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第123話 怒りの闇

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 思い通りにならなかったベヴァイスは、またも発狂した。

「ウアアアアアアアアアアアア!! ふざけるなふざけるなふざけるなあああああああああ、こんな事があってたまるかー!!! 確かにあの写真をばらいたんだぞ、どうして皆騒いでいない! どうしてこのクソ野郎に失望しないんだああああああ!!」


「クソ野郎はてめぇだ、ベヴァイス!!」


 ヤツがバタバタしている間にも、俺は先制攻撃に出た。
 先にやったモン勝ちさ!!


『――――――ダークネス・アサルト!!!!!!』


「くぅ……! ならば、この『ωオメガフォン』の力を見せてやる……!」


 なに『オメガフォン』だって……? あのスマホの事か。

 ベヴァイスは、スマホのカメラを向けてくる。
 すると、俺の目の前で――


『ドドドドドドドドドドド~~~~~~~~~ン!!!!!』



 などと爆発を起こしてそれが向かってきた。
 なんじゃそのスマホ! そんな爆破機能があるのかよ!

 あまりの火力に、俺は回避をしまくるしかなかった。――しつこい。まだ連鎖するのか。だが、命中率はよくないようで簡単に回避できていた。


「なんだ、この程度か」
「クソ、馬鹿にしやがって!! だったらなァ!!」


 ヤロー、左手をポケットに。まさか……!


「スマホはもう一台・・・・あんだよ!!」
「二台持ちだと!! フォース、爆発には爆発を。本物を見せてやれ!!」

「すでに発動した」

 ゼファを守りつつも、フォースはそれを発動した。



『スーパーノヴァ!!!!!!!!!!!!』



 二台のスマホによる爆発と、超新星爆発が衝突した。



『――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』



 とんでもねぇ爆風が一帯を駆け巡った。やべぇ、吹き飛ばされる……!
 だが、これは好機である。俺はヤツに相当な恨みがある。そう、あの写真のばらき行為。先生が何とかしてくれたとはいえ、これは許されざる暴挙!!


 人としてどうかと思うし、そもそも、盗撮である。


 言語道断!!


「ベヴァイス!!! お前の、負けだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」



 爆風を利用し、宙へ飛び上がった俺は滞空した状態で、怒りのまま闇を発動した。



『――――――イベントホライゾン!!!!!!!!!!!』



 窮極きゅうきょくの闇を落下させ、威力をいつもの数倍上げた。


「んなっ……なんだこの『闇』はああああああああああああッ!!! あばばっばばばあっばばべべばあぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


 地面を貫通かんつうして、ベヴァイスは消え去った。
 ヤツはもう奈落の底。これは勝ちかな。


 しばらくすると、


『ベヴァイスさん、戦闘不能です!!』


 なるほど、ちゃんとアナウンスされるらしい。

「お疲れ様です、ユメ様!」
「おう、ゼファ。ありがと」
「念のため、グロリアスヒールをしておきますね」

 回復を受け、俺の体力は満タンに。
 まだまだ余裕で戦えるな。

「ユメ、敵はあと六人」
「そうだな、引き続き警戒していくぞ。ギルドマスターのダスクは特に油断ならん。あいつの力は未知数だ」

「うん。あれは『英霊の力』と言っていた。つまり、過去イテ現在ミサ未来エストの英雄から力を借りて行使している可能性がある。それはとても厄介やっかい

「あらゆる時代の英雄から力を得ていると言いたいのか」
「そう。しかもその数は不明。もし数人どころか数十人、数百人規模だとすれば……勝てる可能性もないかもしれない」

「まさか……そんな複数から力を借りるなんて、普通は器が持たないだろう」
「器が持つような特殊な力を借りればいい」
「くそ、なんでもありかよ! ダスク、ヤツ……ただのマッチョじゃないのかよ」

 一瞬の戦いではあったが、ヤツは強かった。
 まさかそんな戦士が身近にいたとはな。しかし、それが嬉しくもあった。なぜなら、俺の国にそんな強いヤツがいるとか、メリットありすぎるからだ。

 あの時は油断したが、なんとしてでも次は勝ち、ヤツを屈服くっぷくさせる。
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