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第11話 家を買うかも
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「1億セル……これだけあれば、色々買える」
「どうしましょうか」
フルクと共に今後のプランを練っていた。
このEXダンジョンにいる限り、安全だし、ヤツ等が向かってきても『追放』できる。つまり、この領域内に家を建てればより安全ということ。
「そうだな、まずは家でも建てるか。ここはある貴族の領地だから、そこだけが唯一の心配だけどな」
「グラティア辺境伯ですね」
「なんだ、知っていたのか」
「ええ、彼女は有名人ですから。ユースティティア教会にも来られた事があるんですよ」
なるほど、その時に出会っていたんだな。
となるとトラブルになる前に交渉しに行くのが吉だろう。ただでさえ、今はグレーな状況だ。
「じゃあ、挨拶しに行こうか。お互い気持ちよくもないしな」
「分かりました。わたしは面識がありますし、交渉も多少は可能かと。いえ、必ず許可を貰います」
「悪いな。力を貸してくれ、フルク」
「もちろんです。アウルムさんの為ですもん」
嬉しいなあ。前々から思ったけど、フルクは優しくて理解があって、前の仲間よりも断然に性格とかも良かった。
もっと早く出会えていればな。いや、これからフルクを知っていけばいいか。今が最高なんだから。
「よし、どうやって行く?」
「この遺跡からは徒歩で半日掛かりますね。パルウァエ村へ戻って馬を借りましょう」
そりゃ名案だと頷き、同意した。
◆
俺がかつて小屋を借りていた村・パルウァエへ向かった。思えば、随分とお世話になった村だ。
「――到着だな」
「相変わらずのんびりした良い街ですね」
「そうだろう。気に入ってはいたんだが……小屋はあくまで借りていたもので、あの時はおかげで金も尽きちまったからな。でも今は1億の所持金あるし……ああ、そうだ。小屋を貸してくれた医者に礼を言いに行こう。馬車も貸してくれるはずだ」
「お医者様ですか?」
そう、俺の骨折を見てくれた闇医者だ。
少し歩いて小さな屋敷へ。
「ここだよ」
「わぁ、ちょっとオシャレですね」
明らかに少しばかり浮いていた。
医者の趣味らしい。扉を叩いて反応があったので、俺は中へ向かった。
「メディケさーん。お久しぶりです」
「ん~? おぉ、その疲れた顔はアウルムか!!」
「疲れた顔は余計です。それより、お礼に参りました。あの時はありがとうございました。俺の骨折を診てくれて。これはほんのお礼です」
ドサッと100万セルの袋を机に置く。
「な、なんだか凄い音がしたが……いくらだね」
「100万です。小屋も貸して貰いましたし、俺はおかげで命拾いした。だから当然のお礼ですよ」
「ひゃ、ひゃくまん!? 凄いね、どうやって……?」
「今は秘密です。バレると色々と目をつけられそうなので」
「怪しい収入源じゃあるまいね? 一応貰っておくけど……まあいい、ありがとう。ところで、そこの銀髪のお嬢さんは?」
フルクが前へ出て一礼する。
「わたしは、ユースティティア教会から参りましたフルクトゥアトです。お世話になります」
「へぇ~…、ユースティティア教会……ユースティティア教会!? って、フルクトゥアト様といえば、そりゃあ……聖女様じゃないか。おい、アウルム! お前どうやって聖女様と出会ったんだ」
驚かれて、俺も驚いた。
医者が驚くほどの女の子なのか。
「えっと、話せば長いんです。後で手紙を送りますから……今はとにかく、グラティア辺境伯に会いに行きたいんです。馬を貸してくれませんか?」
「そ、そりゃあ構わないよ、100万セルも貰っちゃったし。好きに使ってくれ。だが、後できちんと教えてくれよ、アウルム」
「ええ、もちろんです」
俺は約束し、馬を借りる事にした。
「どうしましょうか」
フルクと共に今後のプランを練っていた。
このEXダンジョンにいる限り、安全だし、ヤツ等が向かってきても『追放』できる。つまり、この領域内に家を建てればより安全ということ。
「そうだな、まずは家でも建てるか。ここはある貴族の領地だから、そこだけが唯一の心配だけどな」
「グラティア辺境伯ですね」
「なんだ、知っていたのか」
「ええ、彼女は有名人ですから。ユースティティア教会にも来られた事があるんですよ」
なるほど、その時に出会っていたんだな。
となるとトラブルになる前に交渉しに行くのが吉だろう。ただでさえ、今はグレーな状況だ。
「じゃあ、挨拶しに行こうか。お互い気持ちよくもないしな」
「分かりました。わたしは面識がありますし、交渉も多少は可能かと。いえ、必ず許可を貰います」
「悪いな。力を貸してくれ、フルク」
「もちろんです。アウルムさんの為ですもん」
嬉しいなあ。前々から思ったけど、フルクは優しくて理解があって、前の仲間よりも断然に性格とかも良かった。
もっと早く出会えていればな。いや、これからフルクを知っていけばいいか。今が最高なんだから。
「よし、どうやって行く?」
「この遺跡からは徒歩で半日掛かりますね。パルウァエ村へ戻って馬を借りましょう」
そりゃ名案だと頷き、同意した。
◆
俺がかつて小屋を借りていた村・パルウァエへ向かった。思えば、随分とお世話になった村だ。
「――到着だな」
「相変わらずのんびりした良い街ですね」
「そうだろう。気に入ってはいたんだが……小屋はあくまで借りていたもので、あの時はおかげで金も尽きちまったからな。でも今は1億の所持金あるし……ああ、そうだ。小屋を貸してくれた医者に礼を言いに行こう。馬車も貸してくれるはずだ」
「お医者様ですか?」
そう、俺の骨折を見てくれた闇医者だ。
少し歩いて小さな屋敷へ。
「ここだよ」
「わぁ、ちょっとオシャレですね」
明らかに少しばかり浮いていた。
医者の趣味らしい。扉を叩いて反応があったので、俺は中へ向かった。
「メディケさーん。お久しぶりです」
「ん~? おぉ、その疲れた顔はアウルムか!!」
「疲れた顔は余計です。それより、お礼に参りました。あの時はありがとうございました。俺の骨折を診てくれて。これはほんのお礼です」
ドサッと100万セルの袋を机に置く。
「な、なんだか凄い音がしたが……いくらだね」
「100万です。小屋も貸して貰いましたし、俺はおかげで命拾いした。だから当然のお礼ですよ」
「ひゃ、ひゃくまん!? 凄いね、どうやって……?」
「今は秘密です。バレると色々と目をつけられそうなので」
「怪しい収入源じゃあるまいね? 一応貰っておくけど……まあいい、ありがとう。ところで、そこの銀髪のお嬢さんは?」
フルクが前へ出て一礼する。
「わたしは、ユースティティア教会から参りましたフルクトゥアトです。お世話になります」
「へぇ~…、ユースティティア教会……ユースティティア教会!? って、フルクトゥアト様といえば、そりゃあ……聖女様じゃないか。おい、アウルム! お前どうやって聖女様と出会ったんだ」
驚かれて、俺も驚いた。
医者が驚くほどの女の子なのか。
「えっと、話せば長いんです。後で手紙を送りますから……今はとにかく、グラティア辺境伯に会いに行きたいんです。馬を貸してくれませんか?」
「そ、そりゃあ構わないよ、100万セルも貰っちゃったし。好きに使ってくれ。だが、後できちんと教えてくれよ、アウルム」
「ええ、もちろんです」
俺は約束し、馬を借りる事にした。
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