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第十話 「一対二」

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立神が敗北し、
不破はたった1人で、風紀委員の女子2人を相手することとなった。

立神を倒した2人の様子を伺いながら、能力を予想する。
まず、立神の行動を静止した能力。
不破は、屋上の出入り口で立っている、メガネをかけたの風紀委員を横目で観察する。

能力を使ってにしては、何かものを持っているわけではなかった。
両手とも、組んで仁王立ちのままだ。と、いうことは、彼女の能力は何も還さずに使うことができる能力。
しかも、距離がある、人物を特定で動けなくさせるもの。の可能性が高い。

それと立神をものさしを突き刺し、戦闘不能にさせた能力。
これは、ギャルの風紀委員がものさしから、何らかの力を発生させた可能性が高い。

倒れた立神を見る。
たしか、立神は叫びをあげていたのを思い出した。

一瞬で意識を刈るものではなく、なにかの衝撃を体に受けた可能性が高い。
倒れた立神をよくみると、瞼がピクピクしているのが気になった。

…なるほど。

この感じからすると、ものさしから出たのは、電気と思われる。
体がピクピクするのは、電気を流し込まれたことによる麻痺だろう。
ギャルのものさしは電気を発生される能力に違いない。

ここまで予想できた。
ギャルの方は、対処ができる。ものさしに触れないとかすれば脅威でもない。
立神から焦げたにおいがしないことから、電気もそこまで協力なものではないと予想できる。
だが、問題は仁王立ちで立っているメガネの方だ。
彼女の能力がもし、制限なく一人に使えるのであれば、立神と一緒の状況になって動けなくなり負ける……

さすがにそれは避けたいところだ。
動きを止める能力のおかげで逃げることすら厳しい。なんとも厄介な能力だ。

「それじゃ~、いっくよ~」

不破にめがけてギャルは走り、突進してきた。

「く……」

避けるのは簡単だ。
まっすぐ向かってくるやつのものさしをよければいいのだから。
しかし……
不破は横目で確認する。
メガネの女のほうの動きを。
しかし、動く様子はない。でも、見られている……

「あちょう!」

ギャル女が不破の目の前で飛びかかる。
迷っている暇はない、不破は右ポケットに手を突っ込んだ。
そして、ギャル女のものさしをポケットから取り出した右手で、掴む。

「あ~あ、さわっちゃったの?感電しちょうよ」

ものさしから電気が流れる。
ものさしの先端から電気の流れる音が、不破の耳にも聞こえてくる。
まるで、ものさしがスタンガンのようになっている。
予想どおり、電気を発生させる能力だった。
触れば、感電すること間違いない。

「そいつはどうかな」

「え……!?」

いつまでたっても、不破は倒れることはなかった。
それは、不破の右手に秘密があった。

「て、てぶくろ!」

不破がものさしを受け止めた右手には、先ほどまでなかった手袋がされていた。

「そうだ。ゴム製のグローブだ。残念だが、電気は通らない」

「え、そうなの!」

電気といえばゴムは有名だ。
普段から、超能力者を相手をする不破は電気を使う相手にも勝てるように常日頃からポケットに忍ばせていたのだった。
これによりギャルの超能力は封じたも同然。

「離れて!桃!」

すると、ギャルは飛ぶように下がった。
不破は、メガネの女の方をみる、目が神々しく光っている。
ガクッ!!
それは突然の出来事だった。
まるで、100キロを超えるお相撲さんを背負っているかのように体が重たくなったのだ。

これ、か……

不破は必死に立つが、身動きが取れない。

「今よ、桃!」

「あいさ~」

再びギャルの女が不破に襲い掛かる。
まずい、動けねぇ。
絶体絶命の状況に、不破は必死に避けようと体を動かす。
動けないわけではないが、避けることはほぼ不可能だった……

「負けるかああああああああああ!」

全身に力を込めて、右腕を振り上げる。
もう一度ものさしを右手で受けようとする。

「うそ!」

メガネの女は驚いていた。
まさか、こんなに動くなんて、と。

「立っているだけでやっとなのに、腕を動かすのだって相当しんどいはず」

それでも不破は必死に動こうとする。

「はやく、やれええええええええええええ!!!!!」

とその場の誰かが叫んだ。
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