上 下
228 / 234

ヤるだけヤった

しおりを挟む
 桃枝も千年世もお風呂へ行った。
 俺はスーパー賢者タイムで果てていた。……さすがに二人を相手にするのは大変だ。だけど天国ではあった。
 久しぶりに良い思いができた。

 ソファで仰向けに倒れ、俺はスマホを覗く。

 これといったニュースはなさそうかな――?

 ……お、この記事はなんだろう。


【対馬全域を封鎖!? テロの可能性か】


 な、なんだって……?
 なんだこのニュースは。
 しかも具体的なことがほとんど書かれていない。まるで都市伝説みたいな扱いだぞ、これは。いったい、どこの記者が書いたんだか。

 もし対馬が封鎖されたら、俺たちは脱出できなくなるぞ。それは困るな。

 しばらくくつろいでいると北上さんが現れた。


「哲くん、こんなところにいたのですね」
「ゆっくりしていたのさ」
「……ゆっくり? この床に落ちている使用済みのゴムはなんですか」
「……っ!」

 やっべ、面倒で処分し忘れた。
 さっきまで別の意味で戦争が起きていたからな。いやぁ、激しかった。


「やれやれ。見境なしですか」


 じとーっとした目で見られ、俺は少し焦った。


「仕方ないだろう。みんな俺を求めてくるんだからっ!」
「まあいいでしょう。それよりも話があります」


 いいのかよ!!
 まあいいか……。


「――で、話って?」
「いったんアメリカへ行ってみませんか? 試しでいいのです」

「ふむ」


 北上さんがここまで頼み込んでくるのは珍しい。
 アメリカか、一度くらい行ってみてもいいかもな。今はいろいろ試行錯誤する必要がある。理想郷を探し当てるまで。


「もし行くのなら、在日米軍基地にいる知り合いの司令官に頼めば軍用機を飛ばしてもらえるでしょう」

「…………な」


 驚いた。さすが北上さんだ。まさか在日米軍基地の司令官とも知り合いとはな。それは心強すぎだろう。


「いかがでしょう?」
「アリかナシで言えば“アリ”だ。そうだな、一度だけアメリカへ行ってみよう」


 対馬はどんどん危険地帯になりつつある。どのみち、八咫烏には俺たちのことは筒抜けなのだろう。ならば、少しでも位置情報を乱す為にもアメリカへ行ってみるのもありだろう。
 八咫烏が本当に『エシュロン』を使っているのなら、その真意も確かめたい。もしかしたら、逆探知とかできるかもしれないしな。


「では、司令官に連絡を取ってみます」
「分かった。頼んだぞ」


 了解と短く返事をする北上さんは、さっそく電話をしに向かった。これでゴーサインが出れば俺たちは軍用機に乗ってアメリカへ向かうことになる。

 アメリカかぁ、一度は行ってみたかった。

 向こうなら銃の練習もし放題だし、いろんな武器を使える。この際だからヘリの操縦なども学んでおきたいな。

 そう考えていると桃枝と千年世が戻ってきた。バスタオル一枚の姿で。……うわ、艶めかしい。


「おまたせ、てっちゃん」
「良いお湯でした」


 二人とも色っぽいなぁ。二回戦目もいけそうな勢いで下半身のマグナムが暴発しかけていた。
 ……うぅ、たまらん。


「…………」


 桃枝と千年世を眺めていると、二人とも俺の視線に顔を赤くしていた。


「ちょ、てっちゃん。ジロジロ見すぎ! さっきヤるだけヤったじゃん~。まだ溜まってんの?」
「物足りない」
「えー…。絶倫すぎなーい」


 でも、まんざらでもないと桃枝は俺に抱きついてきた。千年世も同じく。


「哲くん、私は二回戦目してもいいですよ!」
「マジか、千年世」
「はい。今度はコスプレしましょう」


 なんだかんだ、桃枝も千年世もエロいんだからなぁ、困ったものだ。

 欲望に負けた俺は“二回戦目”を決行することにした――!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た

pelonsan
恋愛
 ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。  僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。  昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。  去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日…… ※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

【R18 】必ずイカせる! 異世界性活

飼猫タマ
ファンタジー
ネットサーフィン中に新しいオンラインゲームを見つけた俺ゴトウ・サイトが、ゲーム設定の途中寝落すると、目が覚めたら廃墟の中の魔方陣の中心に寝ていた。 偶然、奴隷商人が襲われている所に居合わせ、助けた奴隷の元漆黒の森の姫であるダークエルフの幼女ガブリエルと、その近衛騎士だった猫耳族のブリトニーを、助ける代わりに俺の性奴隷なる契約をする。 ダークエルフの美幼女と、エロい猫耳少女とSEXしたり、魔王を倒したり、ダンジョンを攻略したりするエロエロファンタジー。

処理中です...