39 / 137
猛獣より、可愛いワンコがいい!6
しおりを挟む
責められ、いじけた俺は隅っこで丸くなる。
報告書をまとめ終わった会長達に、森脇は泣きはらした目でコーヒーを入れ直す。
豪以外の全員にコーヒーを配ると、隅っこでイジイジの俺にもコーヒーを持ってきてくれた。泣き腫らした赤い目にムッと突き出た唇。罪悪感からなのか、つい、思った本音がポロリ
「俺、先輩のこと…可愛いとは思ってましたよ。先輩の事は、本当に知らなかったけど、男にこんな事言っていいのか、わかんないけど、初めて見た時から可愛いとは思いました。だから、知らなかったことと、知らないフリした事、許して下さい。先輩にはなんだか嫌われたくないです。」
ちょっと正直、恥ずかしくて、つい、早口になってしまった。
あー熱い!顔が火照る!
でも、森脇先輩は気にしやすいし、感情的だから、正直に思った事言った方が誤解されないだろう。
恥ずかしさのせいか、睡蓮の唇もムッと尖り、顔を真っ赤にさせる。
ガシャン!!
カップを落とす音が響く。
ああ!勿体無い!
自分のコーヒーが森脇の手から床に落ちたのを目にする。
割れたカップから森脇に視線を変えると、そこにはトマトの様に真っ赤な森脇先輩が!!
そして、自分の一言に森脇と、あっ。小倉以外の周りの気温が一気に下がる。
え。なんかまずいこと言った?
周りの変化にピリリッと危険信号を感知する。
冷たく鋭い視線が何本も矢の如く突き刺さる。
なんかヤバい。
「ぼ、僕のこと可愛いと思うの?」
自分でいっぱいいっぱいの森脇先輩は周りの様子に気づかない。
「は、はい。」
な、なんかそれどころじゃない気がするが。
その発言にまた2℃くらい下がった気がした。
「じゃあ、僕のこと好きなの?」
きゅっと白魚のような手で俺の手を握る。
「えっ?まあハイ。」
ガターーン!!
「睡蓮!!てめえ!ふざけんなよ!」
「何も学んでねえな!!ほんの数分前に教えただろが!!殺すぞ!?」
おいおい!風紀と生徒会が口悪いぞ!どっかのヤクザか!
「いや、あんたら猛獣より、可愛いでしょ?」
負けないぞ!っと言い返した。
「睡蓮は、可愛いチワワのがいいのか!?」
「……」
ボロボロとまた泣き出す圭介に無言の豪。
「はあ、もうこの繰り返し、いい加減にしてくれ!あんた達もイケメン、美形だと思うよ!だけど、ぐいぐい怖い人より、ウルウルキャンキャンのが可愛いだろ!」
「「「「…………」」」」
な、なんだよ!!
「ほう…俺たちのこと、イケメンや美形だとは思っているんだな?」
満更でもないように、ニヒルに笑う兵藤。そういう顔が似合うのがイケメンの特権だな。
「美形とは私の事かい?」
キラキラフェイスで覗き込んでくる副会長。
はい、そうですよ。
「ふん!当たり前のこと言われてもな!」
じゃあ、ニヤニヤしながら言うな!!西園寺!
ぐしぐしと鼻と目を擦り、笑顔になる圭介。豪は森脇の落としたカップを片付け始めた。
「優希、誤解すんなよ、LOVEじゃなくLIKEだ。」
コソリと森脇の耳元で豪は言う。
無言の従兄弟同士の睨み合いに気付く事はなかった。
ただ、1人以外は……
「さすが睡蓮タン!安定の総受けフラグ!」
本日、総受けフラグ大量の為、写真が増えてウハウハの小倉であった。
報告書をまとめ終わった会長達に、森脇は泣きはらした目でコーヒーを入れ直す。
豪以外の全員にコーヒーを配ると、隅っこでイジイジの俺にもコーヒーを持ってきてくれた。泣き腫らした赤い目にムッと突き出た唇。罪悪感からなのか、つい、思った本音がポロリ
「俺、先輩のこと…可愛いとは思ってましたよ。先輩の事は、本当に知らなかったけど、男にこんな事言っていいのか、わかんないけど、初めて見た時から可愛いとは思いました。だから、知らなかったことと、知らないフリした事、許して下さい。先輩にはなんだか嫌われたくないです。」
ちょっと正直、恥ずかしくて、つい、早口になってしまった。
あー熱い!顔が火照る!
でも、森脇先輩は気にしやすいし、感情的だから、正直に思った事言った方が誤解されないだろう。
恥ずかしさのせいか、睡蓮の唇もムッと尖り、顔を真っ赤にさせる。
ガシャン!!
カップを落とす音が響く。
ああ!勿体無い!
自分のコーヒーが森脇の手から床に落ちたのを目にする。
割れたカップから森脇に視線を変えると、そこにはトマトの様に真っ赤な森脇先輩が!!
そして、自分の一言に森脇と、あっ。小倉以外の周りの気温が一気に下がる。
え。なんかまずいこと言った?
周りの変化にピリリッと危険信号を感知する。
冷たく鋭い視線が何本も矢の如く突き刺さる。
なんかヤバい。
「ぼ、僕のこと可愛いと思うの?」
自分でいっぱいいっぱいの森脇先輩は周りの様子に気づかない。
「は、はい。」
な、なんかそれどころじゃない気がするが。
その発言にまた2℃くらい下がった気がした。
「じゃあ、僕のこと好きなの?」
きゅっと白魚のような手で俺の手を握る。
「えっ?まあハイ。」
ガターーン!!
「睡蓮!!てめえ!ふざけんなよ!」
「何も学んでねえな!!ほんの数分前に教えただろが!!殺すぞ!?」
おいおい!風紀と生徒会が口悪いぞ!どっかのヤクザか!
「いや、あんたら猛獣より、可愛いでしょ?」
負けないぞ!っと言い返した。
「睡蓮は、可愛いチワワのがいいのか!?」
「……」
ボロボロとまた泣き出す圭介に無言の豪。
「はあ、もうこの繰り返し、いい加減にしてくれ!あんた達もイケメン、美形だと思うよ!だけど、ぐいぐい怖い人より、ウルウルキャンキャンのが可愛いだろ!」
「「「「…………」」」」
な、なんだよ!!
「ほう…俺たちのこと、イケメンや美形だとは思っているんだな?」
満更でもないように、ニヒルに笑う兵藤。そういう顔が似合うのがイケメンの特権だな。
「美形とは私の事かい?」
キラキラフェイスで覗き込んでくる副会長。
はい、そうですよ。
「ふん!当たり前のこと言われてもな!」
じゃあ、ニヤニヤしながら言うな!!西園寺!
ぐしぐしと鼻と目を擦り、笑顔になる圭介。豪は森脇の落としたカップを片付け始めた。
「優希、誤解すんなよ、LOVEじゃなくLIKEだ。」
コソリと森脇の耳元で豪は言う。
無言の従兄弟同士の睨み合いに気付く事はなかった。
ただ、1人以外は……
「さすが睡蓮タン!安定の総受けフラグ!」
本日、総受けフラグ大量の為、写真が増えてウハウハの小倉であった。
135
お気に入りに追加
2,123
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる