妹は可愛いだけで行けるところまで行くそうです。婚約破棄して貰えた上慰謝料も貰え幸せです。今更聖女のお前の結界が必要だと言われてももう遅いっ!

 「お姉様、私の方がお姉様の婚約者のペンヤン様に相応しいと思わない」
 「リリアンの方がペンヤン君に相応しいわ」
 「ペンヤン君もリリアンが妻になってくれた方が嬉しいだろう」
 「サンドラ、悪いが私はお前の妹の方が3万倍可愛いからお前と婚約破棄して
お前の妹を妃にする」
 「やれやれ、聖女の私を正当な理由なく婚約破棄ですか」
 「え、なんですかこれ」
 「慰謝料だよ。4億円だ。すまないが、これで許してくれないか」
 「あざーっす」
 妹は可愛いだけで何もかも思い通りに行くと思っているようです。
 「私って可愛いじゃない。王太子妃なんかに収まる程度の可愛さじゃないと思うの」
 「分かるわ。貴女の可愛さなら王太子妃なんかではないわ」
 「てっぺんがとれるわよ」
 たかが男爵令嬢といえども貴族は貴族。
てっぺんをとろうとするのは貴族の本能です。
妹は男爵令嬢として目覚めたようです。
 「そんなわけで婚約破棄よ、ペンヤン様」
 「4億円返せ」
 「私が悪いわけではないのでもう返せませーん」
 今更4億円返せと言われてももう遅い。
 「サンドラ、タスキシタ王国には聖女のお前の結界が必要だ。私の妻になってくれ」
今更戻ってきてくれと言われてももう遅いっ!
妹がてっぺん取る道の補助をしようと思うので私も忙しいのです。
4億円も貰えましたし、親に無理矢理きめられた婚約者の貴方程度の妻になる必要などもうないのです。
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