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第109話 転校生2

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「う~ん」
「どうしたの花園さん?」
朝のホームルームが終わってからもずっと転校生のことを考えていた。どこかであったような気がする。というよりも知っている人間な気がしてならないのだ。
そんな僕を見て真城さんが心配してか話しかけてきた。
「いやね、あの転校生の子知ってるような気がするんだけど、思い出せなくて」
「そうなんだ。だったら本人に聞きに行ったら?」
と悩める僕にアドバイスをくれる。
「そうだね、そうしようか」
僕は席から立ち上がって転校生の元に向かった。

……。
よく転校生が来たら人だかりができていたりするはずなんだが、思ったほど人だかりはできてなかった。数人の女子がいるだけだった。
「思ったより人集まらないんだね」
「そうだよ。これが女の子」
「そうなんだ…」
女子校だからなのかもしれないな。
僕は転校生の元に近寄る。その後ろからは真城さんついてきている。珍しい。
そして、転校生とその周りの女子がまだ話をしていた。というより質問と言ったところだろう。その女子たちが離れるのを待った。でも、残念ながら一時間目が始まるまで離れることはなかった。渋々僕は自分の席に戻った。

それから、二時間目三時間目と一向に女子は離れることがなかった。
僕は、時間が経つたびなんかどうでもよくなってきていた。
そして、昼休みを迎えていつも通り屋上に向かって歩みを進めた。
屋上に着くとミサキと先生が座って待っていた。
僕が屋上に着くなりミサキが僕の方を見てこう言った。
「お~、暑いね~、2人一緒とは!」
「ん? 2人?」
僕は後ろを振り向いた。するとそこには真城さんが立っていた。
「うわぁ! 真城さんいつから後ろに…」
「教室を出る前から」
教室を出る前って…
「…それって最初っからじゃん!」
「そうかも」
と照れながら答えた。
そういえば今日はよく後ろにいたような…
どうしてそんなことをしているんだろう。もしかして、僕の命を…なんてね。
「どうして後ろにいたの? 話しかけてくれればよかったのに…」
「ごめんなさい。ミサキちゃんがそうするといいって言ってたから」
「え、ミサキ?」
僕はミサキの方を見た。
笑っていた。
「あちゃ~、ばれたか」
「ばれたかじゃねぇ!」
「あははは」
「笑ってごまかそうとするな!」

「一体何が目的なんだミサキ」
僕はミサキにとうた。
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