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落とし穴スキル
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空のように大きな口が開く。
鋭利な歯がどこまでも続いて俺はビビった。この世界には、こんなバケモノが存在するのか。コイツはあれだ……あのイノシシモンスターの『セーフリームニル』っぽいのだが、あまりに大きすぎる。
ズシン、ズシンとこちらへ向かって来る。興奮しているのか、鼻息は荒い。まずいぞ、突進されたら踏み潰されるだろ、これ。
「……くっ!」
「ラスティさん、あれは『グリンブルスティ』というイノシシのボスモンスターです! 危険がヤバイです! 逃げましょう!」
すでに逃げているスコルがそう叫ぶ。おま……! いやしかし、これは『逃走』という選択肢しかない気もするが、敵はこちらを追いかけてくる。移動速度が鈍いとはいえ、どこまでも追いかけてくる。このまま外に出て拠点へ逃げても踏み潰される。
なら、ここで戦うしかないだろう。
俺は距離を取りながらも、ゲイルチュールで洞窟の壁を破砕。石を大量にゲットしていく。10、30、50、100と増えていく。石は重量もあるので、それほど獲得はできない。こんなものだろう。
もともとの所持数と合わせて『176個』となった。あとは必要な分を手に持ち、投げる。投げて投げて、投げまくった。
「おりゃ、おりゃおりゃああッ!!」
『ヌゥゥゥ……!!』
拳ほどの石が弾丸となって飛んでいく。それがきちんと物理ダメージを与えていた。おぉ、効いてる効いてる。
「わぁ! ラスティさん、さすがですっ」
「まあな! スコル、もう直ぐ出入口だぞ」
「はいっ、このまま出ちゃいますね!」
光が見えてきた。
このまま外へ出る。
走って、走って、走りまくった。ようやく洞窟を脱出すると、ついでにあの凶悪な『グリンブルスティ』も姿を現した。
「で、でかっ!!」
なんてこった……黄金の猪じゃないか。いや、正確に言うと毛が黄金なのだが、ここまで金色だったとはな。それに、牙とか歯が鋭く伸びてやべぇな。あんなので突撃されたり、噛まれたりすれば瞬殺されそうだ。
「こ、こんなモンスターが生息していたんですか……」
地面に尻餅をつき、震えるスコル。まずい、腰を抜かしたか! アルフレッドに合図し、スコルの守護を頼んだ。
俺はすかさず『石投げ』を続行。5個、10個と投げつけ、小ダメージを与えていく。もちろん、これだけでは倒し切れない。ゲイルチュールで倒す。
だが、どうやって?
考えろ、俺。考えまくれ俺。ヤツを倒す方法を! なんでもいい、卑怯な手でもいい。なにか、なにか――ないのか!!
周囲を見渡し、俺はアルフレッドの顔を見て――昔を思い出した。あれは十年前になるだろうか。城の庭で俺は『落とし穴』を作っていた。あの日は、アルフレッドが騎士団の補佐として駆り出され、帰ってきた日。
穴掘りの才能があった俺は、彼を驚かすために『落とし穴』を完成させた。
ちょうど現れたアルフレッド。誰かと一緒に帰ってきたっけな。――ともかく、俺はあの最強の騎士と名高いアルフレッドを落とし穴へ落とす事に成功した。もちろん、親父からは怒られてしまったが。
そうだ、どんな強い騎士でも『落とし穴』には落ちる。あの豚野郎……いや、猪野郎は図体がデケェから余計に有効だ。だが、大きな穴を掘る必要がある。
果たして、俺の『無人島開発スキル』はそこまで応用が利くかどうかだが、細かいことを気にしている余裕はない。
防衛設備の『落とし穴』を作る!
[落とし穴]
[防衛設備]
[効果]
木材を使用し、落とし穴を地面に作る。使用個数によって落とし穴の大きさや深さが変化する。特大サイズの場合に限り、対象の足元に設置可能。
10個使用……落とし穴(小)
30個使用……落とし穴(中)
50個使用……落とし穴(大)
100個使用……落とし穴(特大)
鋭利な歯がどこまでも続いて俺はビビった。この世界には、こんなバケモノが存在するのか。コイツはあれだ……あのイノシシモンスターの『セーフリームニル』っぽいのだが、あまりに大きすぎる。
ズシン、ズシンとこちらへ向かって来る。興奮しているのか、鼻息は荒い。まずいぞ、突進されたら踏み潰されるだろ、これ。
「……くっ!」
「ラスティさん、あれは『グリンブルスティ』というイノシシのボスモンスターです! 危険がヤバイです! 逃げましょう!」
すでに逃げているスコルがそう叫ぶ。おま……! いやしかし、これは『逃走』という選択肢しかない気もするが、敵はこちらを追いかけてくる。移動速度が鈍いとはいえ、どこまでも追いかけてくる。このまま外に出て拠点へ逃げても踏み潰される。
なら、ここで戦うしかないだろう。
俺は距離を取りながらも、ゲイルチュールで洞窟の壁を破砕。石を大量にゲットしていく。10、30、50、100と増えていく。石は重量もあるので、それほど獲得はできない。こんなものだろう。
もともとの所持数と合わせて『176個』となった。あとは必要な分を手に持ち、投げる。投げて投げて、投げまくった。
「おりゃ、おりゃおりゃああッ!!」
『ヌゥゥゥ……!!』
拳ほどの石が弾丸となって飛んでいく。それがきちんと物理ダメージを与えていた。おぉ、効いてる効いてる。
「わぁ! ラスティさん、さすがですっ」
「まあな! スコル、もう直ぐ出入口だぞ」
「はいっ、このまま出ちゃいますね!」
光が見えてきた。
このまま外へ出る。
走って、走って、走りまくった。ようやく洞窟を脱出すると、ついでにあの凶悪な『グリンブルスティ』も姿を現した。
「で、でかっ!!」
なんてこった……黄金の猪じゃないか。いや、正確に言うと毛が黄金なのだが、ここまで金色だったとはな。それに、牙とか歯が鋭く伸びてやべぇな。あんなので突撃されたり、噛まれたりすれば瞬殺されそうだ。
「こ、こんなモンスターが生息していたんですか……」
地面に尻餅をつき、震えるスコル。まずい、腰を抜かしたか! アルフレッドに合図し、スコルの守護を頼んだ。
俺はすかさず『石投げ』を続行。5個、10個と投げつけ、小ダメージを与えていく。もちろん、これだけでは倒し切れない。ゲイルチュールで倒す。
だが、どうやって?
考えろ、俺。考えまくれ俺。ヤツを倒す方法を! なんでもいい、卑怯な手でもいい。なにか、なにか――ないのか!!
周囲を見渡し、俺はアルフレッドの顔を見て――昔を思い出した。あれは十年前になるだろうか。城の庭で俺は『落とし穴』を作っていた。あの日は、アルフレッドが騎士団の補佐として駆り出され、帰ってきた日。
穴掘りの才能があった俺は、彼を驚かすために『落とし穴』を完成させた。
ちょうど現れたアルフレッド。誰かと一緒に帰ってきたっけな。――ともかく、俺はあの最強の騎士と名高いアルフレッドを落とし穴へ落とす事に成功した。もちろん、親父からは怒られてしまったが。
そうだ、どんな強い騎士でも『落とし穴』には落ちる。あの豚野郎……いや、猪野郎は図体がデケェから余計に有効だ。だが、大きな穴を掘る必要がある。
果たして、俺の『無人島開発スキル』はそこまで応用が利くかどうかだが、細かいことを気にしている余裕はない。
防衛設備の『落とし穴』を作る!
[落とし穴]
[防衛設備]
[効果]
木材を使用し、落とし穴を地面に作る。使用個数によって落とし穴の大きさや深さが変化する。特大サイズの場合に限り、対象の足元に設置可能。
10個使用……落とし穴(小)
30個使用……落とし穴(中)
50個使用……落とし穴(大)
100個使用……落とし穴(特大)
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