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【254】 洞窟内の凶悪モンスター

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 バイオレットダンジョンへ侵入していく。
 シャルロッテいわく、この昼の時間帯なら問題のギルド『セレネイド』もいないと言う。彼らは基本的に夜間でダンジョンに潜るらしいので、遭遇はしないはず。


「だといいんだがなぁ……」
「どうしたのですか?」


 俺の隣を歩くルナが首を傾げる。


「セレネイドさ。ヤツ等がどう動くか気になるんだよ」
「ギルドマスターの『フォトン』の動きが気になるのですね。あと例の『アルバ』ですが、その他にもメンバーはいるのでしょうか?」


「うん、フェンリルのシャルロッテに聞く所によれば、総勢十五名ほどの小規模ギルドらしい。平均レベルは『6000』のようだな」


 聞いた情報を出すとソレイユが驚く。


「6000!? 結構高いわね、セレネイドのヤツ等……。まあでも、このダンジョン自体が推奨レベル『7000』だっけ? ねえ、ミーティア」

「そうだよ、ソレイユさん。通常モンスターもかなり強いみたい」


 この広々とした洞窟内に強いモンスターがうごめいているわけだ。出来ればあまり遭遇したくはないな……。

 とはいえダンジョンである以上、戦闘は避けられないだろう。俺は『レベル売買』スキルを使用し、みんなのレベルを一時的に『Lv.9999』に引き上げた。

 こうしないと危険すぎるからな。


 パーティ構成は、前衛がソレイユ、ペイル。後衛が俺、ルナ、ミーティアといった形となった。無難だな。


「俺が前衛でも良かったが……」
「何言ってんの、カイト。あんたは宝剣を手に入れたかもしれないけど、こういうガチダンジョンは止めときなさい。死ぬわよ」


 ――とまぁ、ソレイユがとても心配してくれたわけだ。彼女の言う通り、いくら『Lv.9999』で『宝剣ルナティック』があろうとも、結果的に実力と経験が物を言うので……ダンジョン攻略の経験が浅い商人である俺には辛い仕事になる。


 それに怪我をするとルナが怒るし、心配する。あと泣く。それだけは避けねばならないだろう。


 とはいえ、いざとなれば俺も前へ出て戦う。まあ、最強の魔法使いミーティアもいるし……大丈夫だろう。



「――――ぐッ!!」



 などと油断していると、ペイルが片足をやられていた。……なんだ!? いきなり!?

「どうした、ペイル!」
「奥から攻撃を受けた。これは『石化』の状態異常だ……まずいぞ」
「石化だって!?」


 ズンズンと進撃してくる大きな岩蛇。

 まさか、あのモンスターって!

 すかさずミーティアがモンスター解析をする。



[モンスター名]:バジリスク
[レベル]:7900
[習得スキル]:サンドストーム Lv.10、ストーンカース Lv.10、ロックブレス Lv.10、超自己再生スーパーリカバー Lv.5、アースクエイク Lv.5、デッドリーポイズン Lv.1



「お兄ちゃん、大変! この『バリシスク』ってモンスター、かなりヤバいよ! 石化と猛毒を使ってくるし、攻撃スキルも強いのばかり」


「ああ、まずいな。ルナ、状態異常を解除するスキルがあったよな? ペイルに頼むぞ」
「ええ、ヒールの副効果にありますのでお任せください。グロリアスヒールです……!」


 てのひらを向けるルナは、ペイルの石化を回復させた。おぉ、相変わらず一瞬だな。


 ――それにしても『バジリスク』か。


 蛇って言えば、ココへ来る前にもデッドリーパイソンなんて蛇と遭遇したばかり。なんだか最近、蛇と縁があるなぁ。


 だが、コイツはゴツゴツとした岩で出来た蛇というかトカゲというか! ええい、何でもいい。こんなデカくてヤバイ奴、早くなんとかしないと。


「二人とも!!」


「ええ、任せて」
「参る……!」


 前衛の二人それぞれ武器を構える。

 ソレイユは聖剣『マレット』を。
 ペイルは『ハルバード』を。


 このバジリスクを倒して、さっさとボス部屋に向かうぞ。まともに相手していたらキリがないし、速攻で片付ける。


「レベル売買スキル発動……!」
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