304 / 434
大賢者スキル『ソウルテレキネシス』
しおりを挟む
てっきり刀の方を抜くかと思ったが、いきなり本命っぽいな。いや、こっちがサブ武器なのか……?
身長ほどある剣を俺に向けるグランツ。
明確な敵意を感じ、俺は戦うしかないと悟った。
「分かった。けど、ここは人が多い。少し離れよう」
「いいだろう。お前の指定する場所で戦ってやる」
街から離れ、浜辺へ向かった。
ここなら誰かを巻き込む心配もない。気兼ねなく戦える。
「エドゥ、いざとなったら街を守ってくれ」
「分かりました」
隅にエドゥを待機させ、俺はさっそく万能つるはし・ゲイルチュールを召喚した。
握りしめて構えた。
「……それがラスティ、お前の武器か」
「そうだ。俺は召喚武器を扱う」
「なるほど、元第三皇子がここまで成長していたとは。だが、私の実力には到底及ばない。このバスタードソードをただの剣と思わないことだ」
グランツは構え、剣に魔力を込め始めた。
……なんだ、異様な雰囲気だ。
これは今までにない力を感じる。
「ラスティ様! 彼は特殊なスキルを使います! ご注意を!」
珍しくエドゥが声を荒げた。
特殊なスキルだと?
確かに、なんだか今までとは違う。
ならば先制攻撃あるのみか――!
「なら先にいかせてもらう! 飛べ、サンダーブレイク!!」
風属性をまとわせ、俺はゲイルチュールから魔法を放った。
バリバリと稲妻がグランツ目掛けて飛んでいく。
まずは様子見だが、果たして……。
「ほう、洗礼された美しい雷だ。だが、それだけだ……。私の“重力”が圧倒する」
バスタードソードを上から下へ叩きつけるようにするグランツ。剣から紫色の波動が広がり、俺のサンダーブレイクを地面に押し付けた。
な、なんだ……!?
見えない“何か”が俺の魔法スキルを圧殺しようとしている。
確か、グランツは“重力”と言っていた。そんな、まさか!
やがて、サンダーブレイクは押しつぶされて消滅した。
「嘘だろ……!」
「これが私の属性にして特性。グラビティだ」
「グラビティだと」
「聞きなれないだろうな。当然だ。このスキルは我が家系に代々伝わる秘術なのだ。ずっと表に出ることはなかった」
聖戦となった今、隠す必要もなくなった――というわけか。
「けど、潰されなきゃいいだけだろ!」
「今度はこちらからいく」
再びバスタードソードを向けてくるグランツは、地面を軽く蹴ると突進するかのように突っ込んできた。
コイツ、身軽すぎるだろ。
まさか重力の影響か。
俺はゲイルチュールをヴェラチュールに変えて応戦。
槍となった武器でガードするが――。
『ゴォオオオオオオオオオオオ……!!!』
物凄い“重さ”に俺は押しつぶされそうになった。
「なッ」
「驚いたか、ラスティ。私のグラビティを乗せればこれほどの重力を生み出せるのだ。お前はもう潰されるしかない!」
このままでは圧殺される。
弾き返すしかない!
けど、重力を相手にしたことはない。こんなモンどうやって押し返せばいいんだ……!
焦っているとエドゥのテレパシーが脳内に入ってきた。
(ラスティ様、私の力をお使いください)
(エドゥ! ソウル系スキルを俺も使えるのか!?)
(ええ、私と繋がっていますから)
そりゃ助かった!
なにかしらの方法でエドゥは、俺と繋がっているらしい。詳しくは後だ!
となれば、これしかない。
「ソウルテレキネシス!!」
俺は、エドゥの十八番とも言えるスキルを発動した。これは相手を突き飛ばしたり、押さえつけたりなど行動止めることができる。なんなら闇属性攻撃も可能という万能スキル。
「!? ぐああああああああああああッ!」
おかげでグランツのグラビティを押し返すことができた。さすがのグランツもこれには想定外だったようで、かなり弾かれて飛んでいった。
浜辺をゴロゴロと転がっていく。
こうなったら隙を与えず攻撃を続けていく!
身長ほどある剣を俺に向けるグランツ。
明確な敵意を感じ、俺は戦うしかないと悟った。
「分かった。けど、ここは人が多い。少し離れよう」
「いいだろう。お前の指定する場所で戦ってやる」
街から離れ、浜辺へ向かった。
ここなら誰かを巻き込む心配もない。気兼ねなく戦える。
「エドゥ、いざとなったら街を守ってくれ」
「分かりました」
隅にエドゥを待機させ、俺はさっそく万能つるはし・ゲイルチュールを召喚した。
握りしめて構えた。
「……それがラスティ、お前の武器か」
「そうだ。俺は召喚武器を扱う」
「なるほど、元第三皇子がここまで成長していたとは。だが、私の実力には到底及ばない。このバスタードソードをただの剣と思わないことだ」
グランツは構え、剣に魔力を込め始めた。
……なんだ、異様な雰囲気だ。
これは今までにない力を感じる。
「ラスティ様! 彼は特殊なスキルを使います! ご注意を!」
珍しくエドゥが声を荒げた。
特殊なスキルだと?
確かに、なんだか今までとは違う。
ならば先制攻撃あるのみか――!
「なら先にいかせてもらう! 飛べ、サンダーブレイク!!」
風属性をまとわせ、俺はゲイルチュールから魔法を放った。
バリバリと稲妻がグランツ目掛けて飛んでいく。
まずは様子見だが、果たして……。
「ほう、洗礼された美しい雷だ。だが、それだけだ……。私の“重力”が圧倒する」
バスタードソードを上から下へ叩きつけるようにするグランツ。剣から紫色の波動が広がり、俺のサンダーブレイクを地面に押し付けた。
な、なんだ……!?
見えない“何か”が俺の魔法スキルを圧殺しようとしている。
確か、グランツは“重力”と言っていた。そんな、まさか!
やがて、サンダーブレイクは押しつぶされて消滅した。
「嘘だろ……!」
「これが私の属性にして特性。グラビティだ」
「グラビティだと」
「聞きなれないだろうな。当然だ。このスキルは我が家系に代々伝わる秘術なのだ。ずっと表に出ることはなかった」
聖戦となった今、隠す必要もなくなった――というわけか。
「けど、潰されなきゃいいだけだろ!」
「今度はこちらからいく」
再びバスタードソードを向けてくるグランツは、地面を軽く蹴ると突進するかのように突っ込んできた。
コイツ、身軽すぎるだろ。
まさか重力の影響か。
俺はゲイルチュールをヴェラチュールに変えて応戦。
槍となった武器でガードするが――。
『ゴォオオオオオオオオオオオ……!!!』
物凄い“重さ”に俺は押しつぶされそうになった。
「なッ」
「驚いたか、ラスティ。私のグラビティを乗せればこれほどの重力を生み出せるのだ。お前はもう潰されるしかない!」
このままでは圧殺される。
弾き返すしかない!
けど、重力を相手にしたことはない。こんなモンどうやって押し返せばいいんだ……!
焦っているとエドゥのテレパシーが脳内に入ってきた。
(ラスティ様、私の力をお使いください)
(エドゥ! ソウル系スキルを俺も使えるのか!?)
(ええ、私と繋がっていますから)
そりゃ助かった!
なにかしらの方法でエドゥは、俺と繋がっているらしい。詳しくは後だ!
となれば、これしかない。
「ソウルテレキネシス!!」
俺は、エドゥの十八番とも言えるスキルを発動した。これは相手を突き飛ばしたり、押さえつけたりなど行動止めることができる。なんなら闇属性攻撃も可能という万能スキル。
「!? ぐああああああああああああッ!」
おかげでグランツのグラビティを押し返すことができた。さすがのグランツもこれには想定外だったようで、かなり弾かれて飛んでいった。
浜辺をゴロゴロと転がっていく。
こうなったら隙を与えず攻撃を続けていく!
0
お気に入りに追加
493
あなたにおすすめの小説
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
元勇者は魔力無限の闇属性使い ~世界の中心に理想郷を作り上げて無双します~
桜井正宗
ファンタジー
魔王を倒した(和解)した元勇者・ユメは、平和になった異世界を満喫していた。しかしある日、風の帝王に呼び出されるといきなり『追放』を言い渡された。絶望したユメは、魔法使い、聖女、超初心者の仲間と共に、理想郷を作ることを決意。
帝国に負けない【防衛値】を極めることにした。
信頼できる仲間と共に守備を固めていれば、どんなモンスターに襲われてもビクともしないほどに国は盤石となった。
そうしてある日、今度は魔神が復活。各地で暴れまわり、その魔の手は帝国にも襲い掛かった。すると、帝王から帝国防衛に戻れと言われた。だが、もう遅い。
すでに理想郷を築き上げたユメは、自分の国を守ることだけに全力を尽くしていく。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※毎週、月、水、金曜日更新
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる