いの中に、ティナの唾液の臭いが……する。ふむぅ……」
顰めっ面をして、すぐに使命を帯びた表情を見せるとティナなものが既に入っている事など意に介さず口内に溜めた自分のものを吐き出す。小さな口から泡を伴いながらパンの中へと糸を引いて垂れた。
白いクリームの上には透明でまだ気泡が残る液が満ち満ちて重力に従いながらねっとりと動く。ミュウの唾液が足されてティナのものと混ざり合いその量は増した。
「ティナは一回だけだった……でも」
再びミュウは唾液を自分の奥から搾り取るように溜めて、廊下の照明に照らされて光る液体をパンの中へと流し込んでいく。
「ミュウ、あまりし過ぎたらバレてしまいますよ」
パンに唾液を入れる事に無我夢中になってしまっていたミュウはそう呆れるように話しかけるティナに気づいていなかった。その声で初めて近くにいた事を認識すると、すくっと立ち上がって手に持っていたパンを手渡す。
「はやく、颯太に、これ食べさせたい」
颯太に食べさせる予定だというクリームパンはティナが1回だけ入れた時と比べて見た目に変化は無かったものの切れ込みの部分を僅かに開くと粘性のある液が染み出した。
それから漂う匂いはパンの香ばしいものとクリームの甘い匂いであったはずなのに二人の出した唾液の臭いも多分に含まれるものになっていた。
「一応持っていきますが、さすがに颯太さんにもバレてしまいそうですね。どれくらい入れたのですか」
「あまり考えてなかった……しらない」
ティナは「さすがにこれで気付かないなんてことあるのでしょうか……」と考えながら切れ込みが見えないように親指と人差し指で摘んで閉じた。
キッチンに戻りお盆にクリームパンというよりは、ふんだんにミュウとティナの唾液を入れた唾液パンになってしまった物を置き直す。
「今度こそ、完成ですね。ミュウも行きますか?」
「うん、あたりまえ……」
二人は意気揚々に廊下へと飛び出して、颯太のいる部屋へと足早に駆け出した。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
Side:河井颯太
洋館の一室の中で縛られながら死んだように眠っている男性がいる。
先程食べたクリームパンはただただ美味しいと感じて真面に食べさせてもらえたと思っているが、勿論ここに住む幼女達がそんな事をする筈もなく唾液がたっぷり入ったものを饗されていた。
世の中には知らない方が幸せな事もあるとは正にこれだろう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
Side:???
さらさらとした黒髪、ブラウンの透き通った瞳の幼女が廊下を彷徨っていた。
この洋館も、この世界も変。1日が……ろ…時間もある。四季はあるみたいだけど、1年が……ヶ月しかない。
それにここに居たら私、おかしくなってしまいそう。身体も何故かとても幼い少女のものになってしまったし、不思議と男性が欲しいと考えてしまう。
絶望的なことにこの世界からどうすれば脱出できるのかは分からない。そういえば、ティナという少女が「男を見つけたので捕まえました!」とよく分からない自慢をしてきた。
男は一体どこから来たのだろう。私自身は元々何者だったのかの記憶が無く、一部知識があるだけで此処に来た方法を覚えていない。
もしかしたら、そのティナが見つけたという男性と会話すれば何か分かるかもしれない。
私の自我は、徐々に削られているような感じがする。今もそこに男性がいるという事を思い始めた途端に下半身が疼き出してしまいそうな衝動に襲われた。
きっと私に残された時間もそう長くはないのだろう。そう考えると次第に焦りを感じ始めた。
──早く会いに行かなきゃ……!
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