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メンバー
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私は人を集めて入院させる事にした。
自分でも後、半年経てばまた同じ病名で入院することはできる。
だが、半年間待たなくてはならない。
ならば人数を集めて入院させる方が手っ取り早いと思ったのだ。
それにはシステムを考えなくてはならなかった。
システムと言ってもたくさんある。
どこと何処の保険会社に入るか?
何社入るか?
その人の保険料ば誰が払うのか?
入院して、退院した時にその人にいくら払うのか?
どうやってそのメンバーを集めるのか?
他に決めなくてはいけないことは山ほどあった。
捕まる可能性は私的にはゼロに近いと思っていたが、所詮は保険金詐欺である。
やり方を間違えるとすぐに捕まる可能性はあるのだ。
だが、捕まる可能性があるのは保険会社に給付金を請求する事だけである。
他の行為は、本人にしかわからないわけだから、私にしてみれば捕まる可能性の低い犯罪だと思っていたのだ。
金がほしいメンバーはすぐに何人かの目星はついた。
後はシステムさえ作り上げれば良い。
金がほしいわけだからそれに見合う金額を提示する必要があった。
何社の保険会社に入るかで渡せる金額は変わる。
そこをよく考える必要があった。
私は四社の保険会社だったが、もう少し増やしてもいいのではないかと考えた。
六社から7社の保険会社に資料の請求を出したのだった。
とにかく7社の保険に入ることにした。
保険料は年代によって異なる。
もちろん若い方が安い。
出来るだけ若い年代を選びたかったが、まずは一人目は四十の男性にした。
生活保護を受ける寸前のギャンブル依存症で総額百三十万円の支払いの約束をして入院時に前金で二十万円渡すことで合意した。
7社の保険料は月々三万五千円だった。
七社も入るとそのくらいはかかる。だが二ヶ月後の給付金の総額は四百万円は下らない。
その男に渡す金と入院代、保険料を差し引いても私の手元には二百万円は残る計算だった。
ただし保険に入ってやはり半年くらい経たないと入院は危険だと判断して半年間は待つことにした。
そして私はその半年の間に後五人の男性を保険に入れたのであった。
その間のお金はやりくりはしんどかったが、半年後からの私は一気に懐が暖かくなっていったのである。
私が退院して金が入ってから場外馬券売り場で松本に会った。
私は約束の金十万円を渡した。
こいつの話がなければ私は何時迄も乞食の様な生活を続けなければならなかったであろう。
本来ならもっと渡すべきだろうがそんなバカなことは止めた。
そしてこのシステムで他の人間を入院させることなど松本に話す理由はない。
別に自分が自分なりに決めたシステムなのだから誰に遠慮する事はなかった。
そして私は自分でも半年後にまた病院に入院して約一年後には自分の金で飲み屋をやるまでになっていたのである。
入院するメンバーは少し増えて十人くらいになっていた。
しかも半年以上過ぎればまた同じ病名での入院は可能で、私は有頂天になっていたのである。
そんな犯罪で掴んだ金で潤う時期が続くわけはない。
まだ捕まることなどなかったが、私はまたしてもドジな行動を取ってしまったのだ。
自分でも後、半年経てばまた同じ病名で入院することはできる。
だが、半年間待たなくてはならない。
ならば人数を集めて入院させる方が手っ取り早いと思ったのだ。
それにはシステムを考えなくてはならなかった。
システムと言ってもたくさんある。
どこと何処の保険会社に入るか?
何社入るか?
その人の保険料ば誰が払うのか?
入院して、退院した時にその人にいくら払うのか?
どうやってそのメンバーを集めるのか?
他に決めなくてはいけないことは山ほどあった。
捕まる可能性は私的にはゼロに近いと思っていたが、所詮は保険金詐欺である。
やり方を間違えるとすぐに捕まる可能性はあるのだ。
だが、捕まる可能性があるのは保険会社に給付金を請求する事だけである。
他の行為は、本人にしかわからないわけだから、私にしてみれば捕まる可能性の低い犯罪だと思っていたのだ。
金がほしいメンバーはすぐに何人かの目星はついた。
後はシステムさえ作り上げれば良い。
金がほしいわけだからそれに見合う金額を提示する必要があった。
何社の保険会社に入るかで渡せる金額は変わる。
そこをよく考える必要があった。
私は四社の保険会社だったが、もう少し増やしてもいいのではないかと考えた。
六社から7社の保険会社に資料の請求を出したのだった。
とにかく7社の保険に入ることにした。
保険料は年代によって異なる。
もちろん若い方が安い。
出来るだけ若い年代を選びたかったが、まずは一人目は四十の男性にした。
生活保護を受ける寸前のギャンブル依存症で総額百三十万円の支払いの約束をして入院時に前金で二十万円渡すことで合意した。
7社の保険料は月々三万五千円だった。
七社も入るとそのくらいはかかる。だが二ヶ月後の給付金の総額は四百万円は下らない。
その男に渡す金と入院代、保険料を差し引いても私の手元には二百万円は残る計算だった。
ただし保険に入ってやはり半年くらい経たないと入院は危険だと判断して半年間は待つことにした。
そして私はその半年の間に後五人の男性を保険に入れたのであった。
その間のお金はやりくりはしんどかったが、半年後からの私は一気に懐が暖かくなっていったのである。
私が退院して金が入ってから場外馬券売り場で松本に会った。
私は約束の金十万円を渡した。
こいつの話がなければ私は何時迄も乞食の様な生活を続けなければならなかったであろう。
本来ならもっと渡すべきだろうがそんなバカなことは止めた。
そしてこのシステムで他の人間を入院させることなど松本に話す理由はない。
別に自分が自分なりに決めたシステムなのだから誰に遠慮する事はなかった。
そして私は自分でも半年後にまた病院に入院して約一年後には自分の金で飲み屋をやるまでになっていたのである。
入院するメンバーは少し増えて十人くらいになっていた。
しかも半年以上過ぎればまた同じ病名での入院は可能で、私は有頂天になっていたのである。
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まだ捕まることなどなかったが、私はまたしてもドジな行動を取ってしまったのだ。
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