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恋は欲情3
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~兵藤SIDE~
俺は兵藤雷仁、兵藤組の次男坊だ。所謂ヤのつく職業。だが、企業などに力を入れている分闇業にはそこまで手を出していない、エリート系だ。これでも組はでかい方で配下もかなりある。俺は継ぐつもりもないし、自分で株で儲けているが、小さい頃から護身術目的でかなり格闘技をやらされた。多分将来的には兵藤の名を捨て、離婚した母の姓にでもなり、起業もいいかなと考えている。その時は睡蓮を誘うつもりだ。
会社名はWater lilyなんていいかなとか、キモいことを俺は考えている。あの雷神と恐れられた俺がだ。
まあ、小学生にとってはヤクザなんて怖いだろうし、家柄が分かると皆離れていった。おまえらの家より稼いでるがな!
小さい頃は抗争が酷くて、何度か危ない橋を渡った。そのせいか冷めた子供で、力と金が人生だと勝手に悟った。ふざけた下っ端に女は早くに知っておいた方がいいと、初体験が小5で風俗嬢だ。そん時の感想が、こんなもんか。って感じだ。
化粧と香水の鼻につく匂い、ぶよぶよの身体。あまり好ましく思えなかった。それから、小6の時に中等部の先輩、チワワ系とか言われている、抱きたいランキングに入る奴に誘われて試したが男が好きなわけでもなかったようだ。女にしろ、男にしろ、出すもん出せればいいし、そこまでやりたいモンでもない。
1度下っ端達が女を犯してるの見たが、あんなに夢中になるもんか?夢精と一緒な気がする。
だから、ピアスをして、髪染めようが、誘っても靡かない硬派とか、周りのチワワや町の女共は言っているらしい。
そんな、俺でも、1度とてつもない欲情した事がある。
こいつを抱けるなら死んでもいいってな。
それが中学2年の空手道場の大会だ。かなりの数が集まる大会で、毎年呼ばれている。
だが、俺はかなり強い。部活とか入っていれば、かなりいい線いくんじゃん?道場しか入っていないがな。
だから、毎度優勝か何回かいつも決勝で当たる、言わば幼なじみ的な生意気な奴に数回負けた程度だ。
もう、小学生からやり合いしてるので飽き飽きしている。
だが、その大会は違った。なんか、見たことない、金髪で変わった瞳の色の男が、羽があるように舞い、蹴りを出して勝ち上がってきている。
息をするのも忘れるくらい綺麗で、同じ空手か?と思うほど。
俺は、シード戦が終わったら、ロッカールームやベンチでゴロゴロ、道場のやつが呼びに来るまで待機しているのだが、目が離せなかった。
「坊、休まないんですかい?」
俺の護衛も驚く程、夢中だった。
「松岡。あいつを調べろ…。」
俺が何かを頼むのは初めてだった。継ぐ気もないから、あまり介入しないようにしていたのだ。
だが、力を使ってでも欲しい。胸がそう言って、締め付けるんだ。
準決勝で、圭介を一瞬で回し蹴りで沈めた姿は、大天使の様に神々しく、俺の股間は、初めて刺激無しで立ち上がった。
やべえ、次俺なのに!!
初めての事で慌てたが、奴の集中する顔に、自然と理性が戻ってきた。
集中しないと殺られる。
自分が負けると考えたのもこの時が初めてだ。
身体の不調やミス、やる気で圭介にも負けた事があるが、事前にこんな武者震いは無い。
試合コートにお互い立って向き合うと、余計に震えそうになる。
大天使の様な神々しく、しなやかな野性の豹を思わせる、よくわからない生物が目の前にいる。
やはり、勝負は一瞬だった。蹴りさえ気を付ければ!
回し蹴りを右腕犠牲にして止め、安心した次の瞬間、クルッと逆から一瞬でやられた。少し笑った口元がエロく、魅力的に感じたい。
顔が熱い、心臓が痛い、下半身に熱が集まる。
俺の初恋だ。
閉会式にはいなかった。調べたが道場登録はせずにヘルプ、名前は Lily Water のみ。
その1度だけ、探しても見つからず。
俺はもう、そいつ以外抱く気もしないし、欲しくもない。
高校に入学してからは、合法的に暴れられる風紀に腐れ縁の風政と入り、発散と無精を繰り返してた。
2年になり、まさかの事が起きた。
俺はあの金髪以外欲しくないと思ってたし、卒業したら海外まで探す気でいた。情報を買う為、株にもより力を入れていた。
なのに、俺は、ボサボサ眼鏡が気になって、気に入って、多分、いや間違いなく惚れた。
株もそこまで見なくなり、ボサボサを追いかけ回す日々。側から見ても俺、カッコ悪いって思うわ。
風紀で発散しても、頭にはボサボサ。夢精でよかったはずが、ボサボサのよくわからない、魅力的な身体をオカズにしている。
あー!!くそ!!なんなんだよ!!あのヤロー!!
しかも、圭介まで!お前も金髪探してただろう!!
西園寺も!面倒くせえ!!
しかもら蓋を開けりゃあー金髪と同一人物だし。多分、いや、絶対俺は睡蓮には一生勝てないんだろうなぁ。惚れた方が負けだからな。
愛してんぞ。睡蓮。絶対モノにする。
~兵藤SIDE end~
俺は兵藤雷仁、兵藤組の次男坊だ。所謂ヤのつく職業。だが、企業などに力を入れている分闇業にはそこまで手を出していない、エリート系だ。これでも組はでかい方で配下もかなりある。俺は継ぐつもりもないし、自分で株で儲けているが、小さい頃から護身術目的でかなり格闘技をやらされた。多分将来的には兵藤の名を捨て、離婚した母の姓にでもなり、起業もいいかなと考えている。その時は睡蓮を誘うつもりだ。
会社名はWater lilyなんていいかなとか、キモいことを俺は考えている。あの雷神と恐れられた俺がだ。
まあ、小学生にとってはヤクザなんて怖いだろうし、家柄が分かると皆離れていった。おまえらの家より稼いでるがな!
小さい頃は抗争が酷くて、何度か危ない橋を渡った。そのせいか冷めた子供で、力と金が人生だと勝手に悟った。ふざけた下っ端に女は早くに知っておいた方がいいと、初体験が小5で風俗嬢だ。そん時の感想が、こんなもんか。って感じだ。
化粧と香水の鼻につく匂い、ぶよぶよの身体。あまり好ましく思えなかった。それから、小6の時に中等部の先輩、チワワ系とか言われている、抱きたいランキングに入る奴に誘われて試したが男が好きなわけでもなかったようだ。女にしろ、男にしろ、出すもん出せればいいし、そこまでやりたいモンでもない。
1度下っ端達が女を犯してるの見たが、あんなに夢中になるもんか?夢精と一緒な気がする。
だから、ピアスをして、髪染めようが、誘っても靡かない硬派とか、周りのチワワや町の女共は言っているらしい。
そんな、俺でも、1度とてつもない欲情した事がある。
こいつを抱けるなら死んでもいいってな。
それが中学2年の空手道場の大会だ。かなりの数が集まる大会で、毎年呼ばれている。
だが、俺はかなり強い。部活とか入っていれば、かなりいい線いくんじゃん?道場しか入っていないがな。
だから、毎度優勝か何回かいつも決勝で当たる、言わば幼なじみ的な生意気な奴に数回負けた程度だ。
もう、小学生からやり合いしてるので飽き飽きしている。
だが、その大会は違った。なんか、見たことない、金髪で変わった瞳の色の男が、羽があるように舞い、蹴りを出して勝ち上がってきている。
息をするのも忘れるくらい綺麗で、同じ空手か?と思うほど。
俺は、シード戦が終わったら、ロッカールームやベンチでゴロゴロ、道場のやつが呼びに来るまで待機しているのだが、目が離せなかった。
「坊、休まないんですかい?」
俺の護衛も驚く程、夢中だった。
「松岡。あいつを調べろ…。」
俺が何かを頼むのは初めてだった。継ぐ気もないから、あまり介入しないようにしていたのだ。
だが、力を使ってでも欲しい。胸がそう言って、締め付けるんだ。
準決勝で、圭介を一瞬で回し蹴りで沈めた姿は、大天使の様に神々しく、俺の股間は、初めて刺激無しで立ち上がった。
やべえ、次俺なのに!!
初めての事で慌てたが、奴の集中する顔に、自然と理性が戻ってきた。
集中しないと殺られる。
自分が負けると考えたのもこの時が初めてだ。
身体の不調やミス、やる気で圭介にも負けた事があるが、事前にこんな武者震いは無い。
試合コートにお互い立って向き合うと、余計に震えそうになる。
大天使の様な神々しく、しなやかな野性の豹を思わせる、よくわからない生物が目の前にいる。
やはり、勝負は一瞬だった。蹴りさえ気を付ければ!
回し蹴りを右腕犠牲にして止め、安心した次の瞬間、クルッと逆から一瞬でやられた。少し笑った口元がエロく、魅力的に感じたい。
顔が熱い、心臓が痛い、下半身に熱が集まる。
俺の初恋だ。
閉会式にはいなかった。調べたが道場登録はせずにヘルプ、名前は Lily Water のみ。
その1度だけ、探しても見つからず。
俺はもう、そいつ以外抱く気もしないし、欲しくもない。
高校に入学してからは、合法的に暴れられる風紀に腐れ縁の風政と入り、発散と無精を繰り返してた。
2年になり、まさかの事が起きた。
俺はあの金髪以外欲しくないと思ってたし、卒業したら海外まで探す気でいた。情報を買う為、株にもより力を入れていた。
なのに、俺は、ボサボサ眼鏡が気になって、気に入って、多分、いや間違いなく惚れた。
株もそこまで見なくなり、ボサボサを追いかけ回す日々。側から見ても俺、カッコ悪いって思うわ。
風紀で発散しても、頭にはボサボサ。夢精でよかったはずが、ボサボサのよくわからない、魅力的な身体をオカズにしている。
あー!!くそ!!なんなんだよ!!あのヤロー!!
しかも、圭介まで!お前も金髪探してただろう!!
西園寺も!面倒くせえ!!
しかもら蓋を開けりゃあー金髪と同一人物だし。多分、いや、絶対俺は睡蓮には一生勝てないんだろうなぁ。惚れた方が負けだからな。
愛してんぞ。睡蓮。絶対モノにする。
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