上 下
24 / 434

温泉 Lv.1

しおりを挟む
 地道に攻撃を加え、グリンブルスティを撃破すると『黄金の毛×1』と『イノシシの肉×30』、そして『剣(未鑑定)』アイテムをゲットした。

 ここにきて、初めて装備アイテムを入手した。しかも、未鑑定とな?

「そのアイテムは、鑑定する必要があるのです」
「どうすればいい、アルフレッド」
「ええ、通常は帝国などにあるアイテムショップで鑑定アイテムを購入するか、あるいは鑑定士に依頼します。すると、アイテムが使用できるようになるのです」


 なるほどな。
 だが、そんな便利なお店なんて無人島にない。

「他に方法はないのか?」
「鑑定スキルを使用できるのは『鑑定士』かハイレベルの『商人』だけですな」


 ありゃ……未鑑定アイテムは、しばらくは使えそうにないな。でも、食糧がたくさん手に入ったし、結果オーライ。これだけあれば、しばらくは食っていける。それに、この無人島には、あんなデケェモンスターがいるって事が分かった。

 しかも、あの洞窟は奥があるようだったし、もしかしたらダンジョンがあるのかもしれない。そう考えていると、スコルが俺とアルフレッドにヒールをくれた。

「一応、傷を癒しておきますねっ」

 おかげで体力も疲労も回復。
 これでまた動けるな。


 ◆


 帰る前に『洞窟』で石を採掘しまくり、手持ちが200個近くになった。もう重量もきつい。石はとにかく重いからなぁ、なんとか重量も増やせるといいんだが。

 帰り道で更に『木材』と『土』を入手。スコルやアルフレッドもラズベリーの収集や材料の入手に協力してくれた。

 こうして三人で力を合わせれば、あっと言う間だったな。


 [無人島][Lv.4]
 [開発状況]
  沼 Lv.1
  小屋 Lv.1
  湖 Lv.1
  キャンプファイヤー Lv.1

 [所持アイテム]
  木材×163
  石×221
  土×77
  剣(未鑑定)×1
  黄金の毛×1

 [武器]
  ゲイルチュール

 [食料]
  サザエ×3
  イノシシの肉×40
  ラズベリー×40


 所有アイテムもかなり増え、充実し始めていた。しかも拠点には『小屋』もあれば『湖』もある。キャンプファイヤーもあるから、もう割と普通に住めるな。


「ただいま~っと」
「やっと小屋に着きましたね♪」


 ご機嫌なスコルは、日が暮れる前に海へ水浴びに行くという。そっちだと汚れも落ちないだろうと、俺は知恵を絞った。

 ――ああ、そうだ島開発の『温泉』くらいなら、そんな材料を消費しない。俺は、土を20個消費。少し歩いた森の影に温泉を設置した。なんとお湯も張っていた。手を入れて確認すると、丁度良い温度だった。


「スコル、もう海へ行く必要はないぞ」
「へ……うわ! 温泉じゃないですか!! こんな湯気が立って……温泉♪ 温泉♪」

 え……スコルさん。なんかエルフの民族衣装を脱ぎ始めて――って、は、裸に!! こっちに気づいていない!? ま、まさかぁぁぁ……!

「ちょ、スコル!」

 だめだ、俺の声に反応しない。
 そして、スコルはついに……!


「温泉だああああああああああああ…………!!!」


 ぴょ~~~んと飛び跳ね、俺の作った温泉に落ちた。ドボンとお湯飛沫が上がる。……なってこった、こんな喜んで貰えるとは思わなかったぞ。


「お、おい」
「あははははは~~~! 気持ちい!! 温泉、最高ッ!!」


 まるで子供のようにはしゃぐスコル。こんなに温泉好きだったとはな。まあ、確かにずっと海水浴だったもんなあ。

 突っ立ってスコルを見守っていると、急に静かになった。


「ん、どうしたスコル」
「…………あ、あの。わたし……なんで裸に」

「気づいてなかったのかよ! 自分で脱いで自分で飛び込んだクセに」
「…………はぅ」


 顔を真っ赤にし、温泉に沈んでいくスコル。大丈夫、湯気のおかげで肝心なところは見えていなかった。

「じゃあ、俺は食事の準備でもするよ。ごゆっくり」
「……は、はい」
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります

桜井正宗
ファンタジー
 無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。  突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。  銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。  聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。  大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※毎週、月、水、金曜日更新 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。 ※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~

平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。 三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。 そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。 アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。 襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。 果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。

処理中です...