佰肆拾字のお話

紀之介

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着る気がしない

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「ねえ」

「ん?」

「直ぐに着ると思って畳まずにおいた方を、何故着なかったの?」

「両方とも、同じシャツだよ?」

「何でわざわざ、綺麗に畳んである方を着たのかって聞いてる!」

「どうも…畳んでない服って、着る気がしないんだよねぇ」

「─ もうあんたの服は、絶対に畳まない。」
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