94 / 101
新章
第94話 新情報と四分統治の状況
しおりを挟む
フェルスによれば最近、夜になると怪しい人物がウロウロしているという。そいつだー!! どう考えてもその人物が犯人としか思えない。
やはり、内部の犯行か。
「助かったよ、フェルス」
「いえいえ、御存知の通り、自分は『ラマ・パコス』の姿にもなれる為、その場合は人間には警戒されにくいんです」
だろうな、騎乗モンスターとして重宝されているし。このイニティウムでも借りれる場所が多く存在する。だから、その辺に歩いていても自然なわけだ。
たまに獣の姿で散歩していると聞くし、その時に目撃したようだ。
そんな中、フルクがフェルスに質問をしていた。
「それで、犯人の特徴とかないんですか?」
「う~ん、恐らくあの“臭い”からして男だと思う。それ以外は……分かりません」
「男の人なんですね……?」
なるほど、不審情報と性別が判明しただけでも収穫だ。
「ありがとう、フェルス。あとはこっちで何とかする。今はマルガにも調査に回って貰っているからな」
「ああ、道理で姿がないと思ったら……分かりました。自分も何か分かったら報告しますね。では!」
フェルスは去った。
今は、城塞都市イニティウムの夜を待つしかなさそうだな。
◆
夜まで少し『四分統治・フルクトゥアト』の様子を伺うか。カルニの秘書能力でこの国のステータスが見れた。
【四分統治・フルクトゥアト】
【総防衛値:380000】
【総人口:22万人】
【兵力】
S~SSS級武具を装備した兵3000名。
(騎士、魔術師、聖職者も含む)
【防衛設備】
防壁(グレートウォール)。
魔導砲50門、自動連射ボウガン25門、硫酸の落とし穴1600個、魔導地雷50個、リュウケツジュ10本(モンスターを検知する常緑高木)。
①【オムニブス】
【皇帝:アウルム】
【防衛値:130000】
【人口:4人】
30名以上が住める屋敷あり。
EXダンジョン保有。
②【イニティウム】
【皇帝:ユウェンス】
【防衛値:88000】
【人口:12万人】
城塞都市。
人口が多いので防衛設備も集中している。
傭兵ギルドが存在する。アイテムショップ、鍛冶屋、テイムショップなど盛況。料理の美味しいお店も多く存在する。
③【パルウァエ】
【皇帝:メディケ】
【防衛値:79000】
【人口:5万人】
元村。今や発展して大きな街となっている。
食料生産と医療を担当。
フルクトゥアト教会もあり、信者も多い。
④【カリブルヌス】
【皇帝:マルガリータ】
【防衛値:83000】
【人口:5万人】
元帝国領。グラティア辺境伯マルガリータの領地だった。現在は、四分統治が掌握。併合された。
最前線故、S級村人が多数存在する。
「いかがでしょうか、アウルム様」
カルニは背後から密着しながら言った。そんな“ぎゅっ”とされると……柔らかいモノが背中にだなぁ……。
「我が四分統治は怖いくらい順調だな」
「ええ、この分でしたら魔王軍を恐れる必要はないでしょう」
「そうだな、これも『デウス・エクス・マキナ』の防衛設備おかげ。あの国とは取引を続けたいな」
「デウス・エクス・マキナの大元帥・オムニア様がアウルム様にお会いしたいとおっしゃっておりました」
「マジか。一度も会った事がないから緊張するな」
「大丈夫です。大元帥様は温厚で滅多に怒らない事で有名ですからね」
イメージがまるで湧かないな。
でもまあ、これで国の事は知れた。
さて、そろそろ『夜』になるな――。
やはり、内部の犯行か。
「助かったよ、フェルス」
「いえいえ、御存知の通り、自分は『ラマ・パコス』の姿にもなれる為、その場合は人間には警戒されにくいんです」
だろうな、騎乗モンスターとして重宝されているし。このイニティウムでも借りれる場所が多く存在する。だから、その辺に歩いていても自然なわけだ。
たまに獣の姿で散歩していると聞くし、その時に目撃したようだ。
そんな中、フルクがフェルスに質問をしていた。
「それで、犯人の特徴とかないんですか?」
「う~ん、恐らくあの“臭い”からして男だと思う。それ以外は……分かりません」
「男の人なんですね……?」
なるほど、不審情報と性別が判明しただけでも収穫だ。
「ありがとう、フェルス。あとはこっちで何とかする。今はマルガにも調査に回って貰っているからな」
「ああ、道理で姿がないと思ったら……分かりました。自分も何か分かったら報告しますね。では!」
フェルスは去った。
今は、城塞都市イニティウムの夜を待つしかなさそうだな。
◆
夜まで少し『四分統治・フルクトゥアト』の様子を伺うか。カルニの秘書能力でこの国のステータスが見れた。
【四分統治・フルクトゥアト】
【総防衛値:380000】
【総人口:22万人】
【兵力】
S~SSS級武具を装備した兵3000名。
(騎士、魔術師、聖職者も含む)
【防衛設備】
防壁(グレートウォール)。
魔導砲50門、自動連射ボウガン25門、硫酸の落とし穴1600個、魔導地雷50個、リュウケツジュ10本(モンスターを検知する常緑高木)。
①【オムニブス】
【皇帝:アウルム】
【防衛値:130000】
【人口:4人】
30名以上が住める屋敷あり。
EXダンジョン保有。
②【イニティウム】
【皇帝:ユウェンス】
【防衛値:88000】
【人口:12万人】
城塞都市。
人口が多いので防衛設備も集中している。
傭兵ギルドが存在する。アイテムショップ、鍛冶屋、テイムショップなど盛況。料理の美味しいお店も多く存在する。
③【パルウァエ】
【皇帝:メディケ】
【防衛値:79000】
【人口:5万人】
元村。今や発展して大きな街となっている。
食料生産と医療を担当。
フルクトゥアト教会もあり、信者も多い。
④【カリブルヌス】
【皇帝:マルガリータ】
【防衛値:83000】
【人口:5万人】
元帝国領。グラティア辺境伯マルガリータの領地だった。現在は、四分統治が掌握。併合された。
最前線故、S級村人が多数存在する。
「いかがでしょうか、アウルム様」
カルニは背後から密着しながら言った。そんな“ぎゅっ”とされると……柔らかいモノが背中にだなぁ……。
「我が四分統治は怖いくらい順調だな」
「ええ、この分でしたら魔王軍を恐れる必要はないでしょう」
「そうだな、これも『デウス・エクス・マキナ』の防衛設備おかげ。あの国とは取引を続けたいな」
「デウス・エクス・マキナの大元帥・オムニア様がアウルム様にお会いしたいとおっしゃっておりました」
「マジか。一度も会った事がないから緊張するな」
「大丈夫です。大元帥様は温厚で滅多に怒らない事で有名ですからね」
イメージがまるで湧かないな。
でもまあ、これで国の事は知れた。
さて、そろそろ『夜』になるな――。
11
お気に入りに追加
896
あなたにおすすめの小説

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる