こんなはずじゃなかった

B介

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恋は欲情5

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~生徒会・風紀・友人SIDE~前回の続き

「圭介、お前もか?2人掛りでか!」
豪は圭介の胸ぐらを掴んだ。

「うるせえな!関係無いだろ?睡蓮と話はついたんだ!振られる勇気もねえ奴に言われたかないわ!」

胸ぐらを掴む豪の手を引き離した。

「おお!いいね、圭介。そうだ。お前らに何も言う権利ねえぞ?どの立場で、言ってんだ?先輩?友人?頭の中じゃやましい事考えてんのに、綺麗事言ってんじゃねえよ。いいか?本当に勝ち取りたい、欲しい物がある時、どう出れるかで、勝敗は決まるんだよ。勝ちたい、強敵を前にして、最初の一歩、出せるか出せないかで決まる。失う、負ける怖さで立ち止まる奴は、大体勝てない。欲しい物を掴む権利すらねえ。俺と圭介は睡蓮を失う恐怖に立ち向かったのさ。それで、お前らとの差は広がった。友人、先輩としてのお言葉なら、泣かして申し訳なかったな。」

兵藤の言葉に、皆の顔が歪む。

「まあ、本気か本気じゃないかわからない奴らもいるが……本気じゃない、勇気がない奴は俺と同じ土俵には上がるな。どうせ、俺には勝てねえよ。本気ならかかってこい?」

兵藤はチラリと、双子、鞠田、白樺を見た。
そしてら西園寺に中指を立てる。

「まあ、圭介は土俵に立ったとして、1番の強敵は崎原理事長だがな。なんだあの変態。スペック的にも、今の俺じゃ難しいな。数歩先を見られている気分だ。」

二階堂は深く息を吐き、兵藤に近づく。
「この件は各々思うことがあるでしょう。今は睡蓮の事を話しましょう。…確かに、睡蓮が高校新記録出しましたが、すぐ表に出ないようにもみ消した様子ですしね。今までの、睡蓮の情報もあの人が隠していたのでしょう。あんな運動神経、表に出てもおかしくない。しかも、あの美貌ですしね。なので外部からの問題は大丈夫でしょうが、内部ですね。」

「……親衛隊を作るのは良いとして、睡蓮を囲おうと思う輩は多く出るでしょう。まぁ、生徒会、風紀の力があれば、ある程度は抑えられるが、家柄の強い者がどう動くかによります。」

白樺は眼鏡を指で抑えながら、学園の生徒記録に目を通す。

「西園寺、崎原、兵藤グループに匹敵出来そうなのは、3年の卯木と1年相葉くらいか?」
西園寺は思い出すように、話すと、白樺も記録を見て頷く。

「ええ。それくらいですね。卯木はS組ですが、相葉はA組ですか。」

「確か、相葉は中学はS組でした。やる気を感じられない奴で常に寝ていましたから、頭はありますが、A組になったのだと。」
洋一郎は思い出しながら話した。

「まあ、どいつも敵じゃないな。…最初は情報交換と行こうぜ、会長さん。親衛隊が出来るなら、リーダーは誰にするかぐらいだろ?今の問題は。」
兵藤は欠伸をしながら、つまらなそうに伸びをする。

「それ、僕がやる。」
森脇が手を上げた。

「えっ?優希ちゃん、会長の親衛隊隊長じゃん!」
ラキが、びっくりとばかりに立ち上がった。

「西園寺様の親衛隊は副隊長にお任せします!うちの隊は皆しっかりしてますし、今はあの容姿が分かりましたが、最初、生徒会、風紀、豪君、鵜山の親衛隊から睡蓮は煙たがられていましたから、会長の親衛隊だった僕がなる方が牽制になるし、それに…僕も思うところがあるから…。」

チラッと会長を森脇は見た。
その視線に西園寺は口元を笑わした。

「いいだろう。お前がやれ。今まで世話になったな。」

森脇は西園寺から出た、その言葉に驚いた。今まで自分の事など眼中にも無かったはずだ。絶対的に王者な彼。森脇は王者を変えたであろう人物を思い笑う。
「ありがとうございます!」

「じゃあ、副は僕がします。」
洋一郎が手を上げた。
「睡蓮とクラス一緒のが何かと都合いいと思うし。」

森脇も頷いた。

「じゃあ、話し合いは以上だな。あーつまんねー!睡蓮帰ってくんの4日後かよ。」
兵藤は立ち上がり、扉へと向かう。

「じゃあな、弱虫ども。せいぜい、いい先輩友人演じてろ。」

兵藤はバタンと生徒会室から出て行って。

兵藤が出て行った扉に、クッションが飛んでいった。

そして、ただ1人ずっとアウェイ感が出ていた小倉はネタの宝庫とかした室内に萌えながらも、睡蓮の今後の無事をお祈りした。

南無……。

~生徒会・風紀・友人SIDE end~

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