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家族も使用人も私を虐め、両親と妹はパーティで豪華な食事なのに私は満足な食事さえ 与えてもらえない。こんな事が許されてなるのかしら

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 家族に邪魔者扱いされ、妹だけは両親に可愛がられ愛され、妹だけが特別扱いされていた。
私は訓練を欠かさず公爵令嬢としてふさわしい強さを身につけているというのに
ろくに訓練もしていない妹は家族に愛されパーティだけには欠かさず参加していた。
妹は豪華なドレスも煌びやかな宝石も買ってもらえるのに、私が買ってもらえるのは武器に鎧に馬
無骨なアミュレットだった。
豪華なドレスも煌びやかな宝石も買ってもらえる妹が羨ましかった。
何故姉妹でこうも露骨に扱いが違うのかしら。
私に原因があるのではと考えてみても、何一つ私に非は見当たらない。
こんな可哀想な美少女にはいつか私の事を愛してくれる素敵な男の子と優しい叔父様が迎えに来てくれるはずよ。
腕立てしながらそんな事を考えていた。
 ヒップリフトをしていると部屋の外から足音が聞こえてくる。
 両親と妹が執事のガスハーを連れ外出しようとしている。
 「パーティね、私も行きたい」
 お父様が露骨に嫌そうな顔をする。
 「お前のように品のない娘をパーティに連れてなどいけない」
 「鶏一羽絞めていいから一人でパーティしてなさいな」 
 は?これが娘に言う言葉だろうか。たったの鶏一羽ではおやつにしかならない。
 「お姉様、今日のお菓子のエショデ私の分も食べていいから、大人しくしてて」
 そんなに私が邪魔なのだろうか。
 お父様が指をぱちぱち鳴らすと、クックのガリャイがやってくる。
まだ見習クックの少年だ。
 「お嬢様。食事なら僕が作るから。外出は控えた方が」
 来たばかりなのに先ほどの会話を聴いていたかのようにガリャイは話す。
 「私はコンクエスト家当主ゲーハハルト伯爵が嫡女イザベルよ。
私がパーティに参加しないでどうするというのよ」
 今日は簡単に引き下がる気はない。今まで毎日我慢ばかり。
両親と妹がパーティで豪華な料理を食べてるのに私は自宅でガリャイが作る料理を食べていた。
虐待だよぉこんなの。
 ガスハーが指をぱちっと鳴らすとバトラーのサリロスがやって来る。
 「お嬢。我儘はやめて下せぇ」
 「我儘?私は我儘なんて言った事ないわよ。今まで我慢してばかりだったのよ」
 「サリロス、お嬢を止めておけ」
 「任せてくれ兄貴」 
 サリロスが私の進行を防ぐ。
使用人まで私を虐める。
何故、私だけがこんなに虐められるのだろう。


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