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第34話 伝承1
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「なぁ、ベロニカ」
「何よ」
と勇者とベロニカは同じ机を囲み向き合うように座っていた。
昼下がりの今日のこの時間。騎士育成学院の学院内に存在する図書館に二人はいた。
どうして二人は図書館にいるのかというと、この国のことを勇者が知りたいとベロニカに話したことがこの出来事の始まりであった。そのときのベロニカは勇者がそんなことを言い出すとは思わず、驚いていたがその反面うれしそうでもあった。
そんなベロニカに連れられて訪れたのは、この国随一の情報が集まるこの図書館であった。
しかし、嬉しそうにしていたベロニカも今では嫌そうな顔をして勇者の目の前に座っている。
それには理由があった。この図書館には過去の伝承から国の歴史について書かれている本がすべてそろっているといえるほどの品揃えであった。しかし、ベロニカには誤算があった。
伝承、歴史の情報を得るには取って置きの場所であったのは間違いない。
そう、勇者が文字さえ読めればの話だが……
「すまない、ここ教えてくれ」
かれこれ2時間ベロニカは勇者に付き合っていた。本を開くも文字が読めない勇者のために本を音読してあげていたのだ。
ベロニカののどもカラカラになってきていた。
「どこよ」
勇者が指差す部分をベロニカは本にかかれいる内容を口に出しながら読み上げる。
勇者はそれを静かに聴いていた。
「ありがとう」
そういうと再び勇者は本を読み出した。読むというよりも感じとるというほうが正しいかもしれない。
文字の読めない勇者が今読んでいるものは、この国の伝承と呼ばれる物語だ。
もちろん絵が大半を占めていて文字が読めない子供が読む、絵本だ。
絵本といえ毎ページ文字が出てくる。それは勇者は読めないわけだが、それを絵だけで読み解いているのだからなかなかすごいものだ。
今勇者が読んでいる本はこのキキタコ国と隣の国であるモーガン国との伝説の物語が書かれていた。
「何よ」
と勇者とベロニカは同じ机を囲み向き合うように座っていた。
昼下がりの今日のこの時間。騎士育成学院の学院内に存在する図書館に二人はいた。
どうして二人は図書館にいるのかというと、この国のことを勇者が知りたいとベロニカに話したことがこの出来事の始まりであった。そのときのベロニカは勇者がそんなことを言い出すとは思わず、驚いていたがその反面うれしそうでもあった。
そんなベロニカに連れられて訪れたのは、この国随一の情報が集まるこの図書館であった。
しかし、嬉しそうにしていたベロニカも今では嫌そうな顔をして勇者の目の前に座っている。
それには理由があった。この図書館には過去の伝承から国の歴史について書かれている本がすべてそろっているといえるほどの品揃えであった。しかし、ベロニカには誤算があった。
伝承、歴史の情報を得るには取って置きの場所であったのは間違いない。
そう、勇者が文字さえ読めればの話だが……
「すまない、ここ教えてくれ」
かれこれ2時間ベロニカは勇者に付き合っていた。本を開くも文字が読めない勇者のために本を音読してあげていたのだ。
ベロニカののどもカラカラになってきていた。
「どこよ」
勇者が指差す部分をベロニカは本にかかれいる内容を口に出しながら読み上げる。
勇者はそれを静かに聴いていた。
「ありがとう」
そういうと再び勇者は本を読み出した。読むというよりも感じとるというほうが正しいかもしれない。
文字の読めない勇者が今読んでいるものは、この国の伝承と呼ばれる物語だ。
もちろん絵が大半を占めていて文字が読めない子供が読む、絵本だ。
絵本といえ毎ページ文字が出てくる。それは勇者は読めないわけだが、それを絵だけで読み解いているのだからなかなかすごいものだ。
今勇者が読んでいる本はこのキキタコ国と隣の国であるモーガン国との伝説の物語が書かれていた。
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