こんなはずじゃなかった

B介

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合同合宿です。4※この回ではありません次回は、ドキドキの…♡

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うう!眠れない!くそー!兵藤め!!

俺はベッドから起き上がり、水を飲みに、一階のキッチンまで降りた。

冷蔵庫からペットボトル500mlを取り出して、キャップを空けて口に含むと。足音が聞こえた。

「睡蓮、まだ起きてたんですか?」
副会長、白樺だった。

「喉渇いて。副会長、誰と同室?」

「二階堂と仁士郎です。」

副会長も冷蔵庫を開け、水をとる。

「睡蓮は生徒会に入る気はないですか?」

急な白樺の質問に水を吹き出しそうになった。

「なんですか?急に!」

「いや、成績や容姿とかそれらしい理由は付けれるけど、単純に睡蓮と一緒に居たい。仕事出来たら楽しいだろうなと…。」
赤らめながら言われると、俺まで恥ずかしくなる。

「すみません。生徒会や風紀、まだ俺よくわからなくて。人気者でも無いですしねw」

「まあ、それは文化祭の投票でわかるよ。無くても、俺の中では一位です。」

なんか、本日皆さん歯が浮くセリフばかりですね。何かの罰ゲームですか??

俺はジトッと副会長を見た。  

「ふふっ。いつか伝わる事を祈ります。」
少し悲しげに笑って、手を振り、暗い廊下に消えていった。

「なんだかな…。」
俺は、もう一度水をがぶ飲みして、部屋への階段を一気に上がる。

******

夜はなかなか寝付けず、明け方眠ったせいか、起きたら皆居なかった。

「あれ?」
別荘の清掃にお手伝いさんが来ていて、
部屋をかなりノックしたが、起きないようだから、先に海に行ったと。起きたら伝えるよう言われたらしい。

俺は歯を磨き、水着に着替えて向かったが、昨日より人が多く見つけられない。

あれ?プライベートビーチの方かな??
初日に聞いたビーチに向かうか迷っていると、視線の先に、少し飛び抜けた長身を見つけた。先輩達、皆身長高いから、あれかな?

近寄ろうとして気付く。見知った金茶の髪は奴しかいない…昨日の件もあり、足が自然と止まる。

だが、次の瞬間、俺は目を見開いた。

俺の寝不足の原因である奴は白い水着にピンクアッシュのショートと茶髪ロングヘアの女性2人組に囲まれていた。

奴は焼きそばを片手に、女性と向き合い話している。そして、よく知るたくましい腕にしなだれかかる女性。

何故か分からないが、モヤッとした感情に、俺は踵を返した。

なんだアイツ!昨日俺が女の子と喋ったら怒ったくせに!!
しかも変な事したり、言って、寝不足にしたくせに!!

イライラして、目的も決めず歩くと、後ろから肩を掴まれた。

振り向くと、そこには西園寺が不機嫌な顔をして立っていた。

「え?会長?」

俺はびっくりして、西園寺を見るが、西園寺は無言のまま、俺の腕を引っ張って歩き出した。

えっ!なに?

気付くと岩に囲まれた、静かな浜辺。誰もいない空間だ。

すると、岩に押し付けられ、逃がさないとばかりに、両腕の間に閉じ込められた。顔の隣にある腕が、日焼けで赤くなり、逞しさを上げている。

そして、不機嫌に寄せた眉と瞳に、睡蓮は言葉が出てこなかった。

「お前、さっきの顔と行動はなんだ。」

西園寺の地を這うような声と言葉に不安げに眉を下げる。

へ?意味がわからない!?

「さっき、兵藤に何故、話しかけなかった?何故、お前は不機嫌な顔をしたんだ!!」

西園寺の怒鳴るように発した声に、ビクッと身体を震わせた。

「えっ…何故って?不機嫌な顔なんて…」

確かにモヤッとはしたが、昨日の件があったからだし…

西園寺はチッと舌打ちして、岩に付いていた手を曲げて、睡蓮との距離を縮める。

「無自覚かよ…。なあ、睡蓮。兵藤にあんな顔をするのは、兵藤がお前に想いを伝えたからか?それとも…兵藤だからか?」

鼻が触れる程の距離で、西園寺は苦しそうに囁く。

「さ、いおんじ…。」
俺は影を作る西園寺の切ない表情に、戸惑う。

「睡蓮…俺はお前が好きだ。何故好きか、どこが好きか…そんなもん、分からないほどお前しか俺の中には存在しねえ。だがら…正直恐い。お前の事を軽い気持ちでだったら、兵藤より先にお前に想いを告げただろう。だが、軽くねえんだ!!高校だけの関係、政略的関係、そんなんじゃ収まらねえ程愛してんだよ!!…俺は西園寺グループを背負う立場だ。後継、世間体、お前を想うと、お前を傷つけるんじゃ無いかって、それが恐ろしい。……だが、お前を誰にも奪われたくない!!いや、奪わせない!!お前は俺のだ!!」

心からの叫びと共に、西園寺は睡蓮に唇を重ねた。

熱く貪るような口付けに、睡蓮は動けずにいた。辛うじて、手で、西園寺の胸を押すが、西園寺の力には敵わない。

「ハア…愛してんだよ。睡蓮」
口付けの間に熱い、愛の告白が睡蓮の動きを止める。

チュ…ピチャ…

「ハアハア…お前だけだ、俺を臆病にするのは…俺を好きになれ…。俺にしろ。」

「西園寺…んっ!!」
名前を呼んだ瞬間、舌が睡蓮の口内に侵入する。絡めとられた舌が西園寺の熱を感じさせる。

「ンン!!ハア、あっ!」
舌を通じて唾液の交換をしつつ、西園寺の手は、睡蓮の水着の中に侵入し、双丘に触れた。

睡蓮は電気が走った様に身体を震えさせる。

「睡蓮…愛してる。」
西園寺の舌が、パーカーから覗く睡蓮の乳首を舐めとる。

「ひゃあ!!やめ!?」
ゾクっとするほどの刺激に声が漏れる。

すると、バッと西園寺の身体が睡蓮から遠ざけられた。西園寺の肩を掴み、睡蓮から引き剥がしたのは兵藤だった。

「てめぇ、何してんだよ!!」

怒りに顔を歪め、睨みつける兵藤に、西園寺は口元を笑わせた。

「遠目に睡蓮がいた気がして、見ればお前が睡蓮を!!てめえ、睡蓮に何してんだよ!!」
西園寺の肩にギリギリと爪が食い込む。

「愛の告白だよ。もう、全て気にしない。あらゆるモノから守ってみせる。だがら、俺のモノにする。それに、お前にとやかく言われる筋合いはねえ、お前も好きなようにしてるだろうが!!」

睨み合う両者に睡蓮は顔を蒼ざめ、間に入る。

「ちょ、ちょっと待った!!こ、このやり取り!耐えれん!!」

なんだよ!この少女漫画展開!!
キモい!俺キモすぎる!!

 ギリギリと睨み合い両者の間で、自分のキモい立場にガタブルの睡蓮。

「元はと言えば、睡蓮!てめえが男を誑かしまくるから行けねえんだ!!」

なんだと!!兵藤!

「そうだ!!大体何人手玉に取れば気が済むんだよ!!天然タラシ野郎!」

て、天然タラシだと!?西園寺!!

「誰が、誑かして天然タラシだコラ!」
青筋をピキッと眉間に立て、2人を睨む睡蓮。
「そうだろうが!!好きが分からねえとか言いながら、キスや、触れさす癖に最後は逃げる、汚え野郎だ!!男の純情踏みにじりやがって!!途中が男にとってどんだけ辛いかわかるだろうが!?どうせ分かんねえなら、ヤッて考えろや!」

「そうだ!今だって気持ち良さそうにして、期待させやがる!!俺達に告白や奉仕させて、俺達にはご褒美もねえせに、煽る様に拗ねたり、乳首見せたり!くそ!!男が細かいこと気にせず、どんと行けよ!!これだから童貞は!!セックスの一つや二つに渋りやがって!女々しい!」

カッチーン!!

「誰が女々しい童貞だ!!俺だってやろうと思えば出来んだよ!!」

好きで童貞なわけじゃねえ!!

「フンッどうだか。大体、いじいじ、捨てるチャンスを逃す女々しい奴が童貞なんだよ。お前みたいなケチくさくて、自分が気持ち良ければ、相手はいい、みたいな奴ほど捨てられないし、セックスする度胸もなく、相手を蔑ろにすんだよ。」

「ああ、そうだ。人をこんなにも惚れさせ、待たせて、焦らす。最低だな。そのくせ、多分自分以外に目が向くと苛つくんだぜ!?勝手だよな。どうせ待たせんなら、ご褒美くらいくれてもいいだろうよ?チワワだってその辺ちゃんとするぜ?」


「んだと?だがらセックスぐらい、簡単だって言ってんだろ?やらなかっただけでやるくらい簡単なんだょ?」

ピクピク口元を引きつらせ、睨み合う3人。

「できるわけねえだろ?おめえに。」

「できるって言ってんだろ!しつこいな!」

「ほう、俺らとやれんの?」

「しつこいぞ!!」

「じゃあ、答え待つ代わりにやらせろよ。」

「だから、しつけえ!!やれるって言ってんだろ!…….えっ!?」

今…なんて言った??たらっと汗が流れる。

『ほう、俺らとやれんの? しつこいぞ! じゃあ、答えを待つ代わりにやらせろよ。 だがら、しつけえ!!やれるって言ってんだろ!…えっ!?』

スマホから流れる、やり取り。
2人は口元をニヤッと笑わせた。

「こいつと一緒がムカつくが…男に二言はねえよな。睡蓮?」

「本日、夜鍵開けておけよ。」

顔を赤く、そして蒼ざめる睡蓮。

えっ?いつから、いつから2人は!?

マ・ジ・デ!?





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