13 / 177
第13話 国の防衛力
しおりを挟む
ダイヤモンドの売却が済むまでは、無人島などで石やら木材やらチマチマ調達した。おかげでそこそこ豊かになりつつある。
更に、対クリーチャー&モンスター用の対策も行った。
クリーチャーが侵入できないように、高い壁を作ったし、先の尖った丸太杭を周囲に張り巡らせたり、魔導式電気柵、有刺鉄線、地雷などなどの防衛用アイテムも作り出した。
ここにきて『闇スキル』が役に立った。
俺の闇は、アイテムのクリエイトが可能だった。たぶん、こんなことが出来るのは世界でも唯一俺くらいだろう。
それらを設置して、今のところは凌いでいる。
「……こんなところか」
あれから、クリーチャーが度々攻めてくるが、守りを固めたので、そう簡単には突破できない。侵入する前に俺の作った罠で次々に足止めされ、そこへフォース、ゼファ、ネーブルの容赦ない集中攻撃が襲い掛かった。
その甲斐あり、クリーチャーは消え去っていった。
「ふい~~~」
少し疲れた顔のフォースは、俺の胸に頭を埋めた。
「ユメ様、わたくしも疲れが……」
ゼファも辛そうだ。
「わたしも~…。ああ、もうクリーチャーしつこすぎ~!」
うんざりするネーブル。イライラしているな。
さすがに毎回出動は面倒だ。
どうにか自動で迎撃できるようにできないものか――その為にも、資金を早急に作る必要があるな。
今の材料では限界があった。
「みんな休め。あとは俺が守っているからさ。ゼファ、フォースを頼む。もうクタクタでダメそうだ。風呂でも行ってきな」
「はい、フォースちゃんはお任せ下さい」
グッタリしたフォースをゼファに引き渡した。
「ネーブルも行ってこい」
「や……わたしはユメと一緒に……」
「おいおい、足元がふらついているぞ。痩せ我慢はよせって」
もうかれこれ半日以上、戦闘を繰り返して息つく暇もなかったしな。
くそ、魔神のヤロー…この前からどんどん奇襲頻度を上げてやがる。完全に嫌がらせだな。向こうはどうやら、クリーチャーを無限のように召喚できるようだし、厄介だ。
出現するポイントを探ろうにも、複雑なルートを利用しているようで特定には至らないし、そもそもモンスターと違って再出現しているわけじゃない。だから、余計に元を追うのが難しかった。
◆
魔神の情報収集に向かっていた姉ちゃんが、また戻って来た。
そういえば、いつの間にかいなくなっていたな。
「ユメ~」
「姉ちゃん。メイと母さんは?」
「まだ飛んでる。私は、パラドックスとユメとかみんなの様子を見に来た」
「そか。しばらくはこっちにいるのか?」
「そうね、そろそろ疲れたし~、お風呂も入りたいし~」
「それなら、ちょうどいい。今しがたフォースたちを風呂へ向かわせたところだ。姉ちゃんも行ってきなよ」
「ホント~!? じゃ、お邪魔しようかな♪」
「おう。みんなとは顔見知りだし、邪見にはしないと思う」
「ユメも来る~?」
「……え?」
「だから、ユメもお風呂来ればいいじゃない~」
「は?」
そう俺の腕を引っ張る姉ちゃん。
「ちょ、バカ! 一緒に入れるわけないだろ!?」
「固いこと言わない言わない」
「てか、パラドックスの防衛はどうするんだよ」
「それなら大丈夫よ。私のモンスターを使えばいい」
「あ、そか。姉ちゃんって魔王だから、モンスターを召喚できるんだ……! そりゃいいな。モンスターたちに防衛を任せるとか面白いな」
「でもね、今疲れちゃってるから、そんなたいしたモンスターは出せないかも。まあ、やってみよっか。ユメの『闇』の力も貸して」
――と、姉ちゃんは手を繋いできた。
う……あんな笑顔をされてしまったら、拒否もできない。
「じゃ、いくね――召喚!!」
ぴゅ~~~ん――などと滑稽な音と共に、複数のモンスターが召喚された。
「うおっ……うおおおお!? うおおおおおアバババババババババババ!! ねねねねねね姉ちゃん何をするうううう!!!」
「あ……ごめんユメ。闇の力を吸い上げすぎちゃった」
テヘペロと姉ちゃんは舌を出した。
うおいっ!
だが、かなりの魔力を吸われたおかげか――。
「謎のイケメン集団が30人ほど召喚されたぞ……これはモンスター?」
「そう、モンスター。けどね、これはユメの化身よ」
「はい……? 俺?」
「そう、ユメ」
「いやぁ……いくらなんでも美化しすぎじゃ!?」
無駄にキラキラ輝いているし、なんか美少女漫画に出てくる面してるぞ!!
「事実、ユメってカッコいいからいいの!」
「えぇ……」
姉ちゃんの中の、俺のイメージ像どうなってんだよ……。
ゲンナリしていると――イケメン俺は、逆さまになり、シュタっと機敏に動き出し――いや、まて。走り方がおかしいぞ!! シュタシュタ走って、散っていった。
「……こわッ!! 頭で走っていたぞ!? バケモノじゃねーか!!」
「さあ、行きましょう」
「お、おい。姉ちゃん、なんか俺が目から闇のビーム出してるぞ!?」
「いいからいいから」
俺は姉ちゃんに引っ張られていく。
いやいやいや……アレ、やばすぎね!?
◆
謎の防衛力を手に入れ、しばらくは安定を手に入れた。
なお……
あのモンスター(俺)たちは、なんと、七日も動き続けた。
更に、対クリーチャー&モンスター用の対策も行った。
クリーチャーが侵入できないように、高い壁を作ったし、先の尖った丸太杭を周囲に張り巡らせたり、魔導式電気柵、有刺鉄線、地雷などなどの防衛用アイテムも作り出した。
ここにきて『闇スキル』が役に立った。
俺の闇は、アイテムのクリエイトが可能だった。たぶん、こんなことが出来るのは世界でも唯一俺くらいだろう。
それらを設置して、今のところは凌いでいる。
「……こんなところか」
あれから、クリーチャーが度々攻めてくるが、守りを固めたので、そう簡単には突破できない。侵入する前に俺の作った罠で次々に足止めされ、そこへフォース、ゼファ、ネーブルの容赦ない集中攻撃が襲い掛かった。
その甲斐あり、クリーチャーは消え去っていった。
「ふい~~~」
少し疲れた顔のフォースは、俺の胸に頭を埋めた。
「ユメ様、わたくしも疲れが……」
ゼファも辛そうだ。
「わたしも~…。ああ、もうクリーチャーしつこすぎ~!」
うんざりするネーブル。イライラしているな。
さすがに毎回出動は面倒だ。
どうにか自動で迎撃できるようにできないものか――その為にも、資金を早急に作る必要があるな。
今の材料では限界があった。
「みんな休め。あとは俺が守っているからさ。ゼファ、フォースを頼む。もうクタクタでダメそうだ。風呂でも行ってきな」
「はい、フォースちゃんはお任せ下さい」
グッタリしたフォースをゼファに引き渡した。
「ネーブルも行ってこい」
「や……わたしはユメと一緒に……」
「おいおい、足元がふらついているぞ。痩せ我慢はよせって」
もうかれこれ半日以上、戦闘を繰り返して息つく暇もなかったしな。
くそ、魔神のヤロー…この前からどんどん奇襲頻度を上げてやがる。完全に嫌がらせだな。向こうはどうやら、クリーチャーを無限のように召喚できるようだし、厄介だ。
出現するポイントを探ろうにも、複雑なルートを利用しているようで特定には至らないし、そもそもモンスターと違って再出現しているわけじゃない。だから、余計に元を追うのが難しかった。
◆
魔神の情報収集に向かっていた姉ちゃんが、また戻って来た。
そういえば、いつの間にかいなくなっていたな。
「ユメ~」
「姉ちゃん。メイと母さんは?」
「まだ飛んでる。私は、パラドックスとユメとかみんなの様子を見に来た」
「そか。しばらくはこっちにいるのか?」
「そうね、そろそろ疲れたし~、お風呂も入りたいし~」
「それなら、ちょうどいい。今しがたフォースたちを風呂へ向かわせたところだ。姉ちゃんも行ってきなよ」
「ホント~!? じゃ、お邪魔しようかな♪」
「おう。みんなとは顔見知りだし、邪見にはしないと思う」
「ユメも来る~?」
「……え?」
「だから、ユメもお風呂来ればいいじゃない~」
「は?」
そう俺の腕を引っ張る姉ちゃん。
「ちょ、バカ! 一緒に入れるわけないだろ!?」
「固いこと言わない言わない」
「てか、パラドックスの防衛はどうするんだよ」
「それなら大丈夫よ。私のモンスターを使えばいい」
「あ、そか。姉ちゃんって魔王だから、モンスターを召喚できるんだ……! そりゃいいな。モンスターたちに防衛を任せるとか面白いな」
「でもね、今疲れちゃってるから、そんなたいしたモンスターは出せないかも。まあ、やってみよっか。ユメの『闇』の力も貸して」
――と、姉ちゃんは手を繋いできた。
う……あんな笑顔をされてしまったら、拒否もできない。
「じゃ、いくね――召喚!!」
ぴゅ~~~ん――などと滑稽な音と共に、複数のモンスターが召喚された。
「うおっ……うおおおお!? うおおおおおアバババババババババババ!! ねねねねねね姉ちゃん何をするうううう!!!」
「あ……ごめんユメ。闇の力を吸い上げすぎちゃった」
テヘペロと姉ちゃんは舌を出した。
うおいっ!
だが、かなりの魔力を吸われたおかげか――。
「謎のイケメン集団が30人ほど召喚されたぞ……これはモンスター?」
「そう、モンスター。けどね、これはユメの化身よ」
「はい……? 俺?」
「そう、ユメ」
「いやぁ……いくらなんでも美化しすぎじゃ!?」
無駄にキラキラ輝いているし、なんか美少女漫画に出てくる面してるぞ!!
「事実、ユメってカッコいいからいいの!」
「えぇ……」
姉ちゃんの中の、俺のイメージ像どうなってんだよ……。
ゲンナリしていると――イケメン俺は、逆さまになり、シュタっと機敏に動き出し――いや、まて。走り方がおかしいぞ!! シュタシュタ走って、散っていった。
「……こわッ!! 頭で走っていたぞ!? バケモノじゃねーか!!」
「さあ、行きましょう」
「お、おい。姉ちゃん、なんか俺が目から闇のビーム出してるぞ!?」
「いいからいいから」
俺は姉ちゃんに引っ張られていく。
いやいやいや……アレ、やばすぎね!?
◆
謎の防衛力を手に入れ、しばらくは安定を手に入れた。
なお……
あのモンスター(俺)たちは、なんと、七日も動き続けた。
10
お気に入りに追加
321
あなたにおすすめの小説
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
CV〇〇〇〇とか最強じゃん~憧れの声優〇〇〇〇の声を手に入れた男の勘違い成り上がり~(〇〇〇〇にはお好きな方の名前を入れてお楽しみください)
星上みかん
ファンタジー
親の借金を返すために睡眠時間を削ってバイトをしていた高校生のハルは、無理がたたって過労死してしまう。
異世界に転生して喋ってみると、なんとあの大人気声優〇〇〇〇(お好きな声をご想像ください)の声になっているではないか。
これは無双確定だな……ってあれ? なんか弱いような……
……まぁCV〇〇〇〇だし大丈夫だろう!
*CV〇〇〇〇の部分にはお好きな方の名前を入れてお楽しみください。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる