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014 脱出
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水の精霊に黒歴史を見られた。
「うう、いっそ殺してください・・・」
(その言、数刻前にも下着を見られて言っておったが、死なれては困るので早く立ち直るが良い)
「トドメを刺したのは精霊さんじゃないですかあ。ううう・・・」
そんな事まで知っているとは。
わたしの記憶は間違いなく、しっかり読まれているようだ。
(勝手に記憶を読んだのは悪かったのじゃ。じゃがの、おかげで其方の話が全て本当であった事も分かったのじゃ。信用していなかったわけではないが、心から安心したのじゃ)
「それはようござんしたね」
ぶっきらぼうに答えるわたしに気を遣ったのか、水の精霊がアドバイスをくれる。
(先程の技じゃがな。その、かめは「うっさい!」・・・ゴホン。その技じゃが、似たような事が出来るように教える事はできるが)
「教えてください、お願いします!」
私は掌を返した。
(其方、調子が良いな・・・。とはいえ、魔力の使い方を学ぶ必要があるのじゃ)
「魔力自体はもう使えるようになったのでしょうか?」
(大したことはまだ出来ぬであろうが、妾に命じれば少し魔力を使う事はできよう。ほれ、その首から下げてる魔道具、そろそろ魔力が切れるのではないか?)
言語理解の魔道具を見ると、確かに光が弱くなっているように見える。
わたしは言語理解の魔道具に触れ、精霊に命じて魔力を注いでみる。
魔道具はみるみるうちに強く光り始めた。
「すごい!わたし魔法少女になれたよ!」
(そういえば其方、なにやらひらひらした服に変身する少女の魔導師にも憧れ・・・)
「やめて。もうわたしのライフはゼロよ」
どこまで見られているのか、後で問いただそう。そうしよう。
(魔力制御の方法はここから脱出してからゆっくり教えてやるのじゃ)
そうだ。まずは脱出だ。
わたしが水の精霊を支配した事で、ここから抜け出せるはずだ。
「でも、水の精霊の結界を解いても、城から出るには警備兵を何とかしないといけないですよね。わたしはまだ魔力が上手に使えないですし。段差もあるし」
憎き段差に三回も足を掬われた事をわたしは忘れない。
それに、回廊も城内も、きっとバルゴがわたし達を逃さないように待ち受けているだろう。
(段差は知らぬが、城には戻らぬよ。もう一つ、通れるところがあるであろう?)
「やっぱりそうなりますか・・・」
もう一つのルート。海中からの脱出だ。
(まずは水中呼吸の魔術を使うが良い)
「使うが良いって、知りませんよそんな魔術」
(妾に命じれば良いのじゃ)
あ、そうか。支配してるんだもんね。
じゃあ、さっき、わたしのお腹を貫通させたビームも命じれば撃てるんじゃない?
緑の肌の人の技に似てると思うし。
この際わたしはその技でも構わない。
(其方自身に影響を与える簡単な魔術と、其方が触れたものに魔力を流す程度であれば、今の状態でも行使できるのじゃ。大量の魔力を使う術や、魔力を遠くへ放出するような術を使うには、もっと研鑽が必要じゃ)
「心を読まれた!?」
(いや、何となく其方がそんな事を考えているのではないかと思ってな)
無駄に鋭い!
(当面は妾も多少不便になるが、其方と一緒になっている楽しさの方が勝っておるよ)
「そう言ってくれるとわたしも嬉しいですよ」
(ちょっと胸が窮屈な気がするがの。早く成長すると良いな)
「前言撤回するわ!」
きっと悪気はないのだろうが、この水の精霊、一言多い。
あるいはわたしの緊張をほぐすつもりで言っているのだろうか。
(さ、水中呼吸の魔術を命じよ)
わたしはコクッと頷くと、息を吸い、水の精霊に命令を出す。
「水の精霊に命じる。水中呼吸の魔術を発動して」
(承知)
ブワッと体の中を何かが巡る。これが魔力の流れだろうか。
体の中を何かが流れる感じはすぐに収まった。
(妾にとっては簡単な魔術じゃからの。これで其方は水中でも自由じゃ)
わたしはゆっくり水の中に入ってみる。
床に手をかけ、バタ足練習をするような格好で、頭以外を水に沈ませる。
「せーのっ!」
息を大きく吸って水に潜る。
恐る恐る呼吸をしてみると、問題なく呼吸が出来た。
一度頭を上げ、水中会話の魔術も発動する。
これで水中でも精霊さんとお喋りできるようになった。
久しぶりの水泳なので、少し泳ぎの練習をしてから、作戦行動に移る。
(そのまま、まずは妾の結界の境目まで行くのじゃ)
呼吸しながら泳ぐのってなかなか面白い。
スキューバダイビングってこういう感じなのかな。
方向を示してもらいながら、結界ギリギリに到着する。
(これから妾の結界を解く。すぐ外側には城の結界があるはずじゃ。そのまま超えよ。妾は其方の中に取り込まれているゆえ、其方と一緒ならそのまま超えられるはずじゃ)
コクリと頷き、水の精霊の結界が解けるのを待つ。
光る油膜のような結界が薄らいでいく。
やがて、水の精霊の結界は完全に消えた。
わたしはそのまま城の結界を超えて、海に出る。
「結界、超えられました!やりましたよ!」
(海から運河に入り、王都の城下町に参ろう。アドルの道具屋を探すのじゃ)
わたしは頷き、運河に向かって泳ぎ始める。
しかし、泳ぎ始めてすぐの事だった。
進行方向の先に、大きな黒い塊が複数見えた。
(やはり待ち伏せか。あれは城の水中船じゃ)
潜水艦みたいなものだろうか。三隻、いや、五隻ほどいるように見える。
水中船がこちらに向かって進んでくる。
どうやら見つかってしまったようだ。
とりあえず真っ直ぐ運河に向かうのはやめて、水中船団の右方面に向かって逃げる。
(其方、もっと早く泳げぬか?このままでは撃たれるか、捕縛されよう)
水中船もわたしの逃げる方向に船首を向け、隊列を広げて包囲するように向かってくる。
「いやいや、水泳選手じゃないですし。大体、あんな船より早く泳げるとは思えないですよ。あの船の動力って何ですか?」
「そりゃ魔石と魔道具じゃろう」
船尾に設置した魔道具に魔力を注ぎ、推進力を作り出して水中を進んでいるのだろう、との事だ。
「それ、わたしにもできないかな。あ、でも魔石も魔道具もない・・・」
持っているのは言語理解の魔道具についている魔石だけだ。
(ぶっつけ本番でやってみるかの?)
「出来るの!?」
(クズ魔石なら海中に転がっていよう。急いで拾ってくるのじゃ)
わたしは急いで海底を目指して潜航した。
◇
海底で石を物色する。水中船も迫ってきているのであまり時間は無い。
(水中船のような推進力を作るには、魔石回路が必要じゃろう)
出たな魔石回路。興味はあるけど今は無理ね。
(そこで、使い捨てで構わぬから、そのへんの魔石に単純な役割を与え、推進力を作る事を考えてみるのじゃ)
「どれが魔石なんですか?」
(大体全部魔石じゃ)
「そーなんですか!?」
この辺の海底はどの石も魔力を含んでいるが、魔力の容量が小さかったり、魔力が通しにくかったりするそうで、魔道具を作る時には石を精製して使うそうだ。
とりあえず大きければ魔力容量が多いかな?
そう考えて、持って泳げる範囲の大きめの石を探している時だった。
水の精霊の声が頭の中で大きく響く。
(危ない!逃げよ!)
慌てて周囲を見回すと、水中船がミサイルらしきものをわたしに向けて発射していた。
「うう、いっそ殺してください・・・」
(その言、数刻前にも下着を見られて言っておったが、死なれては困るので早く立ち直るが良い)
「トドメを刺したのは精霊さんじゃないですかあ。ううう・・・」
そんな事まで知っているとは。
わたしの記憶は間違いなく、しっかり読まれているようだ。
(勝手に記憶を読んだのは悪かったのじゃ。じゃがの、おかげで其方の話が全て本当であった事も分かったのじゃ。信用していなかったわけではないが、心から安心したのじゃ)
「それはようござんしたね」
ぶっきらぼうに答えるわたしに気を遣ったのか、水の精霊がアドバイスをくれる。
(先程の技じゃがな。その、かめは「うっさい!」・・・ゴホン。その技じゃが、似たような事が出来るように教える事はできるが)
「教えてください、お願いします!」
私は掌を返した。
(其方、調子が良いな・・・。とはいえ、魔力の使い方を学ぶ必要があるのじゃ)
「魔力自体はもう使えるようになったのでしょうか?」
(大したことはまだ出来ぬであろうが、妾に命じれば少し魔力を使う事はできよう。ほれ、その首から下げてる魔道具、そろそろ魔力が切れるのではないか?)
言語理解の魔道具を見ると、確かに光が弱くなっているように見える。
わたしは言語理解の魔道具に触れ、精霊に命じて魔力を注いでみる。
魔道具はみるみるうちに強く光り始めた。
「すごい!わたし魔法少女になれたよ!」
(そういえば其方、なにやらひらひらした服に変身する少女の魔導師にも憧れ・・・)
「やめて。もうわたしのライフはゼロよ」
どこまで見られているのか、後で問いただそう。そうしよう。
(魔力制御の方法はここから脱出してからゆっくり教えてやるのじゃ)
そうだ。まずは脱出だ。
わたしが水の精霊を支配した事で、ここから抜け出せるはずだ。
「でも、水の精霊の結界を解いても、城から出るには警備兵を何とかしないといけないですよね。わたしはまだ魔力が上手に使えないですし。段差もあるし」
憎き段差に三回も足を掬われた事をわたしは忘れない。
それに、回廊も城内も、きっとバルゴがわたし達を逃さないように待ち受けているだろう。
(段差は知らぬが、城には戻らぬよ。もう一つ、通れるところがあるであろう?)
「やっぱりそうなりますか・・・」
もう一つのルート。海中からの脱出だ。
(まずは水中呼吸の魔術を使うが良い)
「使うが良いって、知りませんよそんな魔術」
(妾に命じれば良いのじゃ)
あ、そうか。支配してるんだもんね。
じゃあ、さっき、わたしのお腹を貫通させたビームも命じれば撃てるんじゃない?
緑の肌の人の技に似てると思うし。
この際わたしはその技でも構わない。
(其方自身に影響を与える簡単な魔術と、其方が触れたものに魔力を流す程度であれば、今の状態でも行使できるのじゃ。大量の魔力を使う術や、魔力を遠くへ放出するような術を使うには、もっと研鑽が必要じゃ)
「心を読まれた!?」
(いや、何となく其方がそんな事を考えているのではないかと思ってな)
無駄に鋭い!
(当面は妾も多少不便になるが、其方と一緒になっている楽しさの方が勝っておるよ)
「そう言ってくれるとわたしも嬉しいですよ」
(ちょっと胸が窮屈な気がするがの。早く成長すると良いな)
「前言撤回するわ!」
きっと悪気はないのだろうが、この水の精霊、一言多い。
あるいはわたしの緊張をほぐすつもりで言っているのだろうか。
(さ、水中呼吸の魔術を命じよ)
わたしはコクッと頷くと、息を吸い、水の精霊に命令を出す。
「水の精霊に命じる。水中呼吸の魔術を発動して」
(承知)
ブワッと体の中を何かが巡る。これが魔力の流れだろうか。
体の中を何かが流れる感じはすぐに収まった。
(妾にとっては簡単な魔術じゃからの。これで其方は水中でも自由じゃ)
わたしはゆっくり水の中に入ってみる。
床に手をかけ、バタ足練習をするような格好で、頭以外を水に沈ませる。
「せーのっ!」
息を大きく吸って水に潜る。
恐る恐る呼吸をしてみると、問題なく呼吸が出来た。
一度頭を上げ、水中会話の魔術も発動する。
これで水中でも精霊さんとお喋りできるようになった。
久しぶりの水泳なので、少し泳ぎの練習をしてから、作戦行動に移る。
(そのまま、まずは妾の結界の境目まで行くのじゃ)
呼吸しながら泳ぐのってなかなか面白い。
スキューバダイビングってこういう感じなのかな。
方向を示してもらいながら、結界ギリギリに到着する。
(これから妾の結界を解く。すぐ外側には城の結界があるはずじゃ。そのまま超えよ。妾は其方の中に取り込まれているゆえ、其方と一緒ならそのまま超えられるはずじゃ)
コクリと頷き、水の精霊の結界が解けるのを待つ。
光る油膜のような結界が薄らいでいく。
やがて、水の精霊の結界は完全に消えた。
わたしはそのまま城の結界を超えて、海に出る。
「結界、超えられました!やりましたよ!」
(海から運河に入り、王都の城下町に参ろう。アドルの道具屋を探すのじゃ)
わたしは頷き、運河に向かって泳ぎ始める。
しかし、泳ぎ始めてすぐの事だった。
進行方向の先に、大きな黒い塊が複数見えた。
(やはり待ち伏せか。あれは城の水中船じゃ)
潜水艦みたいなものだろうか。三隻、いや、五隻ほどいるように見える。
水中船がこちらに向かって進んでくる。
どうやら見つかってしまったようだ。
とりあえず真っ直ぐ運河に向かうのはやめて、水中船団の右方面に向かって逃げる。
(其方、もっと早く泳げぬか?このままでは撃たれるか、捕縛されよう)
水中船もわたしの逃げる方向に船首を向け、隊列を広げて包囲するように向かってくる。
「いやいや、水泳選手じゃないですし。大体、あんな船より早く泳げるとは思えないですよ。あの船の動力って何ですか?」
「そりゃ魔石と魔道具じゃろう」
船尾に設置した魔道具に魔力を注ぎ、推進力を作り出して水中を進んでいるのだろう、との事だ。
「それ、わたしにもできないかな。あ、でも魔石も魔道具もない・・・」
持っているのは言語理解の魔道具についている魔石だけだ。
(ぶっつけ本番でやってみるかの?)
「出来るの!?」
(クズ魔石なら海中に転がっていよう。急いで拾ってくるのじゃ)
わたしは急いで海底を目指して潜航した。
◇
海底で石を物色する。水中船も迫ってきているのであまり時間は無い。
(水中船のような推進力を作るには、魔石回路が必要じゃろう)
出たな魔石回路。興味はあるけど今は無理ね。
(そこで、使い捨てで構わぬから、そのへんの魔石に単純な役割を与え、推進力を作る事を考えてみるのじゃ)
「どれが魔石なんですか?」
(大体全部魔石じゃ)
「そーなんですか!?」
この辺の海底はどの石も魔力を含んでいるが、魔力の容量が小さかったり、魔力が通しにくかったりするそうで、魔道具を作る時には石を精製して使うそうだ。
とりあえず大きければ魔力容量が多いかな?
そう考えて、持って泳げる範囲の大きめの石を探している時だった。
水の精霊の声が頭の中で大きく響く。
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