239 / 449
第239話 血と汗と涙の結晶 - 聖女の荒稼ぎの秘密!! -
しおりを挟む
ここまで本当に苦労した。
【闇オークション】なんて物騒すぎるものに参加した挙句、悪趣味貴族との入札バトルが勃発。
激しい応戦を繰り返した。
こちらの資金は圧倒的に不利だったが、仲間の資金提供もあり、俺は無事に勝利を得た。
「これが【建築スキル】の『パープルスター』か」
どうやらスキルは、星の形をした紫色の結晶に閉じ込められているらしい。それをセットすれば使えるようになるんだとか。
「これが【31,420,000セル】かぁ、高いなぁ」
「いいじゃない。それで王国を救えるのなら安い買い物よ~」
ポジティブ思考のネメシアは、手をヒラヒラさせてもっともらしいことを言った。さっきはあんなヤバイ顔をしていたけどな。
そこで、エコが俺の肩に乗ってきた。
「しかし、ヘデラさまが【10,000,000セル】をお出しになられるとは。そんな資金、どこから拠出されたのですか?」
「あー…それな。実は……ネメシアに緊急で協力してもらってな……」
思い出したくもない。
出来れば、あの過去はもうなかったことにしたいくらいだ。協力してくれたネメシアも顔をほんのり赤くしている。くぅ!
「ヘデラ、どうやって落札したの」
起きたのか、トーチカが目をこすりながら疑問を投げかけてきた。そんな絶妙なタイミングで起きなくても。
「僕もすっごく気になります。ヘデラさま、なにをされたのですか?」
「私も気になります!」
王子と猫もずいずいっと顔を寄せてくる。
ああもう、みんな顔が近いな。
「う……。聞きたいのか……?」
みんな、うんうんと頷く。
えー…そんな気になるかぁ。けど、これは説明しなと引いてもらえそうにない。あー、もう、仕方ないな。では、ネタバラシといこうかチキショウめ!
「……ほら、ネメシアって配信しているだろ。【ウルチャ】だよ。あれを最大限に活用したのさ。それだけのこと」
「それだけのこと? あやしい」
ずいっとトーチカも顔を近づけてくる。
うわっ、息が掛かってるって。近い近い。もうちょいでキス寸前だぞ!?
「ヘデラ、みんなにきちんと説明しないと、納得してくれそうにないわよ」
「そうは言うがな、ネメシア……。ああ、もう分かったよ。説明するよ。みんな、実はな……ネメシアの配信を使って、俺は……少し、いやちょっと……ギリギリで胸とか……やらしいポーズを映してもらったんだ」
そしたらどうだ。
【ウルチャ】のジェットストリーム。ネメシアいわく、もはや、荒らしではないかと思えるくらいに、投げ銭一色に染まったようだ。勢いはまったく衰える気配がなく、その結果が【10,000,000セル】だった。
だから――『血と汗と涙の結晶』というわけだった。
あー……。
すげぇ恥ずかしかった……なんで、聖女が大事な体を売らなきゃならんのだか。けどま、おかげで【建築スキル】は落札できたんだけどな。
「はぁ、なるほど。その手がありましたか。その美しい美貌、豊満な胸をお持ちのヘデラさまであれば、男性リスナーを落とすなど、雑魚モンスターを倒すよりも容易いことですね。つまり、脱いだんですね!?」
「脱いでねーよ。胸元をちょっとチラっと出しただけだ!」
そう、下着がギリギリ映るか映らないかで何とか攻めた。あまりに過激だと、配信が『BAN』されちゃうとネメシアがしつこいくらいに五月蠅かったので、俺は問題ない範囲で攻めたわけだ。
「ヘデラ、えっち」
「う、うるさい。次はお前が脱いでくれ、トーチカ」
「いいよ~」
「いいのかよ!?」
じゃ、次はいざとなったらトーチカのえっちなポーズに期待しておこう。下手すりゃ俺を超えられるんじゃないか。猫耳メイドだし。可愛いし。
「…………」
ん。そや、王子がなんか固まっているな。
顔を赤くして。
「おーい、王子?」
だめだ、反応ねーや。
どうやら、俺のなにかを想像していたらしい。それで、こうなっちまったと。おいおい、勝手にイメージして勝手に固まるなって。
まあ、なにはともあれ、これで王国【レメディオス】に帰って倒壊した家屋を直し、復興してやるんだ。
帰ろう。
【闇オークション】なんて物騒すぎるものに参加した挙句、悪趣味貴族との入札バトルが勃発。
激しい応戦を繰り返した。
こちらの資金は圧倒的に不利だったが、仲間の資金提供もあり、俺は無事に勝利を得た。
「これが【建築スキル】の『パープルスター』か」
どうやらスキルは、星の形をした紫色の結晶に閉じ込められているらしい。それをセットすれば使えるようになるんだとか。
「これが【31,420,000セル】かぁ、高いなぁ」
「いいじゃない。それで王国を救えるのなら安い買い物よ~」
ポジティブ思考のネメシアは、手をヒラヒラさせてもっともらしいことを言った。さっきはあんなヤバイ顔をしていたけどな。
そこで、エコが俺の肩に乗ってきた。
「しかし、ヘデラさまが【10,000,000セル】をお出しになられるとは。そんな資金、どこから拠出されたのですか?」
「あー…それな。実は……ネメシアに緊急で協力してもらってな……」
思い出したくもない。
出来れば、あの過去はもうなかったことにしたいくらいだ。協力してくれたネメシアも顔をほんのり赤くしている。くぅ!
「ヘデラ、どうやって落札したの」
起きたのか、トーチカが目をこすりながら疑問を投げかけてきた。そんな絶妙なタイミングで起きなくても。
「僕もすっごく気になります。ヘデラさま、なにをされたのですか?」
「私も気になります!」
王子と猫もずいずいっと顔を寄せてくる。
ああもう、みんな顔が近いな。
「う……。聞きたいのか……?」
みんな、うんうんと頷く。
えー…そんな気になるかぁ。けど、これは説明しなと引いてもらえそうにない。あー、もう、仕方ないな。では、ネタバラシといこうかチキショウめ!
「……ほら、ネメシアって配信しているだろ。【ウルチャ】だよ。あれを最大限に活用したのさ。それだけのこと」
「それだけのこと? あやしい」
ずいっとトーチカも顔を近づけてくる。
うわっ、息が掛かってるって。近い近い。もうちょいでキス寸前だぞ!?
「ヘデラ、みんなにきちんと説明しないと、納得してくれそうにないわよ」
「そうは言うがな、ネメシア……。ああ、もう分かったよ。説明するよ。みんな、実はな……ネメシアの配信を使って、俺は……少し、いやちょっと……ギリギリで胸とか……やらしいポーズを映してもらったんだ」
そしたらどうだ。
【ウルチャ】のジェットストリーム。ネメシアいわく、もはや、荒らしではないかと思えるくらいに、投げ銭一色に染まったようだ。勢いはまったく衰える気配がなく、その結果が【10,000,000セル】だった。
だから――『血と汗と涙の結晶』というわけだった。
あー……。
すげぇ恥ずかしかった……なんで、聖女が大事な体を売らなきゃならんのだか。けどま、おかげで【建築スキル】は落札できたんだけどな。
「はぁ、なるほど。その手がありましたか。その美しい美貌、豊満な胸をお持ちのヘデラさまであれば、男性リスナーを落とすなど、雑魚モンスターを倒すよりも容易いことですね。つまり、脱いだんですね!?」
「脱いでねーよ。胸元をちょっとチラっと出しただけだ!」
そう、下着がギリギリ映るか映らないかで何とか攻めた。あまりに過激だと、配信が『BAN』されちゃうとネメシアがしつこいくらいに五月蠅かったので、俺は問題ない範囲で攻めたわけだ。
「ヘデラ、えっち」
「う、うるさい。次はお前が脱いでくれ、トーチカ」
「いいよ~」
「いいのかよ!?」
じゃ、次はいざとなったらトーチカのえっちなポーズに期待しておこう。下手すりゃ俺を超えられるんじゃないか。猫耳メイドだし。可愛いし。
「…………」
ん。そや、王子がなんか固まっているな。
顔を赤くして。
「おーい、王子?」
だめだ、反応ねーや。
どうやら、俺のなにかを想像していたらしい。それで、こうなっちまったと。おいおい、勝手にイメージして勝手に固まるなって。
まあ、なにはともあれ、これで王国【レメディオス】に帰って倒壊した家屋を直し、復興してやるんだ。
帰ろう。
0
お気に入りに追加
1,261
あなたにおすすめの小説
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ
桜井正宗
ファンタジー
帝国の第三皇子・ラスティは“無能”を宣告されドヴォルザーク帝国を追放される。しかし皇子が消えた途端、帝国がなぜか不思議な力によって破滅の道へ進む。周辺国や全世界を巻き込み次々と崩壊していく。
ラスティは“謎の声”により無人島へ飛ばされ定住。これまた不思議な能力【無人島開発】で無人島のレベルをアップ。世界最強の国に変えていく。その噂が広がると世界の国々から同盟要請や援助が殺到するも、もう遅かった。ラスティは、信頼できる仲間を手に入れていたのだ。彼らと共にスローライフを送るのであった。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる