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第10話 第二勇者ギルド壊滅
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「とりあえず、こっちもお金に限界がある。アウルムくん、ひとまずは『1億セル』は渡そう。残りはオークションでどうかね? ただ、手数料は戴くけどね」
「分かりました。残りのアイテム売却もお願いします」
「ああ、任せなさい。私が責任を持って全て売却する。全部売り終わるのに1~3週間は掛かるだろう。待って欲しい」
おっちゃんに全てを任せ、俺は『1億セル』をゲット。お店を後にした。
「……」
改めてフルクと視線を合わせ、見つめ合う。次第に口元がニンマリとなって――
「「やったー! やったー!!」」
改めて喜び合った。
「フルク、ありがとう」
「いえいえ。わたしの力だけではありませんし、アウルムさんが頑張ったからです」
「そ、そんな事ないさ。なんか照れるな」
「頑張った人にはご褒美です」
と、フルクは抱きついてくれた。
「…………おぉ」
「えへへ……」
なんてやってると周りからジロジロ見られた。……いかん、目立つな。ただでさえ、フルクは美少女で目立つんだ。
立ち去ろうとすると――
「アウルム、見つけたぞ!!」
「げぇ!! セクンドス、ルードス、オリエンス、インゲルス! 見事に四人揃ってるな……」
奥の通路からこちらに猛ダッシュで向かって来る四人組の姿があった。まずい……。
「ダンジョンを返せ、このドロボー!!」
「そうだ、このクズ第一勇者!!」
第二勇者のセクンドスとルードスが激しく罵声を浴びせてくる。周りが何事かと向こうとこっちを振り向く。やべ……。
「フルク、アベオの葉を使い、戻るぞ」
「はいっ」
俺とフルクはテレポートした。
◇◆◇◆◇
「――――クソッ!!! 逃げられた!! クソが! クソが!! この私が魔王を倒し、世界を救ったのだぞ!!」
アウルムに逃げられたセクンドスは、やり場のない怒りに震えた。
「おい、セクンドス。このままじゃEXダンジョンが奪われたままだぞ!! どうしてこんな事になった!!」
「私に怒鳴るなルードス! もとはと言えば、お前たちが無能なせいだろう! 結局、魔王を倒したのも私の手柄だった……」
「んだとぉ!?!?」
この日、第二勇者セクンドスとルードスは、殺し合いを始め――ルードスは片腕を失くし、二度と冒険できなくなった。
オリエンス、インゲルスは、ギルドのギクシャクした空気に呆れて脱退。第二勇者のギルドは崩壊した……。
「クソがァ!!! どいつもこいつも……私が勇者なんだぞ!!」
この状況を見ていた帝国住民は、第二勇者の異常性に気づき――彼を勇者として認める者は減少していく一方となってしまった。
「分かりました。残りのアイテム売却もお願いします」
「ああ、任せなさい。私が責任を持って全て売却する。全部売り終わるのに1~3週間は掛かるだろう。待って欲しい」
おっちゃんに全てを任せ、俺は『1億セル』をゲット。お店を後にした。
「……」
改めてフルクと視線を合わせ、見つめ合う。次第に口元がニンマリとなって――
「「やったー! やったー!!」」
改めて喜び合った。
「フルク、ありがとう」
「いえいえ。わたしの力だけではありませんし、アウルムさんが頑張ったからです」
「そ、そんな事ないさ。なんか照れるな」
「頑張った人にはご褒美です」
と、フルクは抱きついてくれた。
「…………おぉ」
「えへへ……」
なんてやってると周りからジロジロ見られた。……いかん、目立つな。ただでさえ、フルクは美少女で目立つんだ。
立ち去ろうとすると――
「アウルム、見つけたぞ!!」
「げぇ!! セクンドス、ルードス、オリエンス、インゲルス! 見事に四人揃ってるな……」
奥の通路からこちらに猛ダッシュで向かって来る四人組の姿があった。まずい……。
「ダンジョンを返せ、このドロボー!!」
「そうだ、このクズ第一勇者!!」
第二勇者のセクンドスとルードスが激しく罵声を浴びせてくる。周りが何事かと向こうとこっちを振り向く。やべ……。
「フルク、アベオの葉を使い、戻るぞ」
「はいっ」
俺とフルクはテレポートした。
◇◆◇◆◇
「――――クソッ!!! 逃げられた!! クソが! クソが!! この私が魔王を倒し、世界を救ったのだぞ!!」
アウルムに逃げられたセクンドスは、やり場のない怒りに震えた。
「おい、セクンドス。このままじゃEXダンジョンが奪われたままだぞ!! どうしてこんな事になった!!」
「私に怒鳴るなルードス! もとはと言えば、お前たちが無能なせいだろう! 結局、魔王を倒したのも私の手柄だった……」
「んだとぉ!?!?」
この日、第二勇者セクンドスとルードスは、殺し合いを始め――ルードスは片腕を失くし、二度と冒険できなくなった。
オリエンス、インゲルスは、ギルドのギクシャクした空気に呆れて脱退。第二勇者のギルドは崩壊した……。
「クソがァ!!! どいつもこいつも……私が勇者なんだぞ!!」
この状況を見ていた帝国住民は、第二勇者の異常性に気づき――彼を勇者として認める者は減少していく一方となってしまった。
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