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発展を続ける島国ラルゴ
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島国ラルゴは今日も平和だ。
グラズノフ共和国から帰還して三日後。俺はスコルと共に冒険者ギルドへ足を運んだ。苦労して手に入れた『古代の魔法石』を手渡す為だ。
これで冒険者ギルドは、もっと快適になる。
以前よりも活気の増した冒険者ギルドへ踏み入れる。へえ、スコルと同じ種族のエルフや以前はあまり見なかったドワーフなど新しい冒険者も増えているのか。
受付へ向かい、俺は業務に勤しんでいるトレニアさんに声を掛けた。
「久しぶり、トレニアさん」
「まあ、ラスティ様! スコル様もお久しぶりです。帰られていたのですね!」
爽やかな笑みを浮かべるトニレアさん。大人な雰囲気が俺の心臓を高鳴らせた。
「ちょっと前にね。そうそう、これを渡しに来た」
俺は『古代の魔法石』を手渡した。
「こ、これは……まさか」
「そう。前に依頼があった『古代の魔法石』さ」
「……す、凄い。これはまさしく本物! こんなに美しい魔法石だったのですね! これがあれば何度でも転移魔法が使えるので、作業負担も軽減されて助かります!」
感激するトレニアさん。
嬉し泣きをして喜んでいた。
その顔を見れただけで俺は大満足だよ。殺人ギルドと対峙したり、魔王の残党と戦ったりなど苦労した甲斐があったってモンだ。
これで目標は完全に達成された。
「じゃ、あとは頑張って。たまに転移とか利用させてもらうよ」
「本当に本当にありがとうございます、ラスティ様。冒険者ギルドは、これからもっと発展し、皆様のお役に立てられるようになっていきますね!」
何度も感謝され、俺は照れた。
スコルも嬉しそうに笑みを零す。
いや~、良かったぁ。
* * *
冒険者ギルドを後にし、俺は島国ラルゴの街をスコルと共に歩き回った。
一週間以上は空けていただけで大きな変化が見られる。家とかお店が明らかに増えている。それに住人とか観光客も増えたらしい。
こんな賑わっている光景ははじめてかもしれない。
「なんだか露店が増えましたね、ラスティさん」
「そうだな。食べ物を売っている店とか武器や防具を売っている露店もあるな」
発展することは良いことだ。
経済が安定すれば、人々も環境も豊になるし、もっと暮らしやすくなる。贅沢だってし放題だ。まだ理想までは遠いけど、最高の島にしたいな。
俺は街、森、川、湖、山、ダンジョン前など各地を回り、壊れた建物や備品、危険物の除去を無人島開発スキルを活用して処理していった。
このスキルのおかげで、一瞬で修復できるし、脅威は取り除ける。
再び街へ戻り、小腹も空いたので俺は露店で食べ物を購入。最近流行りらしいパンケーキを買ってみた。
「なんですか、それ。美味しそうですね」
「クリーム入りのパンケーキだってさ。スコル、こういうの好きだよな」
「は、はいっ。甘いのは大好物です!」
噴水近くのベンチに腰掛け、俺はパンケーキをスコルにあげた。
「どうぞ」
「ありがとうございますっ」
さっそく食べてみる。
……んまっ!
クリームと、これはハチミツか。美味すぎだろ! 日頃の疲れが吹き飛ぶようだ。
「最高だね、このスイーツ」
「はい、こんな甘くて幸せなの初めて食べましたぁ! ん~、甘い飲み物も欲しくなりますねぇ~」
幸せそうな笑みを浮かべるスコル。俺はその表情を見れるだけで幸せいっぱいだ。
グラズノフ共和国から帰還して三日後。俺はスコルと共に冒険者ギルドへ足を運んだ。苦労して手に入れた『古代の魔法石』を手渡す為だ。
これで冒険者ギルドは、もっと快適になる。
以前よりも活気の増した冒険者ギルドへ踏み入れる。へえ、スコルと同じ種族のエルフや以前はあまり見なかったドワーフなど新しい冒険者も増えているのか。
受付へ向かい、俺は業務に勤しんでいるトレニアさんに声を掛けた。
「久しぶり、トレニアさん」
「まあ、ラスティ様! スコル様もお久しぶりです。帰られていたのですね!」
爽やかな笑みを浮かべるトニレアさん。大人な雰囲気が俺の心臓を高鳴らせた。
「ちょっと前にね。そうそう、これを渡しに来た」
俺は『古代の魔法石』を手渡した。
「こ、これは……まさか」
「そう。前に依頼があった『古代の魔法石』さ」
「……す、凄い。これはまさしく本物! こんなに美しい魔法石だったのですね! これがあれば何度でも転移魔法が使えるので、作業負担も軽減されて助かります!」
感激するトレニアさん。
嬉し泣きをして喜んでいた。
その顔を見れただけで俺は大満足だよ。殺人ギルドと対峙したり、魔王の残党と戦ったりなど苦労した甲斐があったってモンだ。
これで目標は完全に達成された。
「じゃ、あとは頑張って。たまに転移とか利用させてもらうよ」
「本当に本当にありがとうございます、ラスティ様。冒険者ギルドは、これからもっと発展し、皆様のお役に立てられるようになっていきますね!」
何度も感謝され、俺は照れた。
スコルも嬉しそうに笑みを零す。
いや~、良かったぁ。
* * *
冒険者ギルドを後にし、俺は島国ラルゴの街をスコルと共に歩き回った。
一週間以上は空けていただけで大きな変化が見られる。家とかお店が明らかに増えている。それに住人とか観光客も増えたらしい。
こんな賑わっている光景ははじめてかもしれない。
「なんだか露店が増えましたね、ラスティさん」
「そうだな。食べ物を売っている店とか武器や防具を売っている露店もあるな」
発展することは良いことだ。
経済が安定すれば、人々も環境も豊になるし、もっと暮らしやすくなる。贅沢だってし放題だ。まだ理想までは遠いけど、最高の島にしたいな。
俺は街、森、川、湖、山、ダンジョン前など各地を回り、壊れた建物や備品、危険物の除去を無人島開発スキルを活用して処理していった。
このスキルのおかげで、一瞬で修復できるし、脅威は取り除ける。
再び街へ戻り、小腹も空いたので俺は露店で食べ物を購入。最近流行りらしいパンケーキを買ってみた。
「なんですか、それ。美味しそうですね」
「クリーム入りのパンケーキだってさ。スコル、こういうの好きだよな」
「は、はいっ。甘いのは大好物です!」
噴水近くのベンチに腰掛け、俺はパンケーキをスコルにあげた。
「どうぞ」
「ありがとうございますっ」
さっそく食べてみる。
……んまっ!
クリームと、これはハチミツか。美味すぎだろ! 日頃の疲れが吹き飛ぶようだ。
「最高だね、このスイーツ」
「はい、こんな甘くて幸せなの初めて食べましたぁ! ん~、甘い飲み物も欲しくなりますねぇ~」
幸せそうな笑みを浮かべるスコル。俺はその表情を見れるだけで幸せいっぱいだ。
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