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93話 洞窟の中での密会
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「それにしても洞窟の中でゲート作りって何してるの?」
と僕は気になった事を問いかけた。
僕だけ除け者にされている案件。一体2人はどんな難しい事をしているのだろう。
「何もしてない」
と八雲が言う。
「ふぇ?」
「何もしてないぞ」
とブランが言う。
「ふぇ、ふぇ?」
何もしてないって何だ?
何もしない事で何かが生まれるのか?
それとも説明できない事をしているの?
「ゲート作りはやめじゃ!」
「えーー!!」
突然のブランの発言で驚きの反応をしてしまう。
辞めるとはどういう事?
「ゲート作りなど不可能じゃ! この世界は魔力を使ってあらゆる物を錬成できるが、異世界への道などそう簡単にできるわけなかろう! パスが無い、よって不可能じゃ」
パスというのが何なのか分からないが、不可能というのがわかった。
どうするのコレ。
「まぁ、ゲート作りはほぼ不可能という事だ」
と八雲も普通に言う。
「ちょっとなんで昨日言ってくれなかったんだよ!」
「すまん、言い出せなかった」
「だから、昨日あんな朝早くに終わって帰ってきたのか?」
「そうだ、やめたから早く帰ってきた」
早く行って欲しかった。
それにしてもゲートが作れないとなると、ゲートを探す以外、僕たちが元の世界に帰る方法はなくなったと言う事だ。
「そういえば、結城。君はあの女にゲートについて話したか?」
ぎくり。
そういえば言ってなかった。
何の相談もなしに話してしまった事を八雲に伝えていなかった。
「う、うん」
「そうか」
と八雲は問い詰めるでもなく、静かに答えを聞いて返答をしただけだった。
「怒ってないの?」
と尋ねてみた。
「君が話す必要があると感じたのなら、それはそれでいい。ただ……」
ただ何なんだ?
「他のやつに喋ってしまわないか心配なだけだ」
「それは、大丈夫だと思う。口止めしてるから」
「そうか、見た目からお喋りな奴に見えたから、そこだけ不安だったが、結城が言うなら信用しよう」
「あ、ありがとう」
多分大丈夫だと……思う。
そこまで信用されたら、不安になってくる。
笠井さんお喋りだもんな……
「おい、結城! 女とは誰のことじゃ?」
とブランが突っかかってきた。
そういえば、ブランには話してなかったな。
「笠井さんっていう僕らの仲間だよ」
「ん! その笠井という女が、なんじゃって?」
とブランがいう。
そこへ八雲が何か悪い顔をしたのを、僕は見逃さなかった。
「結城は昨日、笠井という女と2人っきりだったんだ。朝から夜まで」
「な、なんじゃと!!」
おいおい、誤解される言い方をするな。
それと正式には、朝から翌朝までだ。
って、何のフォローにもなってない。
「ゆ、結城はその笠井という女と男女の関係なのか……?」
ブランは尋ねる。
そこは気になるのか、女の子だから。
でも、残念ながらそんな事はない。
「男女の関係ではないよ」
「そ、そうか」
とブランはホッとため息をはいた。
「まぁ、女の子の中では1番仲良いかな」
と僕は呟いた。その瞬間だった。
「お、女の子の中で…1番じゃと」
何故かショックを受けている。
「わ、わちという女子がおるではないか~!!」
そうだ、ブランがいた。
「ご、ごめん、ブランの次だった」
今にも泣き出しそうなブランを宥める。
八雲は「やれやれ」と両手のひらを上に向けて、首を窄めては左右に振った。
完全に呆れられている。
「ごめん、ブラン!」
「のーー」
少しの間、ブランが元気になるまで僕は謝り続けた。
と僕は気になった事を問いかけた。
僕だけ除け者にされている案件。一体2人はどんな難しい事をしているのだろう。
「何もしてない」
と八雲が言う。
「ふぇ?」
「何もしてないぞ」
とブランが言う。
「ふぇ、ふぇ?」
何もしてないって何だ?
何もしない事で何かが生まれるのか?
それとも説明できない事をしているの?
「ゲート作りはやめじゃ!」
「えーー!!」
突然のブランの発言で驚きの反応をしてしまう。
辞めるとはどういう事?
「ゲート作りなど不可能じゃ! この世界は魔力を使ってあらゆる物を錬成できるが、異世界への道などそう簡単にできるわけなかろう! パスが無い、よって不可能じゃ」
パスというのが何なのか分からないが、不可能というのがわかった。
どうするのコレ。
「まぁ、ゲート作りはほぼ不可能という事だ」
と八雲も普通に言う。
「ちょっとなんで昨日言ってくれなかったんだよ!」
「すまん、言い出せなかった」
「だから、昨日あんな朝早くに終わって帰ってきたのか?」
「そうだ、やめたから早く帰ってきた」
早く行って欲しかった。
それにしてもゲートが作れないとなると、ゲートを探す以外、僕たちが元の世界に帰る方法はなくなったと言う事だ。
「そういえば、結城。君はあの女にゲートについて話したか?」
ぎくり。
そういえば言ってなかった。
何の相談もなしに話してしまった事を八雲に伝えていなかった。
「う、うん」
「そうか」
と八雲は問い詰めるでもなく、静かに答えを聞いて返答をしただけだった。
「怒ってないの?」
と尋ねてみた。
「君が話す必要があると感じたのなら、それはそれでいい。ただ……」
ただ何なんだ?
「他のやつに喋ってしまわないか心配なだけだ」
「それは、大丈夫だと思う。口止めしてるから」
「そうか、見た目からお喋りな奴に見えたから、そこだけ不安だったが、結城が言うなら信用しよう」
「あ、ありがとう」
多分大丈夫だと……思う。
そこまで信用されたら、不安になってくる。
笠井さんお喋りだもんな……
「おい、結城! 女とは誰のことじゃ?」
とブランが突っかかってきた。
そういえば、ブランには話してなかったな。
「笠井さんっていう僕らの仲間だよ」
「ん! その笠井という女が、なんじゃって?」
とブランがいう。
そこへ八雲が何か悪い顔をしたのを、僕は見逃さなかった。
「結城は昨日、笠井という女と2人っきりだったんだ。朝から夜まで」
「な、なんじゃと!!」
おいおい、誤解される言い方をするな。
それと正式には、朝から翌朝までだ。
って、何のフォローにもなってない。
「ゆ、結城はその笠井という女と男女の関係なのか……?」
ブランは尋ねる。
そこは気になるのか、女の子だから。
でも、残念ながらそんな事はない。
「男女の関係ではないよ」
「そ、そうか」
とブランはホッとため息をはいた。
「まぁ、女の子の中では1番仲良いかな」
と僕は呟いた。その瞬間だった。
「お、女の子の中で…1番じゃと」
何故かショックを受けている。
「わ、わちという女子がおるではないか~!!」
そうだ、ブランがいた。
「ご、ごめん、ブランの次だった」
今にも泣き出しそうなブランを宥める。
八雲は「やれやれ」と両手のひらを上に向けて、首を窄めては左右に振った。
完全に呆れられている。
「ごめん、ブラン!」
「のーー」
少しの間、ブランが元気になるまで僕は謝り続けた。
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