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第一章
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思えば俺は、転生した当初の危機感が薄れていたんだと思う。
いや、そもそも危機感自体が薄かったんだろうな。
転生して、小説やゲームの世界に入り込んだ感覚は、やっぱり恐怖よりも好奇心の方が強かった。
死んだら終わり。でも、神様が言っていたチート能力とかが、心に余裕を持たせてくれていた。
気を付けてはいた。けど、必死じゃない。まさしく死に物狂いで努力したわけでもない。
一度死んだ俺は、"死"の実感がなくて、遠いものだと思ってたんだ。
人間より強いし、1レベルだった時でさえサイクロプスを押さえつけられていたという自信があったから……。
情けない。
レグルスの焦ったような怒鳴り声で気付く。
俺の目の前には"死"が迫っていた。
「ペガサス!」
スピカの悲鳴を聞いて、俺の体は咄嗟に横へと飛んだ。
「っ──!」
左前脚に強烈な痛みが走った。
どうやら短剣が刺さったらしい。
[毒素を検出しました。スキル【幻獣浄化】が自動で発動します]
毒の塗られた短剣……暗器かな?
スキルのおかげで毒状態は解除されたけど、無理だ……。
立っていることができず、その場に倒れた。
傷の痛みと、血が、命が流れ出ていく恐怖にステータスを開いて残りのHPを確認することができない。
回復魔法を自分にかけたくても、痛みに耐えながら魔力を操作することができない。
魔法の発動は機械を組み立てとかパズルのような感覚だし、いつも普通に発動できてたから……痛みに意識が持ってかれただけで発動するのがこんなに難しくなるとは思わなかった。
「ペガサス! しっかりしてください!」
「スピカ、こっちは抑えとくからそいつを治すんだ!」
「分かってます! ペガサスさん、ナイフを抜きますから少し我慢してくださいね」
スピカが左の太もも辺りに刺さっている暗器に触れた。
「──ッ!」
「っご、ごめんなさい!」
手が触れた振動で脚に激痛が走った。
体を跳ねさせた俺に驚いたのだろう。スピカは触れたナイフから慌てて手を離し、バタバタと振っていた。
馬の視界の広さが今ばっかりは恨めしい。
ナイフに触れるタイミングが分かってしまうのは、痛みが走るタイミングが分かるということ。
(「頼むから一気に、思い切って引っこ抜け!」)
これ以上余計な痛みを感じたくなくて、怒鳴るような口調になった。
スピカは俺の声にまたしてもビクッとなった。
それは驚きもあっただろうが、何より恐怖もあったと思う。いつもの俺なら考えられないし、例え怒鳴ったとしてもすかさずフォローを入れただろう。
しかし、今はそれどころじゃない。
「で、では……抜きますっ!」
(「──っ!!!」)
「【回復】!」
スピカが暗器を引っこ抜いたあと、すぐに回復魔法をかけてくれる。
回復魔法がみるみる傷口を塞いで痛みを和らげていくが、声にならないほどの痛みで体が強張ってしまった俺は、なかなか緊張を解くことができなかった。
ぐったりと横たわったままの俺に、スピカが優しく声を掛けてくれる。
けど、俺はそれに応えることもできず、ただ先ほどまでの"死"の感覚に支配されて動くこともできなくなっていた。
「スピカ! そいつに付いててやれ!」
「はい!」
「サダル! アリー! ウル! ここは俺たちでなんとかするぞ!」
「分かった」
「まったく、世話がやけるわね!」
「ん」
レグルス達の気合の声が聞こえる。
スピカは俺の周囲を警戒しながら戦闘の補助をしているのか……?
情けない。
神様にチート能力を付けてもらって舞い上がっていた。驕っていた。死ぬことはないだろうって、心のどこかで思い込んでいた。
死ぬのが怖い。心を抉るような痛みが……怖い……。
[【恐怖耐性】Lv.1、【痛覚軽減】Lv.1を獲得しました]
……こんなに嬉しくないスキルゲットはないだろう。
「ペガサスさん、大丈夫ですか?」
大丈夫かと言われれば大丈夫じゃない。
怖いし、痛いし、本音としては1ミリも動きたくない。
けど……。
(「やっぱり、俺は守られるより守りたい派だからな!」)
「え?」
【恐怖耐性】と【痛覚軽減】の痛覚軽減のおかげか、さっきよりも体も心も楽になった気がする。
夏帆、辰巳、そして美貴。あいつらの無事を確かめるまで、俺が死ぬわけにはいかない。
勝手に兄貴ヅラしてるだけだったけど、頼られるのは悪い気はしなかった。むしろ率先して世話を焼いて辰巳に呆れられたこともある。
それくらいみんなが大切な存在で、年取っても一緒に喫茶店でコーヒーを飲みたい、縁を繋ぎ続けたい関係だったんだ。
(「俺が、俺だけがこんなところで倒れてたまるかっ!」)
周囲にスマートと思われてても、フェミニストだと言われてようとも、俺の本質は見栄っ張りで意地っ張りのカッコつけだ。
他人に良く思われたい。
使えないやつだと思われたくない。
そんな欲望がやる気に繋がり、震えて動かなかった脚が、体が意思を持って動いて俺を立ち上がらせた。
(「【雷弾】! 【雷弾】! 【雷弾】!!」)
さっきも使った【雷弾】を、今度は手当たり次第にばら撒いた。
本来なら消費MP10で済むところを50注ぎ込んで、質量と威力を大幅に高くした。それを10発連射して、辺りに生えた木ごと吹っ飛ばした。
さっきまで放っていた【風刃】は、木に当たったり敵の装備に当たっただけで消失していたのに、【雷弾】はきちんと木も装備も破壊している。
その違いについての疑問が湧いたが、考察は後回しだとすぐに思考を切り替えて目の前の残った敵に集中した。
俺が放った【雷弾】をまともに喰らった槍持ちの2匹を除くと、残りは剣と盾を持ったゴブリン・ソルジャーが3匹、これはレグルスとサダルが抑えていてもうすぐ処理も終わるだろう。弓持ちの残りの1匹はアリーが相手していて、ちょうど消し炭になったところだった。そして俺に深手を負わせた盗賊はウルがあたっているが、これも止めを刺すところだった。
これでゴブリン達は全部倒した。
「危なかったな」
「ああ。ペガサス、大丈夫か?」
(「……問題ない」)
情けない。
この戦いで俺が学んだことは、油断大敵。あと、俺は弱い。
ステータス面ではレグルスたちより格段に強いだろうが、誰かと比べて自分は優位であるという心が弱さに繋がってるということだ。
俺は、弱い。
それを忘れないようにしよう。
そして、俺はもっと強くなる。
こんなところで挫けてたら、誰も守れやしない。
そうだろう? 父さん。
いや、そもそも危機感自体が薄かったんだろうな。
転生して、小説やゲームの世界に入り込んだ感覚は、やっぱり恐怖よりも好奇心の方が強かった。
死んだら終わり。でも、神様が言っていたチート能力とかが、心に余裕を持たせてくれていた。
気を付けてはいた。けど、必死じゃない。まさしく死に物狂いで努力したわけでもない。
一度死んだ俺は、"死"の実感がなくて、遠いものだと思ってたんだ。
人間より強いし、1レベルだった時でさえサイクロプスを押さえつけられていたという自信があったから……。
情けない。
レグルスの焦ったような怒鳴り声で気付く。
俺の目の前には"死"が迫っていた。
「ペガサス!」
スピカの悲鳴を聞いて、俺の体は咄嗟に横へと飛んだ。
「っ──!」
左前脚に強烈な痛みが走った。
どうやら短剣が刺さったらしい。
[毒素を検出しました。スキル【幻獣浄化】が自動で発動します]
毒の塗られた短剣……暗器かな?
スキルのおかげで毒状態は解除されたけど、無理だ……。
立っていることができず、その場に倒れた。
傷の痛みと、血が、命が流れ出ていく恐怖にステータスを開いて残りのHPを確認することができない。
回復魔法を自分にかけたくても、痛みに耐えながら魔力を操作することができない。
魔法の発動は機械を組み立てとかパズルのような感覚だし、いつも普通に発動できてたから……痛みに意識が持ってかれただけで発動するのがこんなに難しくなるとは思わなかった。
「ペガサス! しっかりしてください!」
「スピカ、こっちは抑えとくからそいつを治すんだ!」
「分かってます! ペガサスさん、ナイフを抜きますから少し我慢してくださいね」
スピカが左の太もも辺りに刺さっている暗器に触れた。
「──ッ!」
「っご、ごめんなさい!」
手が触れた振動で脚に激痛が走った。
体を跳ねさせた俺に驚いたのだろう。スピカは触れたナイフから慌てて手を離し、バタバタと振っていた。
馬の視界の広さが今ばっかりは恨めしい。
ナイフに触れるタイミングが分かってしまうのは、痛みが走るタイミングが分かるということ。
(「頼むから一気に、思い切って引っこ抜け!」)
これ以上余計な痛みを感じたくなくて、怒鳴るような口調になった。
スピカは俺の声にまたしてもビクッとなった。
それは驚きもあっただろうが、何より恐怖もあったと思う。いつもの俺なら考えられないし、例え怒鳴ったとしてもすかさずフォローを入れただろう。
しかし、今はそれどころじゃない。
「で、では……抜きますっ!」
(「──っ!!!」)
「【回復】!」
スピカが暗器を引っこ抜いたあと、すぐに回復魔法をかけてくれる。
回復魔法がみるみる傷口を塞いで痛みを和らげていくが、声にならないほどの痛みで体が強張ってしまった俺は、なかなか緊張を解くことができなかった。
ぐったりと横たわったままの俺に、スピカが優しく声を掛けてくれる。
けど、俺はそれに応えることもできず、ただ先ほどまでの"死"の感覚に支配されて動くこともできなくなっていた。
「スピカ! そいつに付いててやれ!」
「はい!」
「サダル! アリー! ウル! ここは俺たちでなんとかするぞ!」
「分かった」
「まったく、世話がやけるわね!」
「ん」
レグルス達の気合の声が聞こえる。
スピカは俺の周囲を警戒しながら戦闘の補助をしているのか……?
情けない。
神様にチート能力を付けてもらって舞い上がっていた。驕っていた。死ぬことはないだろうって、心のどこかで思い込んでいた。
死ぬのが怖い。心を抉るような痛みが……怖い……。
[【恐怖耐性】Lv.1、【痛覚軽減】Lv.1を獲得しました]
……こんなに嬉しくないスキルゲットはないだろう。
「ペガサスさん、大丈夫ですか?」
大丈夫かと言われれば大丈夫じゃない。
怖いし、痛いし、本音としては1ミリも動きたくない。
けど……。
(「やっぱり、俺は守られるより守りたい派だからな!」)
「え?」
【恐怖耐性】と【痛覚軽減】の痛覚軽減のおかげか、さっきよりも体も心も楽になった気がする。
夏帆、辰巳、そして美貴。あいつらの無事を確かめるまで、俺が死ぬわけにはいかない。
勝手に兄貴ヅラしてるだけだったけど、頼られるのは悪い気はしなかった。むしろ率先して世話を焼いて辰巳に呆れられたこともある。
それくらいみんなが大切な存在で、年取っても一緒に喫茶店でコーヒーを飲みたい、縁を繋ぎ続けたい関係だったんだ。
(「俺が、俺だけがこんなところで倒れてたまるかっ!」)
周囲にスマートと思われてても、フェミニストだと言われてようとも、俺の本質は見栄っ張りで意地っ張りのカッコつけだ。
他人に良く思われたい。
使えないやつだと思われたくない。
そんな欲望がやる気に繋がり、震えて動かなかった脚が、体が意思を持って動いて俺を立ち上がらせた。
(「【雷弾】! 【雷弾】! 【雷弾】!!」)
さっきも使った【雷弾】を、今度は手当たり次第にばら撒いた。
本来なら消費MP10で済むところを50注ぎ込んで、質量と威力を大幅に高くした。それを10発連射して、辺りに生えた木ごと吹っ飛ばした。
さっきまで放っていた【風刃】は、木に当たったり敵の装備に当たっただけで消失していたのに、【雷弾】はきちんと木も装備も破壊している。
その違いについての疑問が湧いたが、考察は後回しだとすぐに思考を切り替えて目の前の残った敵に集中した。
俺が放った【雷弾】をまともに喰らった槍持ちの2匹を除くと、残りは剣と盾を持ったゴブリン・ソルジャーが3匹、これはレグルスとサダルが抑えていてもうすぐ処理も終わるだろう。弓持ちの残りの1匹はアリーが相手していて、ちょうど消し炭になったところだった。そして俺に深手を負わせた盗賊はウルがあたっているが、これも止めを刺すところだった。
これでゴブリン達は全部倒した。
「危なかったな」
「ああ。ペガサス、大丈夫か?」
(「……問題ない」)
情けない。
この戦いで俺が学んだことは、油断大敵。あと、俺は弱い。
ステータス面ではレグルスたちより格段に強いだろうが、誰かと比べて自分は優位であるという心が弱さに繋がってるということだ。
俺は、弱い。
それを忘れないようにしよう。
そして、俺はもっと強くなる。
こんなところで挫けてたら、誰も守れやしない。
そうだろう? 父さん。
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