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第99話 真城さんのお家

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「お、お邪魔しま~す…」
僕はおそるおそる真城さん家に入っていく。
ま、まさか、真城さんが家に上げてくれるとは…
心臓がバクバクしながら玄関を上がるとそこには…
「おかえりなさいませ、お嬢様」
メイドさんがいた。
「め、メイドさん?」
「違います。私はこの家の家政婦です…って、み、みゆき様のお友達ですか!!」
「は、はい! 花園みくりと言います」
とお辞儀をした。驚いていた家政婦さんも僕にお辞儀をした。
「まさか、みゆき様がお友達を連れてこられるなんて… 今日は赤飯にしましょう」
「やめて! それに前にもミサキを連れてきたでしょ」
「そういえばそうでした」
「もう…」
真城さんは家政婦さんに呆れながら、ずかずかと自分の家に上がっていく。当たり前だけど。
僕は、少し体をかがめておそるおそる真城さんの後に続いてあがらしてもらった。
玄関先は広かった。玄関の角には大きな花瓶に入った花が飾られていた。僕は、花を見ても詳しくないのでよく分からないが、多分生花だろう。それが、角四つに飾られている。ここは名家なのか?
僕は二、三歩歩くと段差になっていた。多分ここで靴を脱ぐのだろう。靴を脱ぐと家政婦さんがスリッパを出してくれたのでそれを履いた。残念ながら男の僕は足が臭い。今履いているスリッパはいいものなのだろう。そのため僕の匂いが付いてしまうのではないかと思うと、今すぐにでも脱ぎたい。でも、裸足で上がるのは綺麗な床を汚してしまうので、そんなことはできずスリッパを履くことを拒むことができなかった。スリッパには犠牲になってもらおう…
僕は、キョロキョロしながら真城さんの後をついていくと、階段を上り始めた。真城さんの部屋が上にあるんだろう。階段の壁には花の絵が飾られていた。とことん花が好きだなぁ~。そういえば、ずっとこんお家からいい匂いがする。多分何かの花の香りだろう。

階段を上がり終わり二階についた。
二階に上がると目の前に長い廊下が続いていた。その先にはまた階段があった。三階に上がるための階段だろう。真城さんは僕のことを気にせずどんどん進んでいく。僕は、むちゅでついていく。その長い通路にはいろんな部屋につながっているドアがいっぱいあった。5つくらい部屋があるようだ。
どれが真城さんの部屋なのかソワソワしながらなついていく。どれなんだろう…しかし、真城さんはどこかの部屋の前のドアに止まらず歩いていく。そして…三階に続く階段へ…また登るの? 僕は無我夢中でついていった…
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