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ウランとダイナ

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べりっ!
ガルは、ウランから俺を奪い取ると抱き抱え、負けじとキスをしようとしたので、掌でガルの顔をベチンッと押しやった。

「これは…驚いたな。あのガルディアがベタベタか。面白え…チビスケ、名前は何だ?」

ムムッ!だからチビスケではない!!

俺が明らかに怒った顔をしたのが面白かったのか、ニヤニヤしながら、俺を見る。

「俺は、ウランダルト・ミームス。ウランでいい。アルケイドの兄で、アリアナが母親だ。」

うー…名乗られたからには…

「ヒヨリです。」

ガルに抱えられながら、頭を下げる。
すると、水色のお兄さんも立ち上がり、俺を見つめて頭を下げた。

「ヒヨリ、ありがとう、助かった。俺はダイナシュート・ロッテンロ。ダイナでいい。聖女とリザードマンのハーフだ。」

聖女?リザードマン?なんか、ゲームで聞いたことあるような~…。

俺が首を傾げていると、アルが説明してくれた。
「トカゲの獣人だよ。爬虫類種だから、人とハーフは滅多にいないが、相手が聖女という、精霊や神と繋がりし者と言われる方の候補だったんだ。ダイナの母は水の精霊と契約していてね。通常、リザードマンは魔法は使わず、身体能力でも圧倒的に強いが、火の属性を使えるリザードマンもいる。そいつらはサラマンダーと言われているよ。だか、ダイナは聖女…正しくは候補の力を引き継いで水属性のハーフリザードマンさ。」  

「まあ、滅多にいない希少種と言われても、良い事なんて一つもないが…ヒヨリに会えた事は、俺の50年の人生でラッキーかな?」

マスクで口元は覆われていて分からないが、目元が優しく笑う。怖かった瞳も優しさを感じる。

「珍しさんなら、ヒヨリも負けてないよね?」
あれ?シスさん、ヒヨリくん呼びは辞めたんですか?

「小さいってことか?」
ニヤニヤ言う、ウランをキッと睨む!

「俺、異世界人。」

「「へ?」」

目を見開く2人にニヤつく。俺だって希少種だぜ!

「本当だ。ホラッ。」
パチンッ
ピコン♪
ヒヨリ 17歳

種族:ヒト(異世界人)
属性:光(癒し)
スキル:癒しの手 スキャン 聖なる息吹 ヒヨリからの加護渡し 無限アイテムボックス 

加護:魔力無限 神に愛されし子 順応 潤穴

*癒しの手
身体に触れることで治癒、筋力UP、健康体となる。
触れている時間、触れ方により効能効果が変わる。

*スキャン 
身体をスキャンし悪いところを見つける事ができる。
筋肉、内蔵血管神経、骨の順まで深く見れる。

*聖なる息吹
ヒヨリの体液摂取することでスキルレベル、パワーレベルが上がる。快感値によって効果に差が出る。

*ヒヨリからの加護渡し
ヒヨリと交わった者は神の加護、神に愛されし子の効果を10%与える事が出来る。交わるほど効果的!

[加護]
*魔力無限 
いくら消費しても無くならない。
*神に愛されし子
丈夫になる。傷や疲労は睡眠で回復する。
*順応
身体は直ぐに与えられた行為や環境に順応する
*潤穴
潤い、どんな雄を迎え入れる事ができる。

「「!!!」」

「だー!!だからお前は、何で人の秘密情報全部勝手に明かすの!?」

ムキーっ!!とガルの胸ぐら掴み、揺さぶる。

「ヒヨリ♡その顔、可愛い♡」
あー!!全然聞いてないし、ダメージ0やん!!

バレたくなかった!せめて、ウランにはバレたくなかった!!俺の危険信号がピカピカ光ってる!!

「….ほう、じゃあ一発ヤるか。」
ほう、じゃあ一発…じゃねえ!!やっぱり感は当たった!ウランはこういう奴だ!!

「先に、疑問、質問じゃねえのかよ?」
むううっと唇を尖らせて、抗議すると、その唇をウランの指で摘まれた。

「分からねえからこそ、本当か試すには、ヤるのが1番だろ?」
な、何だこの考え方!ちょっと確かに…って思っちゃったじゃん!!

「あっ!ってヒヨ、17歳なんだ?10歳くらいだと思った。」
こればっかりはヤっても分からんからな。と呟きやがりましたよ、この男!子供の敵!10歳だと思っていた俺にキスしたし、ヤろうとしているぞ!!ってか!ヒヨじゃない!!
怒りを露わにめちゃくちゃ睨むと、摘まれた唇を引っ張られた。
「くちばしがあるなら、ヒヨコのヒヨだろ?」
うがーーー!!こいつ!違う意味でガルよりタチが悪い!!

「俺達が本当かどうか試したから、大丈夫だよ。」
アルが俺で遊んでいるウランに言う。すると、ウランの顔がスッと変わり冷たくなった。

「ああ?何?お前らもう手を出したの?お前が俺より先に?」
声色も代わり、俺も空気の変化に大人しくする。すると、唇を開放された。その瞬間、ウランはアルの胸ぐら掴んで持ち上げた。
ゲッ!アルだってデカイのに。

「いつも、俺から隠れていたのに、可愛い子ちゃん抱いたら自信でもついたのか?」

ぐっ!と苦しそうにしながらも、アルは口元を笑わせた。

「ああ。俺の人生の中で一番最高過ぎて、他がショボく見えたわ!」

ギッとウランの目つきが鋭くなり、俺は咄嗟に、
「アルになんかしたら、お前の傷は一生治さないぞ!」
先程まで鋭かった瞳を丸くして固まり、また、ゆっくり笑わせた。

「ヒヨに救われたな。一生は困るしな。」
ストンッとアルを離し、俺の頭を撫でる。
おい!今は空気読め!睨むなガル!

「フム。ヒヨリは聖女かもな。」
ポツリと呟くダイナさん。あの騒ぎで黙り決めて、何考えてるかと思いきや…あなた、マイペースですね!そして、俺は男ですから!

「聖女とは、ただの呼び名だ。または巫子かな。精霊との契約は僅かな者しか出来ない。それが聖女候補だ。その中から、浄める力が強いものが選ばれる。だが、神と契約されしものは、そのまま聖女となるんだ。神に愛されし子。ヒヨリ、俺の考えだがな。」

「俺、これ以上余計なもの、付けたくありませーん。」

「確かに、教会や国にいいようにされるしな。好きにすればいい。」
フッと目元を笑わせる。やはり、この人優しい。しかもらなんか大人って感じ!!こいつらと全然違う。

「ダイナさん、何歳何ですか?」
「ダイナでいい。俺は丁度50歳だ。」
やはり、大人!しかし、ここは平均300歳の世界!300年の中での50歳って…えっ!俺の国だと6歳くらい?ヒエーー!!確か若い時期が長いんだよな?マスクしてて分からないが……
俺は、ダイナさんをジーッと見た。ジーッと。
少し俺の視線にキョドるダイナさん。
水色の短髪に灰色の鱗肌に黒目に金の瞳、口鼻はマスクで覆われているが…

「ダイナさん。イケメンですね?」
「いけ…?」
ダイナさんは眉を寄せて俺を見る。
「かっこいいって事です。」
「えっ、、」

「「「「!!!」」」」

「ヒヨリ!俺は!?」
「ヒヨリ、ダイナがタイプなの?」
「お前が好きなのは忍者だろ!?」
「俺のがいい男だ!!」
うるさい野郎共!

「俺が…かっこいい?」
ダイナはボンッと顔を赤くした。灰色でも、赤さ分かるんだな。

「ヒヨリ、結婚の日取りはいつにする?」

へー。ダイナさんでも冗談言うんですねー。
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