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第129話 深淵と万物
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さて、フォースはどうだろうか。相手はユング。
なぜかメイド服で、フォースと同じような雰囲気を持つ女の子だが……血の気が多いように見える。う~ん、なんだろうな。あのユング、どこかおかしい気が。
どこがおかしいと言われたら、うまく説明出来ないのだが……うーん。なんだろう、既視感のようなものが。
しかしそれよりも、フォースの大魔法を軽く受け流している時点で、只者ではない。いったいヤツは何者だ? 極魔法使いでもなさそうだが。いや、そうなのか?
「…………ソウルテレキネシス!」
ソウルフォースの定番スキル。フォースが発動した。
「…………ソウルバーン」
対するユングは、ソウルフォースをかき消すスキル。
なんでそんな事が出来る!?
「――――――」
さすがのフォースも相手を疑いの眼差しで凝視していた。
そんな彼女は、若干焦り顔のまま瞬間で俺の傍に戻って来る。
「ユメ、あのユング……おかしい」
「ああ……あのメイド少女は極魔法使いかもしれんぞ」
「うん、多分そう。あたしのスーパーノヴァを簡単に打ち消している」
『ソウルドレイン』
そうこうしていると、ユングが接近し、それをフォースに向けた。あれは、相手の体力――下手をすれば『魂』を奪うヤツじゃないか。
危険を素早く察知したフォースは、ソウルフォースを最大限に引き出し、ガード。なんとか防御しきった。――のだが、ユングの動きは止まらなかった。
『コズミックストリング』
緑の超巨大波動が、零距離で――――まずい、フォース!!
これはさすがのフォースも戦闘不能か……。
そう思われたのだが。
フォースがその刹那で、こうつぶやいた。
『ボースハイト』
――――――!?
俺以上の『深淵』が飛び出て、敵のコズミックストリングと衝突。『深淵』と『万物』がぶつかり合い、同じ威力のスキルは宙へ向かった。相殺されたようだ。
「…………違和感の正体が分かったぞ」
フォースもユングも無事だ。
二人とも無傷。堂々と立って、お互いを睨み合っていた。
「おい、フォース」
「…………ん」
「ん、じゃない! お前誰だよ」
「……なに言ってるの。あたしはあたし、フォース」
「ウソつけ。お前が『深淵』を使えるかってーの! ていうか……なにしてんだよ、先生!!」
そう、あのスキル『ボースハイト』は、先生のモノだ。
フォースが使えるわけねーだろ!
「…………ユメ、あたしを疑うの」
「ああ、疑うね! お前はフォースじゃない。先生だ。イドーラ先生だ!」
「…………はぁ、もうバレてしまうとは」
ぎゅるっと姿形を変えると、フォースは『イドーラ』になった。やっぱりか! 通りで、動きとか仕草が違ったと思ったんだよな。違和感バリバリだったぞ。
「おい、ユング。あんたもだ!」
「…………?」
「とぼけるな、マスター! あの『コズミックストリング』は、世界でただ一人、マスターにしか使えないアルティメットスキルだぞ! ていうか、マスター成分駄々洩れだったしな。さすがの俺でも分かるわ」
「…………やれやれ」
こちらもぎゅるっと姿を変え――『マスター・グレイス』になった。
「二人とも何してんだよ!?」
「ユメのために」「ユメのためじゃ」
………………。
俺は……激しい頭痛に悩まされた。
なぜかメイド服で、フォースと同じような雰囲気を持つ女の子だが……血の気が多いように見える。う~ん、なんだろうな。あのユング、どこかおかしい気が。
どこがおかしいと言われたら、うまく説明出来ないのだが……うーん。なんだろう、既視感のようなものが。
しかしそれよりも、フォースの大魔法を軽く受け流している時点で、只者ではない。いったいヤツは何者だ? 極魔法使いでもなさそうだが。いや、そうなのか?
「…………ソウルテレキネシス!」
ソウルフォースの定番スキル。フォースが発動した。
「…………ソウルバーン」
対するユングは、ソウルフォースをかき消すスキル。
なんでそんな事が出来る!?
「――――――」
さすがのフォースも相手を疑いの眼差しで凝視していた。
そんな彼女は、若干焦り顔のまま瞬間で俺の傍に戻って来る。
「ユメ、あのユング……おかしい」
「ああ……あのメイド少女は極魔法使いかもしれんぞ」
「うん、多分そう。あたしのスーパーノヴァを簡単に打ち消している」
『ソウルドレイン』
そうこうしていると、ユングが接近し、それをフォースに向けた。あれは、相手の体力――下手をすれば『魂』を奪うヤツじゃないか。
危険を素早く察知したフォースは、ソウルフォースを最大限に引き出し、ガード。なんとか防御しきった。――のだが、ユングの動きは止まらなかった。
『コズミックストリング』
緑の超巨大波動が、零距離で――――まずい、フォース!!
これはさすがのフォースも戦闘不能か……。
そう思われたのだが。
フォースがその刹那で、こうつぶやいた。
『ボースハイト』
――――――!?
俺以上の『深淵』が飛び出て、敵のコズミックストリングと衝突。『深淵』と『万物』がぶつかり合い、同じ威力のスキルは宙へ向かった。相殺されたようだ。
「…………違和感の正体が分かったぞ」
フォースもユングも無事だ。
二人とも無傷。堂々と立って、お互いを睨み合っていた。
「おい、フォース」
「…………ん」
「ん、じゃない! お前誰だよ」
「……なに言ってるの。あたしはあたし、フォース」
「ウソつけ。お前が『深淵』を使えるかってーの! ていうか……なにしてんだよ、先生!!」
そう、あのスキル『ボースハイト』は、先生のモノだ。
フォースが使えるわけねーだろ!
「…………ユメ、あたしを疑うの」
「ああ、疑うね! お前はフォースじゃない。先生だ。イドーラ先生だ!」
「…………はぁ、もうバレてしまうとは」
ぎゅるっと姿形を変えると、フォースは『イドーラ』になった。やっぱりか! 通りで、動きとか仕草が違ったと思ったんだよな。違和感バリバリだったぞ。
「おい、ユング。あんたもだ!」
「…………?」
「とぼけるな、マスター! あの『コズミックストリング』は、世界でただ一人、マスターにしか使えないアルティメットスキルだぞ! ていうか、マスター成分駄々洩れだったしな。さすがの俺でも分かるわ」
「…………やれやれ」
こちらもぎゅるっと姿を変え――『マスター・グレイス』になった。
「二人とも何してんだよ!?」
「ユメのために」「ユメのためじゃ」
………………。
俺は……激しい頭痛に悩まされた。
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