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46話 少女?2

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「100歳じゃぞ!」
「100歳? 嘘をつくな。こんなに可愛い100歳が居るわけないだろう!」
「か、可愛いとはわちのことか!? そんなこと言われたのは、初めてじゃ…」

 俯く彼女は頬を紅く染めていた。

「皆口を揃えて怖いという。お主は怖くないのか、わちのことが…?」
「どこを見たら怖いという発想になるんだ? 君をこんな所に収監している奴の方が怖いわ」
「……そんなこと言われたのは、初めてじゃ」

それはさっき聞いた。
それよりもこの鎖外れないんだが……

「この鎖は君の魔力でどうにか出来ないのか? 鍵も無さそうだし、外れそうにない」
「それはそうじゃ、わちみたいな化物が簡単に外せたら、鎖の意味がない。まぁ、この鎖は魔力を受けないし、魔法を封じる効果もある特殊な鎖じゃから、外すのは容易じゃないがの」

 呑気に解説している。
 いや、諦めているのか。
 どちらにせよ、外すのは簡単じゃないことだけは分かった。

 手でどうにかするのは不可能のようだ。鎖を断ち切るものと言われても持っているのは、腰にぶら下げている銃だけだ。
僕はホルスターにしまった銃を撫でる様に触った。

「なんじゃ、変わったものを持っておるなお主。それをわちに見せてみよ」
「あぁ、いいよ。でも壊さないでくれよ。気に入ってるから」
「壊さんわ!」

僕は手に取った銃を見たがる少女に渡した。
少女は受け取ると弾を確認した。

「なんじゃ、魔法で作った擬弾か」
「そうだけど、何か問題あるか?」
「魔力で作ってない本物の弾なら、もしやしたらこの鎖を壊す事ができたやもしれん」
「擬弾? じゃ無理なのか?」
「無理じゃ、魔力で作ったものはこの鎖の力で消えてしまう」

 そういう事か。
 僕はポケットに忍ばせた布巾着を取り出した。
 そして、その中にある弾を取り出す。

「一応、本物の弾ならあるけど」
「あるんかい! なぜもっと早く出さなかったんじゃ」

 詰め寄る彼女に後退りしてしまう。

「そんなこと言われたって、今聞いたんだ仕方ないだろう。それよりも鎖を壊してやるから、銃を返せ」

 少女から銃を返してもらうと、弾を変える、
 そして銃を構える。

「腕輪を狙った方がいいか?」
「無駄じゃ、この腕輪頑丈じゃ、そんなものでは壊れん。でも、この腕輪から伸びた鎖なら壊せるやもしれん」
「分かった」
 
 僕は鎖に目掛けて銃を構える。
 銃弾の射線に少女の身体が入らない様に注意をして鎖を狙う。

「いくぞ」
「いつでもよいぞ」

僕は引き金を引いた。
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