33 / 62
必殺の金貨投げ
しおりを挟む
フランベルジュを構えると、ガースとエルヴィスは狼狽えた。
「S級武器だと! 馬鹿な……」
「あのヘンリーが? 元ギルド職員が、なんでそんなレア武器を所持しているんだよ!」
普通そう思うだろうね。
腐っても元ギルド職員、S級アイテムの入手難易度は彼らもよく知っているだろうし、高価なのも知っているはず。そして、その威力も。
僕は、相手が動くよりも先に移動。接近し、向けられたナイフを弾き飛ばした。いや、破壊した。
「うわぁあぁッ!」
「俺のナイフがあああ!!」
C級サバイバルナイフでは、このS級武器に勝てるわけがない。適当に振っても武器破壊が可能。それほど性能の差があった。
二人は尻餅をついて怯えていた。
その隙にギルドの受付嬢を救出。この超美人で、清楚な金髪の女性は確か、エステラさんだ。あんまり話したことはないけど。
「ヘ、ヘンリーさんではないですか! 助けてくれてありがとうございます」
「いいよ、エステラさん。今のうちに逃げて」
「で、でも……」
「大丈夫。こっちは任せて。どうせ彼らに話があるし」
「は、はい。その、ヘンリーさん……機会があればでいいので、私の家に来てください。お茶をご馳走したいんです」
エステラさんは、顔を赤くして去っていく。うそ、あの冒険者から大人気のエステラさんから誘われた! 嬉しいなあ。
無事を確認して、僕は二人に向き直る。
「殺しはしない。ガヘリスの情報を知りたいんだ。アイツは、今どこで何をしている?」
聞くとガースがキレた。
「俺が知るかよ!!」
「もういいだろ! 俺たちを見逃せ!」
やれやれ、この二人はまだ分かっていないようだな。ギルドの受付嬢をさらおうとしていたくせに、見逃せ? しかも、ヨークとスイカも狙っていたし、ありえないだろ。
僕は、彼らの右肩に剣を“チクッ”と刺した。
すると、予想以上に『ブシュー!!』と血が噴き出た。
「「ぎゃああああああああああ!!!」」
ガースもエルヴィスも激痛に転げまわる。……さ、さすがS級だな。あの程度でも大ダメージなんだな。なんて攻撃力だよ。
「さあ、ガヘリスのことを言うんだ」
「……わ、分かった! 頼むからもう、チクッとしないでくれ! 痛いから!!」
二人とも意気消沈。
どうやら、話す気になったようだ。今度は、エルヴィスが口を開いた。
「ガヘリスさんは、巨大地下・ウェイクフィールドにいる」
「それは知ってる。どこにある?」
「さあ、分からないんだ」
「分からない? どうしてだ。さっきだってギルドの受付嬢をさらっていたじゃないか」
「完全にランダムなんだよ。たとえば、酒場の裏路地とか、人があまり通らないところを歩いていると勝手に転送されるんだよ。ウェイクフィールドにな」
そんな、ランダムだなんて。
つまり『ランダムテレポート』って――ことかな。それでは突き止めるのは難しいな。でも、この帝国のどこかに地下があるはずだ。
「最後に聞きたい。ガヘリスはその地下に女性達を集めて奴隷売買をしているんだな。お前達も加担していると?」
「な、なんだ知っていたのかヘンリー。そうだ、ガヘリスさんは帝国・中立地帯・共和国からも女を拉致して地下に閉じ込めている。奴隷として売る為さ! これが儲かるビジネスでな。俺もガースも美人奴隷を貰ったし、最高だぜえ!?
そうだ、ヘンリー! お前も仲間にならないか!? ガヘリスさんは寛容だ。お前にその気があるなら、歓迎してくれるだろう」
手を差し伸べてくるエルヴィス。
下衆すぎるだろ。
僕にはヨークやスイカもいる。ていうか、二人とも白い目でガースとエルヴィスを軽蔑し、引いていた。ですよねー。
女の子の前でそんな最低な交渉をよくまあ、するものだ。
もちろん、僕の答えは――
「仲間になるわけないだろ。お前達二人は帝国騎士に突きだす! この犯罪者が!」
そう断言すると二人とも焦った。
「なぁぁぁ!! ヘンリー、俺たち、元同僚だろ!!」
「そ、そうだ! 人さらいバレたら処刑されちまうよ!!」
必死に勘弁してくれと土下座してくる。
同情なんて、これっぽっちも出来ない。
するつもりもない。
そもそも、僕がギルドに所属していたときは業務を手伝ってもくれなかったし、追放されたときも彼らは一人も味方してくれなかった。
それが今はなんだ。
女性を好き勝手に誘拐して……奴隷商売? 馬鹿げている。こんなの間違っている。冒険者を導く存在が、なぜこんなヤバイ組織になっている!
おかしい、全てがおかしい。
ガヘリス、奴が全てを壊した。
僕の人生も、ギルドの職場も……何もかも。
だからこそ、僕は『金貨増殖バグ』を使った。
「ガース、エルヴィス……お前たちはやってはならないことをした。牢屋で罪を償え、この馬鹿野郎共!!」
金貨を二枚取り出し、ブン投げた――!
「「う、うああああああああああああああ……ッ!!」」
土下座している二人の頭上に金貨を叩き落とした。必殺の“金貨投げ”は破壊的な威力を生み出し、二人の頭を潰す威力で大きなクレーターを作り上げた。
「金貨投げええええええええ!!」
「「や、やめ、やめてくれえええええええええ、うああああああああああ……!!!」」
金色の柱が空へ伸びる。
怒りのまま地面へ投げつけたから、凄い威力になってしまった。
次第に光は止み――ガースとエルヴィスは、ズタボロになって倒れていた。傷の具合からして、骨折とかもしているだろう。……ふぅ、スッキリした。
「S級武器だと! 馬鹿な……」
「あのヘンリーが? 元ギルド職員が、なんでそんなレア武器を所持しているんだよ!」
普通そう思うだろうね。
腐っても元ギルド職員、S級アイテムの入手難易度は彼らもよく知っているだろうし、高価なのも知っているはず。そして、その威力も。
僕は、相手が動くよりも先に移動。接近し、向けられたナイフを弾き飛ばした。いや、破壊した。
「うわぁあぁッ!」
「俺のナイフがあああ!!」
C級サバイバルナイフでは、このS級武器に勝てるわけがない。適当に振っても武器破壊が可能。それほど性能の差があった。
二人は尻餅をついて怯えていた。
その隙にギルドの受付嬢を救出。この超美人で、清楚な金髪の女性は確か、エステラさんだ。あんまり話したことはないけど。
「ヘ、ヘンリーさんではないですか! 助けてくれてありがとうございます」
「いいよ、エステラさん。今のうちに逃げて」
「で、でも……」
「大丈夫。こっちは任せて。どうせ彼らに話があるし」
「は、はい。その、ヘンリーさん……機会があればでいいので、私の家に来てください。お茶をご馳走したいんです」
エステラさんは、顔を赤くして去っていく。うそ、あの冒険者から大人気のエステラさんから誘われた! 嬉しいなあ。
無事を確認して、僕は二人に向き直る。
「殺しはしない。ガヘリスの情報を知りたいんだ。アイツは、今どこで何をしている?」
聞くとガースがキレた。
「俺が知るかよ!!」
「もういいだろ! 俺たちを見逃せ!」
やれやれ、この二人はまだ分かっていないようだな。ギルドの受付嬢をさらおうとしていたくせに、見逃せ? しかも、ヨークとスイカも狙っていたし、ありえないだろ。
僕は、彼らの右肩に剣を“チクッ”と刺した。
すると、予想以上に『ブシュー!!』と血が噴き出た。
「「ぎゃああああああああああ!!!」」
ガースもエルヴィスも激痛に転げまわる。……さ、さすがS級だな。あの程度でも大ダメージなんだな。なんて攻撃力だよ。
「さあ、ガヘリスのことを言うんだ」
「……わ、分かった! 頼むからもう、チクッとしないでくれ! 痛いから!!」
二人とも意気消沈。
どうやら、話す気になったようだ。今度は、エルヴィスが口を開いた。
「ガヘリスさんは、巨大地下・ウェイクフィールドにいる」
「それは知ってる。どこにある?」
「さあ、分からないんだ」
「分からない? どうしてだ。さっきだってギルドの受付嬢をさらっていたじゃないか」
「完全にランダムなんだよ。たとえば、酒場の裏路地とか、人があまり通らないところを歩いていると勝手に転送されるんだよ。ウェイクフィールドにな」
そんな、ランダムだなんて。
つまり『ランダムテレポート』って――ことかな。それでは突き止めるのは難しいな。でも、この帝国のどこかに地下があるはずだ。
「最後に聞きたい。ガヘリスはその地下に女性達を集めて奴隷売買をしているんだな。お前達も加担していると?」
「な、なんだ知っていたのかヘンリー。そうだ、ガヘリスさんは帝国・中立地帯・共和国からも女を拉致して地下に閉じ込めている。奴隷として売る為さ! これが儲かるビジネスでな。俺もガースも美人奴隷を貰ったし、最高だぜえ!?
そうだ、ヘンリー! お前も仲間にならないか!? ガヘリスさんは寛容だ。お前にその気があるなら、歓迎してくれるだろう」
手を差し伸べてくるエルヴィス。
下衆すぎるだろ。
僕にはヨークやスイカもいる。ていうか、二人とも白い目でガースとエルヴィスを軽蔑し、引いていた。ですよねー。
女の子の前でそんな最低な交渉をよくまあ、するものだ。
もちろん、僕の答えは――
「仲間になるわけないだろ。お前達二人は帝国騎士に突きだす! この犯罪者が!」
そう断言すると二人とも焦った。
「なぁぁぁ!! ヘンリー、俺たち、元同僚だろ!!」
「そ、そうだ! 人さらいバレたら処刑されちまうよ!!」
必死に勘弁してくれと土下座してくる。
同情なんて、これっぽっちも出来ない。
するつもりもない。
そもそも、僕がギルドに所属していたときは業務を手伝ってもくれなかったし、追放されたときも彼らは一人も味方してくれなかった。
それが今はなんだ。
女性を好き勝手に誘拐して……奴隷商売? 馬鹿げている。こんなの間違っている。冒険者を導く存在が、なぜこんなヤバイ組織になっている!
おかしい、全てがおかしい。
ガヘリス、奴が全てを壊した。
僕の人生も、ギルドの職場も……何もかも。
だからこそ、僕は『金貨増殖バグ』を使った。
「ガース、エルヴィス……お前たちはやってはならないことをした。牢屋で罪を償え、この馬鹿野郎共!!」
金貨を二枚取り出し、ブン投げた――!
「「う、うああああああああああああああ……ッ!!」」
土下座している二人の頭上に金貨を叩き落とした。必殺の“金貨投げ”は破壊的な威力を生み出し、二人の頭を潰す威力で大きなクレーターを作り上げた。
「金貨投げええええええええ!!」
「「や、やめ、やめてくれえええええええええ、うああああああああああ……!!!」」
金色の柱が空へ伸びる。
怒りのまま地面へ投げつけたから、凄い威力になってしまった。
次第に光は止み――ガースとエルヴィスは、ズタボロになって倒れていた。傷の具合からして、骨折とかもしているだろう。……ふぅ、スッキリした。
1
お気に入りに追加
1,218
あなたにおすすめの小説
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる