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無限ループのアルトオーボエ湖
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広大な湖を進む。
船は順調に城塞都市コーラングレを目指していた。
自作したものは帆船、つまりキャラック級でありながらも、なかなか快適な空間が出来上がっていた。
しかし、船が必要だったとは思いもしなかったな。
ルドミラ達はどうやって調達したのだろうか……?
あ、いや、まてよ。
あっちには大賢者であるエドゥがいる。
現地の座標をもっていると言っていたな。だから直接向こうに到着したわけだ。
きっと向こうにルドミラたちはいる。
古代魔導兵器インドラを探し、破壊すると言っていたからな。
「難しい顔をしてどうしたのですか、ラスティさん」
湖を眺めていると、スコルが話しかけてきた。
少し心配そうに俺を見つめていた。
「もうすぐルドミラたちと合流できるのかなって思ってさ」
「あ~、ルドミラさんたちは先に行っているんですよね」
「ああ。別の任務でね」
「きっと大丈夫ですよ。みなさんお強いですし」
「そうだな。そうだった」
彼女たちは古来から活動する勇者パーティだ。
今は聖戦の影響で神器エインヘリャルの不老不死の力は一時的に失っているものの、その力で長い時代を生きてきた。
あの魔王ドヴォルザークとも何度も戦ってきたらしい。
だからきっと大丈夫。
「それにしても、湖がこんなに広いなんて知りませんでした」
「え、スコル。この湖に来たことあるんじゃなかったっけ……?」
「はい。歩いてきたところまでです。こうして船で奥地まで向かうのは初めてですから」
そうか。城塞都市コーラングレまでは行ったことがないわけか。
「なるほどね。となると、いつ到着するか分からないな」
「そうですね……。一日で着ければいいのですが」
そんな海みたいに広い湖だとは思えないけれど、エルフの国だからなぁ。不思議な魔法が掛かっていてもおかしくはないかも。
それから、いつまで経っても到着する気配はなかった。
……あれから一時間以上は経過したはず。
なのに、城塞都市コーラングレどころか建物ひとつ見えなかった。
この辺りはジャングルが続くのか。
俺は船を操っているストレルカのところへ向かった。
「なあ……ストレルカ」
「ええ、分かっています。まだ到着する気配はありません」
「だよな。距離とか分からないよな」
「分かりますよ」
「だよなぁ――って、え!? 分かるの!?」
「はい。先ほどオケアノスを先行させましたから」
「その手があったか!」
水の大精霊・オケアノスなら、距離を割り出せるわけだ。さすがだ。
少し待つと反応があった。
「たった今分かりました」
「どうだった? まだ掛かりそうか?」
「そ、それが……」
「どうした?」
「変なんです」
「変……?」
ストレルカは明らかに動揺していた。
もしかして城塞都市コーラングレを見つけ出せなかったのか。そんなはずはない。オケアノスの力は俺は何度も見てきている。
――けれど。
「城塞都市コーラングレに辿り着けないんです」
「え!?」
「この先はずっと湖で……どうなっているんでしょう」
この先がずっと続いている?
……なんだそれは。
それじゃ、永遠に着かないみたいな――いや、まさか!
「これはトラップだ」
「え、ラスティ様。もしや、我々は気づかないうちにトラップを踏んでいたと?」
「そうだ。迷いの森のような魔法が掛かっているのかもしれない。一度、入ったら出れない、そんな感じ」
「では、一生たどり着けないではないですか!」
「ああ。ハヴァマール! なにか分からないか?」
我が妹ならこういうことに詳しいはずだ。
「分析してみないとなんとやらだ。少し待ってくれ」
「分かった。頼むぞ、ハヴァマール」
「うむ!」
ここはハヴァマールに任せよう。
もし、魔法によって阻まれているとしたら、脱出する方法を考えねばならないな。
船は順調に城塞都市コーラングレを目指していた。
自作したものは帆船、つまりキャラック級でありながらも、なかなか快適な空間が出来上がっていた。
しかし、船が必要だったとは思いもしなかったな。
ルドミラ達はどうやって調達したのだろうか……?
あ、いや、まてよ。
あっちには大賢者であるエドゥがいる。
現地の座標をもっていると言っていたな。だから直接向こうに到着したわけだ。
きっと向こうにルドミラたちはいる。
古代魔導兵器インドラを探し、破壊すると言っていたからな。
「難しい顔をしてどうしたのですか、ラスティさん」
湖を眺めていると、スコルが話しかけてきた。
少し心配そうに俺を見つめていた。
「もうすぐルドミラたちと合流できるのかなって思ってさ」
「あ~、ルドミラさんたちは先に行っているんですよね」
「ああ。別の任務でね」
「きっと大丈夫ですよ。みなさんお強いですし」
「そうだな。そうだった」
彼女たちは古来から活動する勇者パーティだ。
今は聖戦の影響で神器エインヘリャルの不老不死の力は一時的に失っているものの、その力で長い時代を生きてきた。
あの魔王ドヴォルザークとも何度も戦ってきたらしい。
だからきっと大丈夫。
「それにしても、湖がこんなに広いなんて知りませんでした」
「え、スコル。この湖に来たことあるんじゃなかったっけ……?」
「はい。歩いてきたところまでです。こうして船で奥地まで向かうのは初めてですから」
そうか。城塞都市コーラングレまでは行ったことがないわけか。
「なるほどね。となると、いつ到着するか分からないな」
「そうですね……。一日で着ければいいのですが」
そんな海みたいに広い湖だとは思えないけれど、エルフの国だからなぁ。不思議な魔法が掛かっていてもおかしくはないかも。
それから、いつまで経っても到着する気配はなかった。
……あれから一時間以上は経過したはず。
なのに、城塞都市コーラングレどころか建物ひとつ見えなかった。
この辺りはジャングルが続くのか。
俺は船を操っているストレルカのところへ向かった。
「なあ……ストレルカ」
「ええ、分かっています。まだ到着する気配はありません」
「だよな。距離とか分からないよな」
「分かりますよ」
「だよなぁ――って、え!? 分かるの!?」
「はい。先ほどオケアノスを先行させましたから」
「その手があったか!」
水の大精霊・オケアノスなら、距離を割り出せるわけだ。さすがだ。
少し待つと反応があった。
「たった今分かりました」
「どうだった? まだ掛かりそうか?」
「そ、それが……」
「どうした?」
「変なんです」
「変……?」
ストレルカは明らかに動揺していた。
もしかして城塞都市コーラングレを見つけ出せなかったのか。そんなはずはない。オケアノスの力は俺は何度も見てきている。
――けれど。
「城塞都市コーラングレに辿り着けないんです」
「え!?」
「この先はずっと湖で……どうなっているんでしょう」
この先がずっと続いている?
……なんだそれは。
それじゃ、永遠に着かないみたいな――いや、まさか!
「これはトラップだ」
「え、ラスティ様。もしや、我々は気づかないうちにトラップを踏んでいたと?」
「そうだ。迷いの森のような魔法が掛かっているのかもしれない。一度、入ったら出れない、そんな感じ」
「では、一生たどり着けないではないですか!」
「ああ。ハヴァマール! なにか分からないか?」
我が妹ならこういうことに詳しいはずだ。
「分析してみないとなんとやらだ。少し待ってくれ」
「分かった。頼むぞ、ハヴァマール」
「うむ!」
ここはハヴァマールに任せよう。
もし、魔法によって阻まれているとしたら、脱出する方法を考えねばならないな。
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