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第167話 勇者のソウルフォース
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地面に降り立つと、ブリーブが突っ込んできた。
「――よく生きていたなァ、勇者!! だが、ワシのセルフディストラクションは何度でも使える……このようになァ!!」
目の前で大爆発を何度も繰り返すブリーブ。だが、フォースのソウルフォースの力が遮り、爆炎の波を押し返す。物凄い熱量だ。
「はぁっ!」
ナイス。あれをまともに食らっていた場合、骨も残らす爆散するだろうな。
「おのれぇッ! あのちびっ子が現れてから邪魔されてばかりだ……先に潰す」
爆風を利用してブリーブは、フォースの方へ狙いを定めた。もちろん、俺は彼女を守る。
『――――ダークネスアサルト!』
特大の闇を放ち、フォースを救出。抱えていると手が塞がってアレなので、肩車した。フォースが小さくて助かったぜ!
「……ユメ、これは?」
「仕方ないだろう。手が塞がるとスキルを放てないんだよ。だから、肩車した」
「ほんと~?」
なんか怪しまれてるような。
いや、本当なんだがね。
……いきなり、肩車は悪かったか。
仕方ない下ろすかと距離を取りながら思っていると、フォースは小さな手を俺の頭に添えて、振り落とされないような態勢を取った。
「いいのか」
「……うん。ユメならいい。今はブリーブを倒す、それが最優先事項だから」
案外、素直なんだな。
そうか、段々とフォースの扱い方が分かってきた気がする。大人しい物静かなヤツだと思ったけど、話せばきちんと答えてくれる。やっと名前も呼んでくれたし、……なんだろう、俺ちょっと楽しいなって思った。
「よーし! フォース、ヤツの自爆攻撃をそのまま抑制してくれ! 俺は何とかしてヤツをぶっ倒す」
「うん。でも、こんな時だけど、ユメ……ソウルフォースを覚えるといい。役に立つから」
「え……使えるのかな、俺に」
「絶対に使える。だって、ソウルフォースは誰にでも存在する力なのだから……普通の人は、理解しようとしないだけだって、マスターが言っていた」
「ほう、それは良い情報を聞いた」
丁度、ソウルフォースを極めたいと考えていた。アレが使えれば、きっと今も、これからも役に立つと思ったし、覚える価値はある。なによりも……フォースに気に入られたいからな。
――なんて思った瞬間、フォースはぎゅっと抱きついてきた。あれ……なんか、息が荒いっていうか、興奮してる?
「ユメ……嬉しい」
う、嬉しい?
なんでそう思った?
俺は心の中で考えていただけ……ああ!
「……フォース、お前、まさか俺の心を読んだ?」
「……ごめんなさい、ずっと心を読ませて貰っていた。……だって、信用できるか分からなかったし、マスター以外の人と話すの初めてだったから……でも、ユメってば優しいんだね。ずっと、あたしの事考えてるし……」
「ま、まあな……極魔法使いの仲間が欲しかったって前提はあったけど、今はフォースを仲間にしたい。俺はずっと一人だったから、寂しかったのかもな」
ブリーブが特攻してくるが、俺はフォースを肩車したまま回避する。
「ユメ、ブリーブの速度が上がってる」
「さしずめ、リミッター解除ってところか」
どんどんスピードを高めてやがる。これ以上になったら、フォースの力でも止められるかどうか――。
ここで、使うか……。
究極の闇を。
「さっきから、そのちびっ子を守りながら何をゴチャゴチャ話してやがる!! 勇者、そんなにワシを舐めていると痛い目を見るぞォ!!」
爆発の連鎖が続く。
森の木々はどんどん爆風で吹き飛んでいき、荒野に変わっていく。俺はマスターグレイスの家を巻き込まないよう、逆の方向へ走っていく。
「フォース、しっかり掴まっているんだ」
「後方は任せて」
逆方向を向き、杖も詠唱も無しに――右腕を伸ばしただけでフォースはそれを放った。
『スーパーノヴァ――――――!!!』
ブリーブ以上の大爆発が向かっていく。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおぁぁぁあ…………ッ!!!」
おぉ、ヤツがぶっ飛んでいく。
今のうちに俺は走るのを止め、目をそっと閉じた。
「教えてくれ、ソウルフォースの使い方を」
「大丈夫だよ、ユメ。あたしがソウルフォースを……心を通じて教えてあげるから……信じて」
「信じるさ。俺が今もっとも信じられるのはフォースだけだ」
頬に小さな手の感触を感じる。
段々と流入してくる緑の、自然の、万物の力。なんて暖かい……これがバランスなのか。今なら森羅万象を体全体で理解できる。
――読める。何かが読める。
これは、ブリーブの動き。
こっちへ来やがる。
「そこだああああああああ……!」
空から突っ込んでくる。
またも自爆特攻攻撃ってわけだ。
だが!!
『――――――イベントホライゾン!!!』
「ば、ばかなあああああああああああ……なぜ場所があああああああああああああ…………ギャアアアアアアアアアアァァ…………!!!」
空は闇に包まれた。
「――よく生きていたなァ、勇者!! だが、ワシのセルフディストラクションは何度でも使える……このようになァ!!」
目の前で大爆発を何度も繰り返すブリーブ。だが、フォースのソウルフォースの力が遮り、爆炎の波を押し返す。物凄い熱量だ。
「はぁっ!」
ナイス。あれをまともに食らっていた場合、骨も残らす爆散するだろうな。
「おのれぇッ! あのちびっ子が現れてから邪魔されてばかりだ……先に潰す」
爆風を利用してブリーブは、フォースの方へ狙いを定めた。もちろん、俺は彼女を守る。
『――――ダークネスアサルト!』
特大の闇を放ち、フォースを救出。抱えていると手が塞がってアレなので、肩車した。フォースが小さくて助かったぜ!
「……ユメ、これは?」
「仕方ないだろう。手が塞がるとスキルを放てないんだよ。だから、肩車した」
「ほんと~?」
なんか怪しまれてるような。
いや、本当なんだがね。
……いきなり、肩車は悪かったか。
仕方ない下ろすかと距離を取りながら思っていると、フォースは小さな手を俺の頭に添えて、振り落とされないような態勢を取った。
「いいのか」
「……うん。ユメならいい。今はブリーブを倒す、それが最優先事項だから」
案外、素直なんだな。
そうか、段々とフォースの扱い方が分かってきた気がする。大人しい物静かなヤツだと思ったけど、話せばきちんと答えてくれる。やっと名前も呼んでくれたし、……なんだろう、俺ちょっと楽しいなって思った。
「よーし! フォース、ヤツの自爆攻撃をそのまま抑制してくれ! 俺は何とかしてヤツをぶっ倒す」
「うん。でも、こんな時だけど、ユメ……ソウルフォースを覚えるといい。役に立つから」
「え……使えるのかな、俺に」
「絶対に使える。だって、ソウルフォースは誰にでも存在する力なのだから……普通の人は、理解しようとしないだけだって、マスターが言っていた」
「ほう、それは良い情報を聞いた」
丁度、ソウルフォースを極めたいと考えていた。アレが使えれば、きっと今も、これからも役に立つと思ったし、覚える価値はある。なによりも……フォースに気に入られたいからな。
――なんて思った瞬間、フォースはぎゅっと抱きついてきた。あれ……なんか、息が荒いっていうか、興奮してる?
「ユメ……嬉しい」
う、嬉しい?
なんでそう思った?
俺は心の中で考えていただけ……ああ!
「……フォース、お前、まさか俺の心を読んだ?」
「……ごめんなさい、ずっと心を読ませて貰っていた。……だって、信用できるか分からなかったし、マスター以外の人と話すの初めてだったから……でも、ユメってば優しいんだね。ずっと、あたしの事考えてるし……」
「ま、まあな……極魔法使いの仲間が欲しかったって前提はあったけど、今はフォースを仲間にしたい。俺はずっと一人だったから、寂しかったのかもな」
ブリーブが特攻してくるが、俺はフォースを肩車したまま回避する。
「ユメ、ブリーブの速度が上がってる」
「さしずめ、リミッター解除ってところか」
どんどんスピードを高めてやがる。これ以上になったら、フォースの力でも止められるかどうか――。
ここで、使うか……。
究極の闇を。
「さっきから、そのちびっ子を守りながら何をゴチャゴチャ話してやがる!! 勇者、そんなにワシを舐めていると痛い目を見るぞォ!!」
爆発の連鎖が続く。
森の木々はどんどん爆風で吹き飛んでいき、荒野に変わっていく。俺はマスターグレイスの家を巻き込まないよう、逆の方向へ走っていく。
「フォース、しっかり掴まっているんだ」
「後方は任せて」
逆方向を向き、杖も詠唱も無しに――右腕を伸ばしただけでフォースはそれを放った。
『スーパーノヴァ――――――!!!』
ブリーブ以上の大爆発が向かっていく。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおぁぁぁあ…………ッ!!!」
おぉ、ヤツがぶっ飛んでいく。
今のうちに俺は走るのを止め、目をそっと閉じた。
「教えてくれ、ソウルフォースの使い方を」
「大丈夫だよ、ユメ。あたしがソウルフォースを……心を通じて教えてあげるから……信じて」
「信じるさ。俺が今もっとも信じられるのはフォースだけだ」
頬に小さな手の感触を感じる。
段々と流入してくる緑の、自然の、万物の力。なんて暖かい……これがバランスなのか。今なら森羅万象を体全体で理解できる。
――読める。何かが読める。
これは、ブリーブの動き。
こっちへ来やがる。
「そこだああああああああ……!」
空から突っ込んでくる。
またも自爆特攻攻撃ってわけだ。
だが!!
『――――――イベントホライゾン!!!』
「ば、ばかなあああああああああああ……なぜ場所があああああああああああああ…………ギャアアアアアアアアアアァァ…………!!!」
空は闇に包まれた。
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