聖女の私が無実の罪で婚約破棄されたらすぐにゾンビパンデミックになったので 元外道婚約者だけ置いて国民と共に逃げた

２話 「ふん！！ようやく罪を認めたか！！」「約束通り、殺しはせん！！レイムタリア王国聖女の資格を剥奪！婚約破棄！だ！」

　「ふん！！ようやく罪を認めたか！！」
はぁ。まぁしょうがないですね。
　「約束通り、殺しはせん！！レイムタリア王国聖女の資格を剥奪！婚約破棄！だ！
とっとと家族そろってスレイター伯爵家領に戻るといい！！」
　はぁ、まぁこれでよかったですね。
こんな馬鹿な国王と結婚しても、私が苦労するだけです。
さっさと帰りましょう。
　「よくないですよぉ。よくないですよぉこれは。よいわけなくないですか。
よくないですよくないですよくないよくない」
ヘルミがぶつぶつ言っています。
いえ、本当にもういいんですよヘルミ。
貴女を恨みなんてしませんし、貴女も私も無事なのですから、これでいいんです。
　「なんだ！！何か言いたい事があるのかヘルミ！！何か言っているな！！
まさか！！俺に！！！不満があるのか！！」
　「ないわけないじゃないですかぁ。フローラちゃんは何も悪くないじゃないですかぁ」
　ヘルミの声は少しずつ大きくなっていいく。
　「あぁー！？これはもう決まった事なんだ！！
いくらお前が恩師スレヴィの娘といえど、一度決まった事を覆す事など出来んぞ！！」
　「うるさいのよぉ。うるさいのよぉ。黙るんですよぉ。
フローラちゃんは何も悪くないって言ってるじゃないですかぁ」
　「だ！！か！！ら！！今更ごちゃごちゃ言うんじゃねぇっつってんだよ！！
お前なんて恩師スレヴィの娘じゃなかったら！！
今頃殴り殺してるぞ！！」
　「へぇ、そうですかぁ。そうやって私から逃げる口実ですか。
ようは私が怖いから、恩師の娘だからと言い訳して逃げてるって事ですよね」
ヘルミの声ははっきりと聞こえる大きさになっていました。
ああ、ヘルミ、その辺にしておいた方が。
　「なんだと！！もう我慢ならん！！」
　馬鹿な国王は我を忘れて暴れだしました。
最低ですね。みっともない。恥晒し。
こんなのが私の元婚約者だなんて、私まで恥ずかしくなってしまいます。
　「我慢はよくないですよぉ。やりたいようにやればいいじゃないですか」
　ヘルミが煽るような事を言いますが、何で煽るのでしょう。
煽る事はないと思うのですが。
あの、言っておきますよ。
私はヘルミに聖女としての事は教えていても、人に喧嘩ふっかけるような事は教えていません。