佰肆拾字のお話

紀之介

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くどい。

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「…で、落ち武者の霊は?」

「そんなものは、おらぬ」

「平家の落人の慰霊碑が立ってる場所なのに??」

「くどい。」

「正解です。ここは埋め立て地で、その頃は海でした」

「─ ほう、だからか」

「?」

「入水自殺したらしい 若い女性の霊が、ずっと貴公の背後におってな」

「え?!」
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