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第315話 ある兄弟の裏切りと暗躍

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 こちらに向かって来る赤黒いエネルギー。


 コンスタンティヌス120人分の『世界終焉剣・エクスカイザアアアアアアアアアアアア!!!』である。


 まったくもって傍迷惑はためいわくなスキルなのだが……!!


「ふっ……。てめぇが120人分ならこっちは……その更に倍だ……!!」

「なんだと!!!」



「俺は……120000人・・・・・・・でお前をぶっ倒す!!!」



「じゅ、120000人だとぉぉぉぉ!?!?!?」



 そんな事は容易い、スターダストに願えばな!!
 しかもスターダストの願いは無限増殖させちまったから、無限に願いが叶う。



「いくぜええええええ、だりゃああああああああ!!」



 ブォンとコンスタンティヌス同様の分身が俺にも出来る。


 その数……



 1200000人の俺。



 圧倒的な数の分身が出現した。



「クククククク……フハハハハハハハハハ!!!」×12万人俺



「…………バ、バカな……12万人だと……ふざけるなああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」



「そして、これが本当の『世界終焉剣・エクスカイザー』だ!!」


 剣を生成し、コンスタンティヌスに見せつける。


「そ、それこそ……オリジナルの!! それを天帝にお渡し出来れば……寄越せええええええッ!!!」


 ジジイが突っ込んでくる。

 だが、


 俺は容赦ようしゃなく……!




『世界終焉剣・エクスカイザー!!!!!!!!!!』×12万人俺




「…………しま――――グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



 ジジイ120人はき消えた。


 残ったボロボロのジジイがホンモノか。


 神殿の跡地に倒れ、血反吐ちへどをぶちまけるコンスタンティヌス。一応、火力はおさえたからこの程度で済んだ。本気マジなら、それこそ世界丸ごと『終焉』だっただろう。

 だからこそ、俺は威力をおさえたのだ。


「…………がふっ……」
「コンスタンティヌス、天帝の居場所を教えろ」

「…………こ、ころせ……」

「断る。俺はな……天帝をこの拳で殴らな気が済まんのや」
「な……なぜ口調が変わった!? …………まあいい、どうせこの身は滅ぶ。弟には王を押し付け、吾輩わがはいは……なにもしてやれなかった」


「ほう、弟の話を死に際にするのか」
「まあ聞け……瀕死ひんしジジイの話くらい付き合ってくれ」


 そうだな、どうせジジイは動けない。


「ヤツ……コンスタンティンは……神を憎んでいただろう」
「まあな」

「だから、神殺しを目論んでいたのだがな。失敗に終わった……ように見えた」
「なんだと?」
「だが、計画は『裏』で進みつつあったのだよ」
村雨・・はよく働いてくれた……。ヤツはもうこの世におらぬが、我が配下としてその責を全うした」

「村雨だと!? ぽむぽむ――いや、ぼむぼむの弟だったはず……!」


 そう、かつてのギルド『サンフラワー』の……ぽむぽむの弟だ。ヤツは、コンスタンティンの時にも裏切って――。


 そうか……ヤツはあの時は生きていたから、復讐を諦めなかったんだ。それで……今度はコンスタンティンの兄貴の軍門に下って……。


 しかも、もうこの世にいない?


「どういう事だ……村雨は死んだのか?」
「フフフ……この世にはおらんと言った。つまり……」


 まさか……村雨こそが『天帝』なのか?


 その瞬間だった――



 コンスタンティヌスは、いきなり弾けて液状化した。


「…………なっ」



『…………理よ、このコンスタンティヌスは闇へ預ける。彼は貴重だ。そして、もうすぐ二人の大幹部はそちらへ向かうだろう』


「こ、この声は……コンスタンティヌスじゃないな。誰だ!!」


『分かっているのだろう? 我こそが天帝・ツァラトゥストラである。いつでもお前を倒せなくもないが、どうやら【スターダスト】を入手したようだな』


「なんだ、ビビってんのか!!」


『いいや。ちっとも。……その星のカケラの力は、万能ではない。願ってみるがいいさ、この我を消し去れと――だが、それは叶わぬ願い。なぜなら、お前と同じ【理】ことわりだからだな……フフフフフフ、フハハハハハハハハハ…………』


 ――しゅんと天帝の気配が消えた。


 あの声……女なのか?

 随分と若い声だった。



 ……いいさ、願いは使わない・・・・


 俺はお前をグーで殴るって決めたからな。


 決めた事は最後まで貫き通すのが俺だ。



 ……皆の元へ帰ろう。
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