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第119話 ギルド戦

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 マスターを自宅まで送り届けた。
 つっても、俺の家に一緒に住んでいるんだけどなっ。

「マスター、着いたよ」
「…………離れたくないのじゃ」
「いや、この状態をフォースに見られたら、戦争になっちまうよ」
「うむ、そうじゃな。分かった」

 納得し、しゅたっと俺から下りてマスターは先に家へ。

「ユメ、ありがとう。今日は嬉しかったぞ」

 そんな笑顔で言われるとは。
 ――おんぶした甲斐かいがあったな。

 てか、俺……マスターとすごい密着してたな。……今日は眠れないかも。


 ◆


 それからは何事もなく。
 ついに『ギルド戦』の日を迎えた。


 ――――決戦当日。



【 森林フィールド・パスト 】



 目的地に到着すると、サンライズのギルドマスター『ダスク』がニヤリと笑った。他のメンバーもしっかりそろっているな。

「よく逃げ出さずに来たな、ユメ」
「まあな。で、そっちの六人がサンライズのメンバーか。見た顔がいくつがいるな」

「……だろうな。紹介しよう。まず、この小さいヤツが『タイニ』だ。小人族で、小さくなれるスキルを持っている便利なヤツだ」

「よろしく」

 この前、俺の財布を盗んだ子供か。


「こっちは、有名な写真家……『ベヴァイス』だ。仮面とフードで顔をおおっているから、その素性はオレでも分からん」

 確かに、顔は不気味な仮面のせいで分からん。
 そうか、アイツがこの前、俺と先生のキスシーンを。

『…………フフフフフ、ユメ。お前の写真はもうばらいてある。これで、お前はおしまいデス★』

「あっそ」

 俺は適当にあしらった。
 こいつはもう生理的に受け付けん。

「残りは『メランコリー』『フォーサイト』『レゾン』『ユング』だ。あとは戦闘で見極めてくれ」
「そうするよ。こっちの紹介はいるか?」
「いや、不要だ。お前たちは有名人だからな。名前も素性も、スキルもステータスも全部分かっている。だからな、今回のギルド戦は、オレたちの有利だぜ」

「ほう、俺たちのことを調査済みってわけか」


「そうとも。絶対に勝つために総力を挙げた。いいか、ユメ。もう一度、言う。……お前はリーダーに相応しくねえ! このオレこそがリーダーになるべき男なんだよ」

「……喧嘩けんかは買ってやるよ。けどな……逃げんなよ」


 そこで俺は、闇の極解放ダークフォームをフルパワーで展開した。


「――――――ッ!!!!!」


 その重圧に、ダスクは少し焦っていた。
 やるな、俺の闇に屈しないとは。面白い……


 久しぶりに腕が鳴るじゃないか。


「ふ……ふはははははは! いいぞ、ユメ。そうでなければ面白くない。この戦いに勝てれば王! 負ければ敗者! それだけだァ!!!」


 俺は仲間の元に戻り、敵メンバーの名前を教えておいた。
 すると、ネーブルが渋々しぶしぶと手を挙げた。

「ユメ、勝ってほしいからいうけど、正直言うと、わたしはサンライズと交流があるから、あいつらの能力とか詳しいのよね。もし、知りたかったら言ってね」
「その言葉を待っていたよ、ネーブル。抱いていいか!」
「あとでね。まあ、そんなワケだから、いつでも言って」
「おう!」


 そうだったな、ネーブルに会合に行かせて良かった。


「よし、点呼を取る。まず、フォース」
「あい」

「ネーブル」
「はーい」

「ゼファ」
「はいっ」

「テスラ」
「はーい」

「キャロル」
「はい」

「最後にコンシャスネス」
「イイエ」

「……よし、コンシャスネスはいないみたいだ」

「って、まってくださーい!」
「どうした、キャロル」
「コンシャスネスはいますよ!」

 相変わらず、右手に斧、左手に大きな盾。あと股間にオボン。
 いつもあの姿なんだな。

「分かった、コンシャスネスもな」
「ウィ」


 いよいよ『ギルド戦』開始だ……!
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