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第13話 国の防衛力

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 ダイヤモンドの売却が済むまでは、無人島などで石やら木材やらチマチマ調達した。おかげでそこそこ豊かになりつつある。


 更に、対クリーチャー&モンスター用の対策も行った。


 クリーチャーが侵入できないように、高い壁を作ったし、先の尖った丸太杭まるたくいを周囲に張り巡らせたり、魔導式電気柵、有刺鉄線、地雷などなどの防衛用アイテムも作り出した。


 ここにきて『闇スキル』が役に立った。


 俺の闇は、アイテムのクリエイトが可能だった。たぶん、こんなことが出来るのは世界でも唯一俺くらいだろう。

 それらを設置して、今のところはしのいでいる。


「……こんなところか」


 あれから、クリーチャーが度々たびたび攻めてくるが、守りを固めたので、そう簡単には突破できない。侵入する前に俺の作った罠で次々に足止めされ、そこへフォース、ゼファ、ネーブルの容赦ない集中攻撃が襲い掛かった。


 その甲斐かいあり、クリーチャーは消え去っていった。


「ふい~~~」


 少し疲れた顔のフォースは、俺の胸に頭をうずめた。


「ユメ様、わたくしも疲れが……」

 ゼファも辛そうだ。


「わたしも~…。ああ、もうクリーチャーしつこすぎ~!」

 うんざりするネーブル。イライラしているな。


 さすがに毎回出動は面倒だ。
 どうにか自動オートで迎撃できるようにできないものか――その為にも、資金を早急に作る必要があるな。


 今の材料では限界があった。


「みんな休め。あとは俺が守っているからさ。ゼファ、フォースを頼む。もうクタクタでダメそうだ。風呂でも行ってきな」
「はい、フォースちゃんはお任せ下さい」


 グッタリしたフォースをゼファに引き渡した。


「ネーブルも行ってこい」
「や……わたしはユメと一緒に……」
「おいおい、足元がふらついているぞ。せ我慢はよせって」


 もうかれこれ半日以上、戦闘を繰り返して息つく暇もなかったしな。


 くそ、魔神のヤロー…この前からどんどん奇襲頻度を上げてやがる。完全に嫌がらせだな。向こうはどうやら、クリーチャーを無限のように召喚できるようだし、厄介だ。


 出現するポイントを探ろうにも、複雑なルートを利用しているようで特定には至らないし、そもそもモンスターと違って再出現リポップしているわけじゃない。だから、余計にを追うのが難しかった。


 ◆


 魔神の情報収集に向かっていた姉ちゃんが、また戻って来た。
 そういえば、いつの間にかいなくなっていたな。


「ユメ~」
「姉ちゃん。メイと母さんは?」

「まだ飛んでる。私は、パラドックスとユメとかみんなの様子を見に来た」

「そか。しばらくはこっちにいるのか?」
「そうね、そろそろ疲れたし~、お風呂も入りたいし~」

「それなら、ちょうどいい。今しがたフォースたちを風呂へ向かわせたところだ。姉ちゃんも行ってきなよ」

「ホント~!? じゃ、お邪魔しようかな♪」
「おう。みんなとは顔見知りだし、邪見にはしないと思う」


「ユメも来る~?」

「……え?」


「だから、ユメもお風呂来ればいいじゃない~」
「は?」


 そう俺の腕を引っ張る姉ちゃん。


「ちょ、バカ! 一緒に入れるわけないだろ!?」
「固いこと言わない言わない」

「てか、パラドックスの防衛はどうするんだよ」
「それなら大丈夫よ。私の・・モンスターを使えばいい」


「あ、そか。姉ちゃんって魔王だから、モンスターを召喚サモンできるんだ……! そりゃいいな。モンスターたちに防衛を任せるとか面白いな」


「でもね、今疲れちゃってるから、そんなたいしたモンスターは出せないかも。まあ、やってみよっか。ユメの『闇』の力も貸して」


 ――と、姉ちゃんは手を繋いできた。

 う……あんな笑顔をされてしまったら、拒否もできない。



「じゃ、いくね――召喚サモン!!」


 ぴゅ~~~ん――などと滑稽こっけいな音と共に、複数のモンスターが召喚された。


「うおっ……うおおおお!? うおおおおおアバババババババババババ!! ねねねねねね姉ちゃん何をするうううう!!!」


「あ……ごめんユメ。闇の力を吸い上げすぎちゃった」


 テヘペロと姉ちゃんは舌を出した。

 うおいっ!

 だが、かなりの魔力を吸われたおかげか――。


「謎のイケメン集団が30人ほど召喚されたぞ……これはモンスター?」
「そう、モンスター。けどね、これはユメ・・の化身よ」


「はい……? 俺?」

「そう、ユメ」
「いやぁ……いくらなんでも美化しすぎじゃ!?」


 無駄にキラキラ輝いているし、なんか美少女漫画に出てくるツラしてるぞ!!


「事実、ユメってカッコいいからいいの!」
「えぇ……」


 姉ちゃんの中の、俺のイメージ像どうなってんだよ……。
 ゲンナリしていると――イケメン俺は、逆さまになり、シュタっと機敏きびんに動き出し――いや、まて。走り方がおかしいぞ!! シュタシュタ走って、散っていった。


「……こわッ!! 頭で走っていたぞ!? バケモノじゃねーか!!」
「さあ、行きましょう」
「お、おい。姉ちゃん、なんか俺が目から闇のビーム出してるぞ!?」
「いいからいいから」


 俺は姉ちゃんに引っ張られていく。

 いやいやいや……アレ、やばすぎね!?


 ◆


 謎の防衛力を手に入れ、しばらくは安定を手に入れた。


 なお……


 あのモンスター(俺)たちは、なんと、七日・・も動き続けた。
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