無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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グラズノフ共和国

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 船はついに『グラズノフ共和国』へ入った。もうすっかり夜にはなってしまったけど、なんとか到着。

 夜でも共和国は明るく、ネオンに包まれていた。魔導式の街灯か。帝国にも同じようなものが設置されており、夜でも視界良好。あれなら、安心して夜を歩ける。

「ここまでありがとう、ラスティ」
「いや、俺は何もしていないし、船はストレルカのだから彼女に言ってやってくれ」

 俺はそう視線をストレルカに流した。

「そうだったな。ストレルカさん、遠回りをさせてしまって申し訳ない。この礼はいずれしたいと思います」
「お構いなく。ですが、ラスティ様の手助けはしてあげて下さい」

 ナイス、ストレルカ。
 もし共和国と取引できれば、島がどんどん発展していくだろう。食料問題も完全に解決するだろうし、便利な道具も増えるはず。


「分かった。ラスティ、こちらの件が片付いたらまた島へお邪魔しようと思う」
「おう、そうしてくれ」
「それでは、皆さん……お世話になりました」

 最後には頭を下げ、礼を述べてブレアは行ってしまった。ちなみに、ケイトは人魚なので途中で別れ、専用の水路から国へ入ったらしい。

 ブレアと別れ、今日は船で寝泊まりする事になった。ストレルカが部屋に案内してくれた。船内は思った以上に広く、中の方には部屋が四つあった。


「ラスティ様、スコルさん、ハヴァマールさん、お好きな部屋を使って下さい。少し休憩して戴き、その間に食事の準備を進めておきますから」

「いつもすまないな、ストレルカ」
「いえ、わたくしに出来る事といえば、これくらいですから」

「いやいや、ストレルカの召喚スキルには、とてもお世話になっているし、船だって出して貰ってる。感謝してもしきれないよ。ありがとう」

「……はぅっ! い、いいんです。ラスティ様に喜んで貰えるなら、わたくしは幸せですからっ」


 ストレルカは、なんか両手で顔を覆って逃げ出すように去ってしまった。……あれ、俺なんか言ったかな。そして、やっぱりスコルが膨れる。


「ラスティさん……」
「え、あの、スコル。ちょっと顔が怖いよ?」
「そ、それより、部屋へ参りましょう」
「??」


 よく分からないけど、部屋へ向かった。
 中へ入ると完全な個室。

 ちょっと狭いけど、ベッド、机や椅子が綺麗に並べられていた。おぉ、これが船内の部屋かぁ。初めて経験するな。


「ふむふむ、シャワールームもあるのかぁ。便利だ」
「そうですね、ラスティさん」
「って……うわッ! スコル、君は隣の部屋だろ!?」
「はい? わたし、ラスティさんと一緒の部屋ですけど」

 さも当然のようにスコルはそう口にした。俺とスコルが一緒の部屋……? マジ?

「だ、だめだろ。着替えとか見えちゃうし」
「構いません! もう構わないんです!!」

 なんか大事な事なので二回言ったね。ていうか、自棄やけになってないか? さっき、ストレルカと話してから、スコルの様子がおかしい。

「けどなぁ」
「けども何もないんです。ラスティさん、わたしと一緒はお嫌ですか?」
「何言っているんだ。スコルは可愛いし、魅力的だよ。嫌なわけない」
「うんうん。では、問題ありませんね」

「え?」

 ……う~ん。まあいいか。島では散々一緒に生活していたし、今更、プライベートも何もないか。俺とスコルの仲じゃないか。


「ちょっと時間がありますし、ボロディンのお話でもしましょうか」
「おぉ、いいね。到着する前に知識を増やしておきたい。スコル、エルフの国について教えてくれ」

「はいっ、お任せください」


 スコルは機嫌を取り戻してくれた。弾むような声でエルフの国の内情を教えてくれた――。
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