79 / 154
第七十九話 休日
しおりを挟む
「はー、昨日はひどい目にあったな」
「そうだね」
と朝から妹と一緒にリビングで仲良く会話をしていた。そう今日は、休日。
そしてこの後、我が家に一馬くんが来るらしい。そのため、妹と楽しく会話をして時間を潰していたのだ。
「そうだ。昨日の小学生はなんて名前なの?」
「え?」
「名前だよ、名前」
「知らない」
「知らないの~、泣かしておいて」
いやいや、あれはお前のせいでもあるだろ! とツッコミたいけど、ちょうどそのタイミングで家のチャイムが鳴った。たぶん、一馬くんだろう。
「はいはーい」
そう言って、妹は玄関に向かって走っていった。そして、玄関が開いた音がした後
「いらっしゃい」
「お邪魔します」
と声がリビングまで聞こえてきた。
そして、2人がリビングに入ってくる。
「よう、一馬くん……って、どうした!」
僕は一馬くんの格好を見て驚いた。
「どうこの格好?」
と妹が自分のことのように言ってくる。
「いや、何でお前が誇らしげなんだよ」
「だって私が選んだんだもん!」
「そ、そうなのか」
と僕は妹と話をしている横で、もじもじとしている一馬くん。
いや、今の格好では一馬くんと言うより…
「一馬ちゃんだよな…」
「え」
あ、口に出てしまったらしい。一馬くん…まぁ、いいか、一馬くんで。いや、女の子の格好をしているのだから、一馬ちゃんと呼ぶべきか。
「可愛いね、よく似合ってるよ」
「あ、ぁああございます」
テンパってんじゃん。てか、こんなキザなセリフは僕には似やわないな。
恥ずかしいし…
「ああ、今日は何しに来たんだ一馬くん?」
「あ、それはですね。あの小学生のことで思い出したことがあったんで、遊ぶついでに話しておこうと思いまして」
「思い出したこと?」
「実はですね…」
とその時、一馬くんの話を遮って、また我が家のチャイムが鳴り響く。なんだ、宅配便か?
僕は玄関に向かおうとすると、妹が「私が行くよ」と言い出した。
「いやいや、ここは僕が行くから」
「いや、私が!」
と1歩も譲らず喧嘩になってしまう。
そんな僕達を見て、一馬くんが動き出した。
「なら、ここは僕が行きますよ」
そう言って、玄関に向かい始めた一馬くん。え、一馬くん?ちょっと待てぇぇぇえ!
リビングを出て玄関に向かおうとした一馬くんの右腕を僕が掴み、反対の左腕を妹が掴み、その行動を止める。
「君が行ったらダメだろ」
「え、そうですか?」
「そうだよ!」
そんなこんなしていたら、チャイムがまた鳴る。しかも、相手は怒っているのか、チャイムを連打し始めた。待たせているこちらが悪いんだが、チャイムを連打する宅配業者は知らないな。
「もしかして、宅配の人じゃないんじゃない?」
と妹が冷静な判断で答える。
「あぁ、もしかしたらイタズラかもしれないな」
と僕は判断し、待っていれば帰るだろうと思っていた。しかし、一向にチャイムの連打をやめる気配がなかった。うるさいな…
しまいに僕は痺れを切らして、玄関のドアの方に向かって歩いていた。そして、
「どちら様ですか?」
と外にいる人に問いかけた。
しかし、返答はなかった。逃げたのか?僕はそれならと思い玄関を後にしようとしたら、またチャイムが鳴った。今回は連打ではなかった。玄関の外ではまだ待っているらしい。声をかけた手前、家の中にいることはバレてしまっているので、仕方なく玄関のドアを開けた。
しかし、あれ?誰も…
その時僕の視線の下から声がした。
「レディを待たせるとは失礼ですわの!」
と声のする方に視線を下げると、そこには胸を張って息巻いている小学生が立っていた……
「そうだね」
と朝から妹と一緒にリビングで仲良く会話をしていた。そう今日は、休日。
そしてこの後、我が家に一馬くんが来るらしい。そのため、妹と楽しく会話をして時間を潰していたのだ。
「そうだ。昨日の小学生はなんて名前なの?」
「え?」
「名前だよ、名前」
「知らない」
「知らないの~、泣かしておいて」
いやいや、あれはお前のせいでもあるだろ! とツッコミたいけど、ちょうどそのタイミングで家のチャイムが鳴った。たぶん、一馬くんだろう。
「はいはーい」
そう言って、妹は玄関に向かって走っていった。そして、玄関が開いた音がした後
「いらっしゃい」
「お邪魔します」
と声がリビングまで聞こえてきた。
そして、2人がリビングに入ってくる。
「よう、一馬くん……って、どうした!」
僕は一馬くんの格好を見て驚いた。
「どうこの格好?」
と妹が自分のことのように言ってくる。
「いや、何でお前が誇らしげなんだよ」
「だって私が選んだんだもん!」
「そ、そうなのか」
と僕は妹と話をしている横で、もじもじとしている一馬くん。
いや、今の格好では一馬くんと言うより…
「一馬ちゃんだよな…」
「え」
あ、口に出てしまったらしい。一馬くん…まぁ、いいか、一馬くんで。いや、女の子の格好をしているのだから、一馬ちゃんと呼ぶべきか。
「可愛いね、よく似合ってるよ」
「あ、ぁああございます」
テンパってんじゃん。てか、こんなキザなセリフは僕には似やわないな。
恥ずかしいし…
「ああ、今日は何しに来たんだ一馬くん?」
「あ、それはですね。あの小学生のことで思い出したことがあったんで、遊ぶついでに話しておこうと思いまして」
「思い出したこと?」
「実はですね…」
とその時、一馬くんの話を遮って、また我が家のチャイムが鳴り響く。なんだ、宅配便か?
僕は玄関に向かおうとすると、妹が「私が行くよ」と言い出した。
「いやいや、ここは僕が行くから」
「いや、私が!」
と1歩も譲らず喧嘩になってしまう。
そんな僕達を見て、一馬くんが動き出した。
「なら、ここは僕が行きますよ」
そう言って、玄関に向かい始めた一馬くん。え、一馬くん?ちょっと待てぇぇぇえ!
リビングを出て玄関に向かおうとした一馬くんの右腕を僕が掴み、反対の左腕を妹が掴み、その行動を止める。
「君が行ったらダメだろ」
「え、そうですか?」
「そうだよ!」
そんなこんなしていたら、チャイムがまた鳴る。しかも、相手は怒っているのか、チャイムを連打し始めた。待たせているこちらが悪いんだが、チャイムを連打する宅配業者は知らないな。
「もしかして、宅配の人じゃないんじゃない?」
と妹が冷静な判断で答える。
「あぁ、もしかしたらイタズラかもしれないな」
と僕は判断し、待っていれば帰るだろうと思っていた。しかし、一向にチャイムの連打をやめる気配がなかった。うるさいな…
しまいに僕は痺れを切らして、玄関のドアの方に向かって歩いていた。そして、
「どちら様ですか?」
と外にいる人に問いかけた。
しかし、返答はなかった。逃げたのか?僕はそれならと思い玄関を後にしようとしたら、またチャイムが鳴った。今回は連打ではなかった。玄関の外ではまだ待っているらしい。声をかけた手前、家の中にいることはバレてしまっているので、仕方なく玄関のドアを開けた。
しかし、あれ?誰も…
その時僕の視線の下から声がした。
「レディを待たせるとは失礼ですわの!」
と声のする方に視線を下げると、そこには胸を張って息巻いている小学生が立っていた……
0
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる