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第137話 防衛値アップ
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ギルド戦は終わった。
長いような短いようなイベントではあったけど、でも、これで俺がこの国のリーダーであると示すことが出来たのではないだろうか。
ちなみに、あのギルド戦はフォースのスキルにより全国放送されており、ほとんどの民が視聴していた。だから、あの結果を知ってみんな納得したはずだ。
などと考えながら、今日も階段の掃除をしていた。
「…………!」
テスラが早々に俺の存在に気づき、スカートを押さえていた。
「……どうして、いつも私の起床時間に階段で掃除しているんですか。ユメは、そんなに私のパンツが見たいのですか」
「いや、たまたまだ」
「むぅ……ウソはよくありませんよ。だってもう一週間連続ですよ!? ありえないでしょう……」
相変わらずスカートを押さえながら、テスラは階段を下りてきた。
そんな警戒しなくても見ないってーの。
「俺は綺麗好きなんでね、掃除しているだけだっ!」
「怪しいですね……」
「なんだ、見て欲しいのか」
「だってぇ……」
「あのな、俺はそんな布切れよりも、テスラの笑顔の方がよっぽど価値があるんだよ。単純にお前の顔が見たいんだよ」
「………………っ!」
顔を一瞬で真っ赤にさせるテスラは、手で顔を覆っていた。
「わ、わたし……とんでもない勘違いを……。ごごごごごめんなさい、ユメ。そんな風に思ってくれていたなんて……うわぁ、私ぃ!!」
テスラは、すごい勢いで階段を下りていった。
危ないゾ。
で、今度はフォースが階段を上がって来た。
「……テスラどうしたの」
「ん、いや。それより、フォース」
「?」
「ちょっと抱かせろ」
俺はフォースを抱いた。
「ん~…」
「嫌か?」
「嫌じゃない。ユメ限定だけど、強引なの好き♡ それに、ユメって体温高いから眠くなるの~」
「そか。じゃ、朝飯にすっか」
「うん♡」
フォースを肩車して、リビングへ向かった。
◆
「おはよ、先生」
「ユメ、おはようございます」
あのギルド戦で、イドーラ先生はフォースに化けていた。催し、一時帰宅したフォースを襲い、入れ替わっていたのだ。しかし、このフォースを眠らせるとか、さすが先生だな。
「……フォースちゃん、この前はごめんなさいね」
「…………」
フォースは警戒していた。
まあ、あんな事がありゃな。
「フォース、先生を許してあげてくれ。……悪意は……なかったはずだ、たぶん」
「ユメがそう言うのなら」
「ありがとう。そしてもう一度謝らせて下さい」
こんなに反省しているのなら、いいだろう。
「頭を上げて先生。俺もフォースももう怒っていないよ」
「ご迷惑をお掛けしました」
「本当じゃ、イドーラ。お前は迷惑を掛け過ぎじゃな」
と、いきなりマスター・グレイスの声が。
よく見ると、リビングで寛いでいた。生足を投げ出し、だらんとした恰好で。……なかなか際どい姿勢をしていらっしゃる。
「おいおい、マスターもだろう。マスターも反省してくれ」
「なんじゃ、ユメは私も罰するというのか」
「いくら師匠でも贔屓はできないよ。しかもサンライズ側だったし」
「仕方なかろう。枠がなかったのじゃから……でも、すまんかった。この通りじゃ」
ほう、あのマスターがショボンとしている。
けど……その、態度がね。まあいいか、マスターはこういうキャラだし。
「分かったよ」
「それはそうと、ユメ。この戦いでお主は改めて『王』となった。皆はお主を支持しておるし、絶大な信頼を寄せておるぞ」
そう、あの試合後、俺の支持は一気に跳ね上がり、99.9%俺の支持者となった。それにより、ダスクを擁護する者は激減し、失脚した。
だが俺はあの男の強さを認めた。
アイツは強かった。
「まあな、この国は俺のだし。それに、ダスクは……いや、サンライズとは正式に同盟を組むし、防衛力として反映する。おかげで今の【防衛値】やべぇぜ」
「良い選択をしたの。これで滞りなく『世界防衛』へ向かえるわけじゃ」
そう、この戦いなくして、世界防衛には立ち向かえなかった。
よい訓練になっただろう。
――――時期に嵐がやって来る。
長いような短いようなイベントではあったけど、でも、これで俺がこの国のリーダーであると示すことが出来たのではないだろうか。
ちなみに、あのギルド戦はフォースのスキルにより全国放送されており、ほとんどの民が視聴していた。だから、あの結果を知ってみんな納得したはずだ。
などと考えながら、今日も階段の掃除をしていた。
「…………!」
テスラが早々に俺の存在に気づき、スカートを押さえていた。
「……どうして、いつも私の起床時間に階段で掃除しているんですか。ユメは、そんなに私のパンツが見たいのですか」
「いや、たまたまだ」
「むぅ……ウソはよくありませんよ。だってもう一週間連続ですよ!? ありえないでしょう……」
相変わらずスカートを押さえながら、テスラは階段を下りてきた。
そんな警戒しなくても見ないってーの。
「俺は綺麗好きなんでね、掃除しているだけだっ!」
「怪しいですね……」
「なんだ、見て欲しいのか」
「だってぇ……」
「あのな、俺はそんな布切れよりも、テスラの笑顔の方がよっぽど価値があるんだよ。単純にお前の顔が見たいんだよ」
「………………っ!」
顔を一瞬で真っ赤にさせるテスラは、手で顔を覆っていた。
「わ、わたし……とんでもない勘違いを……。ごごごごごめんなさい、ユメ。そんな風に思ってくれていたなんて……うわぁ、私ぃ!!」
テスラは、すごい勢いで階段を下りていった。
危ないゾ。
で、今度はフォースが階段を上がって来た。
「……テスラどうしたの」
「ん、いや。それより、フォース」
「?」
「ちょっと抱かせろ」
俺はフォースを抱いた。
「ん~…」
「嫌か?」
「嫌じゃない。ユメ限定だけど、強引なの好き♡ それに、ユメって体温高いから眠くなるの~」
「そか。じゃ、朝飯にすっか」
「うん♡」
フォースを肩車して、リビングへ向かった。
◆
「おはよ、先生」
「ユメ、おはようございます」
あのギルド戦で、イドーラ先生はフォースに化けていた。催し、一時帰宅したフォースを襲い、入れ替わっていたのだ。しかし、このフォースを眠らせるとか、さすが先生だな。
「……フォースちゃん、この前はごめんなさいね」
「…………」
フォースは警戒していた。
まあ、あんな事がありゃな。
「フォース、先生を許してあげてくれ。……悪意は……なかったはずだ、たぶん」
「ユメがそう言うのなら」
「ありがとう。そしてもう一度謝らせて下さい」
こんなに反省しているのなら、いいだろう。
「頭を上げて先生。俺もフォースももう怒っていないよ」
「ご迷惑をお掛けしました」
「本当じゃ、イドーラ。お前は迷惑を掛け過ぎじゃな」
と、いきなりマスター・グレイスの声が。
よく見ると、リビングで寛いでいた。生足を投げ出し、だらんとした恰好で。……なかなか際どい姿勢をしていらっしゃる。
「おいおい、マスターもだろう。マスターも反省してくれ」
「なんじゃ、ユメは私も罰するというのか」
「いくら師匠でも贔屓はできないよ。しかもサンライズ側だったし」
「仕方なかろう。枠がなかったのじゃから……でも、すまんかった。この通りじゃ」
ほう、あのマスターがショボンとしている。
けど……その、態度がね。まあいいか、マスターはこういうキャラだし。
「分かったよ」
「それはそうと、ユメ。この戦いでお主は改めて『王』となった。皆はお主を支持しておるし、絶大な信頼を寄せておるぞ」
そう、あの試合後、俺の支持は一気に跳ね上がり、99.9%俺の支持者となった。それにより、ダスクを擁護する者は激減し、失脚した。
だが俺はあの男の強さを認めた。
アイツは強かった。
「まあな、この国は俺のだし。それに、ダスクは……いや、サンライズとは正式に同盟を組むし、防衛力として反映する。おかげで今の【防衛値】やべぇぜ」
「良い選択をしたの。これで滞りなく『世界防衛』へ向かえるわけじゃ」
そう、この戦いなくして、世界防衛には立ち向かえなかった。
よい訓練になっただろう。
――――時期に嵐がやって来る。
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