こんなはずじゃなかった

春の嵐の予感

今、副会長とは別れ、担任の横川とクラスへと向かっている。俺のクラスは1年S組らしい。成績順で、S～Eまであるようだ。俺、意外と頭いいんだな。まあ、姉にばかり負担掛けられないし。将来の為、勉強はそこそこしている。
あっ、担任の名前は横川和樹というらしい。カズと呼ぶよう言われたが、丁重に断った。

クラスに着いたようで担任が扉を開けると男子校なのに、甲高い叫びが上がった。

キャーーーーーーー！！
「今日もカッコいい！！横川先生！！」
「毎朝会えるなんて！！」

横川、、人気なんだな。まあ話しやすい先生だし、人気出るよな。

「うるせー。静かにしろ！ヤローの甲高い声なんて聞きたくないわ！昨日説明した、転校生だ！入れ、睡蓮！」

ざわつく教室に入ると一斉にこちらに視線が集まる。
「崎原睡蓮です。よろしく」

皆無言で上から下まで舐めるような視線を送ってくる。
なんだ、この感じ、、。居心地悪いわ。

～クラスSIDE～

最初の印象は、何このボサボサ頭。
横川先生に名前で呼ばれてムカつく！ダサいくせに！

そう思っていたが、、、

スッと目の前に立ち、完結な挨拶を言う姿が、あまりにも魅力的に感じた。

よくよく見ると、小さな顔、程よい長身。手足の長さ、制服からわかるしなやかな身体つき。ボサボサ頭と眼鏡以外があまりも綺麗で、、、。

誰も何も発せられなくなった。
なんなんだ、こいつ。
俺の方が綺麗なはず、
かっこいいはず。
あまりにもよくわからない存在に、ただただ静まり返っていた。
崎原睡蓮、、、。友達になりたい。
～クラスSIDE end～


～小倉SIDE～

えーーーっ！！
皆！どうしたの！ここは王道の、罵りでしょ！

ほら！ボサボサ頭だよ！眼鏡が根暗みたいだよ！
人気なイケメン担任に下の名前で呼ばれてるよー！

何故だ！なぜ、ここまで王道なのに！若干違うんだ！


………確かに。ボサボサくん、遠目ではわからなかったが、近くに立つと、なんともエロ、ゴフン！いや、雰囲気があるな。白い肌、唇なんて、赤みがかったピンクだし、手足も長い、、、。
王道でも眼鏡外すと美形！だから睡蓮君も美形だろうな。だが、、、こんなにも、色気が溢れ出すものか？
王道と少し違うな、、。ムムム。皆もよく分からず何も言えないのだろう！

、、、てか、崎原睡蓮、変わった名前だが、なんか引っかかる？なんだろう、、どこかで？

～小倉SIDE end～