10 / 67
一話 『山の上の、女子高生』
(7)
しおりを挟む
――
翌朝の朝食も、イイヅカさん達は残さず綺麗に食べてくれた。
7時に朝食を食べて、7時半にはもう仕事に出るらしい。職人さんは連泊のケースが多いのだが、一日だけの仕事らしく、朝食を食べると急いで出発の準備を始めた。
職人さん達の朝は早い。昨日アレだけ飲んで楽しんでいたのに、翌朝にはきっかり起きてきて仕事に向かう。……すごい事だ。
すれ違うだけでは、人々のこういう姿を見るコトは出来ない。こういう人達がいて、道ができて、家ができて、電気が通って、水道が通って……本当に有難い事だと思う。
ナガサワ建設、と書かれた大きな車にイイヅカさん達は慌ただしく荷物をつめている。
私とお母さんはその様子を見つめながら、見送りをしようとその場に立っていた。
髪を茶色に染めた大きなズボンの男の人が、ポツリと言った。
「なんか、寂しいな」
それに呼応するように、他の男性も賛同の声をあげる。
「一日しかいないのに、なんか、実家に帰省したみたいだったっスよ。オレの実家の田舎に似てるし」
「あー、もう一回あのきゃらぶき食べてーなー。冷酒と一緒に」
「ホントだよなー」
……。
なんだか、私まで寂しくなってしまう。
お客さんが此処を実家のように思ってくれると同時に、私達もお客さんのコトを、単に泊まりに来た人だとは思っていない。
この民宿を少しでも楽しんでくれて、休んでくれて、嬉しく思ってくれて……私も、それが本当に嬉しいのだ。
自分が生まれ育ったこの民宿を、こんなにも良く思ってくれるコトが。
お客さん達のその声に、お母さんがにっこりと笑って頭を下げた。
「ありがとうございます。またいつでもいらしてください。お待ちしていますので」
「ええ。こっち方面の仕事もまたあると思いますので、その時は必ずこの民宿を使わせてもらいますよ。お世話になりました」
代表のイイヅカさんは、お母さんに宿泊代の入った封筒を渡す。お母さんは「失礼します」と封筒を開けた。
その間、イイヅカさんはお母さんの横にいた私にも笑顔を見せてくれる。
「柚子ちゃんも。色々有難うね。ウチの若いのが騒がしくして申し訳ない」
イイヅカさんのその言葉に、思わず私は笑ってしまう。
「いえいえ。私なんかでお役に立てれば。……また来てくださいね、イイヅカさん達」
「本当にいい娘さんだなぁ……。俺も息子がいて、中学二年なんだけどさ、どうもこう、年頃で反抗してくるというか……」
イイヅカさんは大きく溜息をついて肩を落とした。
お母さんは金額を確認すると、領収書を渡す。
ナガサワ建設の車は既にエンジンがかかっており、従業員の皆さんも既に車に乗り込んでいた。
最後にイイヅカさんが大きく頭を下げて車に乗り込むと、ゆっくりと車は道の方へと向かって進んでいく。
私とお母さんは去りゆく車に手を振って、それを見送った。
道に出る前、後部座席に乗る職人さん達は窓を開けて顔を出し、こちらに手を振ってくれた。
「またくるからなー!女将さん、柚子ちゃーん!」
「勉強がんばれよー!」
「お世話になりましたー!」
……。
そして、車は道へと進んでいき、排気音が段々と消えていく。
「……良かったね。民宿、気に入ってくれて」
私がそう言うと、お母さんはうん、と満足そうに頷いた。
「さ、もう8時だよ。柚子は早く学校いってきな。ほれお弁当」
「ありがとお母さん。いってくるね。……あ、悠」
家に戻り通学の準備をしようとすると、悠が丁度家から出てきたところだった。
ウチの出発順は大体、次女の夏の中学、三女の悠の小学校、そして私の高校という順番になっている。
歩いて小学校まで行かなくてはいけない悠は、通学班の小学生たちとこれから合流するところだ。お客さんの朝食のために、私はこんな風にギリギリまで手伝うコトが多い。
悠は庭先にいる私と母親に気付き、ランドセルに手をかけながら歩み寄ってきた。
「おはよう、お母さん、柚子ちゃん」
「おはよ、悠。朝ごはんちゃんと食べた?」
「うん。それじゃ、行ってくるね。……あ、柚子ちゃん」
悠はまだ少し寝ぼけているのか、ぽや~っとしている目で私の顔を見上げる。
「ん?どしたの?」
「昨日のコト、思い出せた?」
「……あ」
そういえば、昨日の質問の答え、保留したままだったなぁ。
小さい頃なにになりたかったか。…その答え。
悠のその質問にお母さんがケラケラ笑いながら答えようとする。
「あー、悠。柚子の小さい頃の夢?それね、実はアイド」
「わあああああっ!!! やめてやめて!!!言わなくていいからっ!!!」
私は慌てて母親の口を手で塞ぐ。
「?」という顔で悠は私達2人の顔を向いた。
「……コホン」
私は母親を睨みつけると、悠の方に向き直り咳払いをした。…きっと後ろで母親はニタニタしているだろうけど、気にしないで悠に言う。
「昔のコトだから、忘れちゃった。悠は、作文、書けたの?」
「んーん。金曜日までの宿題だから。……そっか、柚子ちゃん、忘れちゃったんだ」
まだ悠は作文の事については悩んでいるらしい。私のコトを参考にしたかったのだろう。
感情をあまり表に出さないながらも少し残念そうに言う悠の頭に、私は優しく手を置いた。
「でも、今の夢ならちょっとだけあるよ」
「今の夢?なに?」
悠に向けて、私は言う。
「民宿に泊まりに来た、もっとたくさんのお客さんに喜んでもらうコト」
「……」
悠はそう言う私の顔を、微笑んで見上げた。
「よかった。柚子ちゃん、楽しそう」
「ん?どういう意味?」
「なんでもない。それじゃ、行ってきます」
悠の頭に置いた手をどけると、遥は嬉しそうに小さく走って学校に向かった。
その様子を見て、お母さんが言う。
「あの子なりに心配してたんだろうね。昨日の自分の質問で、柚子が困っちゃったかもって」
「あはは……。申し訳なかったなぁ、そりゃ」
「まぁ、いいんじゃない?悠もすっきりしたみたいだし。さ、柚子も元気にいってらっしゃい」
「はいはーい。それじゃ、いってきまーす」
高校三年生。
たまに自分は、セカイで一番将来のコトを考えていない、駄目駄目な高校生なんじゃないか、なんてネガティブなコトを考えてしまう。
このまま大人になっていってもきっと社会は私のコトを認めてくれなくて、誰かに怒られて、拒絶されるんじゃないか、って。
他の同年代の子達と比べると、そうなのかもしれない。
勉強も、進学も、就活も、未だにまとまった答えがない、駄目な女子高生だ。
その渦巻く不安感は、たまに私を押しつぶそうとしてくる。
……でも。
お客さん達がいてくれるから。
私が働いて、私が頑張って……それで、認めてくれる人がいるから。
だからこの場は、民宿ヤマガミは……私にとっても、楽しくて嬉しい場所なんだ。
アイドルなんてやる才能もルックスもないけれど、目の前のお客さんが笑って、この民宿を少しでも楽しんでくれれば……それだけで私も嬉しくなる。
大変なコトは色々あるけど……。もう少しだけは、その「嬉しい」を民宿の娘として頑張りたい。
今日も、お客さんがいる。
今日も、私は民宿で働く。
……このなにもない、田んぼだらけの田舎だけど……。
民宿ヤマガミ、今日も営業しています!
――
翌朝の朝食も、イイヅカさん達は残さず綺麗に食べてくれた。
7時に朝食を食べて、7時半にはもう仕事に出るらしい。職人さんは連泊のケースが多いのだが、一日だけの仕事らしく、朝食を食べると急いで出発の準備を始めた。
職人さん達の朝は早い。昨日アレだけ飲んで楽しんでいたのに、翌朝にはきっかり起きてきて仕事に向かう。……すごい事だ。
すれ違うだけでは、人々のこういう姿を見るコトは出来ない。こういう人達がいて、道ができて、家ができて、電気が通って、水道が通って……本当に有難い事だと思う。
ナガサワ建設、と書かれた大きな車にイイヅカさん達は慌ただしく荷物をつめている。
私とお母さんはその様子を見つめながら、見送りをしようとその場に立っていた。
髪を茶色に染めた大きなズボンの男の人が、ポツリと言った。
「なんか、寂しいな」
それに呼応するように、他の男性も賛同の声をあげる。
「一日しかいないのに、なんか、実家に帰省したみたいだったっスよ。オレの実家の田舎に似てるし」
「あー、もう一回あのきゃらぶき食べてーなー。冷酒と一緒に」
「ホントだよなー」
……。
なんだか、私まで寂しくなってしまう。
お客さんが此処を実家のように思ってくれると同時に、私達もお客さんのコトを、単に泊まりに来た人だとは思っていない。
この民宿を少しでも楽しんでくれて、休んでくれて、嬉しく思ってくれて……私も、それが本当に嬉しいのだ。
自分が生まれ育ったこの民宿を、こんなにも良く思ってくれるコトが。
お客さん達のその声に、お母さんがにっこりと笑って頭を下げた。
「ありがとうございます。またいつでもいらしてください。お待ちしていますので」
「ええ。こっち方面の仕事もまたあると思いますので、その時は必ずこの民宿を使わせてもらいますよ。お世話になりました」
代表のイイヅカさんは、お母さんに宿泊代の入った封筒を渡す。お母さんは「失礼します」と封筒を開けた。
その間、イイヅカさんはお母さんの横にいた私にも笑顔を見せてくれる。
「柚子ちゃんも。色々有難うね。ウチの若いのが騒がしくして申し訳ない」
イイヅカさんのその言葉に、思わず私は笑ってしまう。
「いえいえ。私なんかでお役に立てれば。……また来てくださいね、イイヅカさん達」
「本当にいい娘さんだなぁ……。俺も息子がいて、中学二年なんだけどさ、どうもこう、年頃で反抗してくるというか……」
イイヅカさんは大きく溜息をついて肩を落とした。
お母さんは金額を確認すると、領収書を渡す。
ナガサワ建設の車は既にエンジンがかかっており、従業員の皆さんも既に車に乗り込んでいた。
最後にイイヅカさんが大きく頭を下げて車に乗り込むと、ゆっくりと車は道の方へと向かって進んでいく。
私とお母さんは去りゆく車に手を振って、それを見送った。
道に出る前、後部座席に乗る職人さん達は窓を開けて顔を出し、こちらに手を振ってくれた。
「またくるからなー!女将さん、柚子ちゃーん!」
「勉強がんばれよー!」
「お世話になりましたー!」
……。
そして、車は道へと進んでいき、排気音が段々と消えていく。
「……良かったね。民宿、気に入ってくれて」
私がそう言うと、お母さんはうん、と満足そうに頷いた。
「さ、もう8時だよ。柚子は早く学校いってきな。ほれお弁当」
「ありがとお母さん。いってくるね。……あ、悠」
家に戻り通学の準備をしようとすると、悠が丁度家から出てきたところだった。
ウチの出発順は大体、次女の夏の中学、三女の悠の小学校、そして私の高校という順番になっている。
歩いて小学校まで行かなくてはいけない悠は、通学班の小学生たちとこれから合流するところだ。お客さんの朝食のために、私はこんな風にギリギリまで手伝うコトが多い。
悠は庭先にいる私と母親に気付き、ランドセルに手をかけながら歩み寄ってきた。
「おはよう、お母さん、柚子ちゃん」
「おはよ、悠。朝ごはんちゃんと食べた?」
「うん。それじゃ、行ってくるね。……あ、柚子ちゃん」
悠はまだ少し寝ぼけているのか、ぽや~っとしている目で私の顔を見上げる。
「ん?どしたの?」
「昨日のコト、思い出せた?」
「……あ」
そういえば、昨日の質問の答え、保留したままだったなぁ。
小さい頃なにになりたかったか。…その答え。
悠のその質問にお母さんがケラケラ笑いながら答えようとする。
「あー、悠。柚子の小さい頃の夢?それね、実はアイド」
「わあああああっ!!! やめてやめて!!!言わなくていいからっ!!!」
私は慌てて母親の口を手で塞ぐ。
「?」という顔で悠は私達2人の顔を向いた。
「……コホン」
私は母親を睨みつけると、悠の方に向き直り咳払いをした。…きっと後ろで母親はニタニタしているだろうけど、気にしないで悠に言う。
「昔のコトだから、忘れちゃった。悠は、作文、書けたの?」
「んーん。金曜日までの宿題だから。……そっか、柚子ちゃん、忘れちゃったんだ」
まだ悠は作文の事については悩んでいるらしい。私のコトを参考にしたかったのだろう。
感情をあまり表に出さないながらも少し残念そうに言う悠の頭に、私は優しく手を置いた。
「でも、今の夢ならちょっとだけあるよ」
「今の夢?なに?」
悠に向けて、私は言う。
「民宿に泊まりに来た、もっとたくさんのお客さんに喜んでもらうコト」
「……」
悠はそう言う私の顔を、微笑んで見上げた。
「よかった。柚子ちゃん、楽しそう」
「ん?どういう意味?」
「なんでもない。それじゃ、行ってきます」
悠の頭に置いた手をどけると、遥は嬉しそうに小さく走って学校に向かった。
その様子を見て、お母さんが言う。
「あの子なりに心配してたんだろうね。昨日の自分の質問で、柚子が困っちゃったかもって」
「あはは……。申し訳なかったなぁ、そりゃ」
「まぁ、いいんじゃない?悠もすっきりしたみたいだし。さ、柚子も元気にいってらっしゃい」
「はいはーい。それじゃ、いってきまーす」
高校三年生。
たまに自分は、セカイで一番将来のコトを考えていない、駄目駄目な高校生なんじゃないか、なんてネガティブなコトを考えてしまう。
このまま大人になっていってもきっと社会は私のコトを認めてくれなくて、誰かに怒られて、拒絶されるんじゃないか、って。
他の同年代の子達と比べると、そうなのかもしれない。
勉強も、進学も、就活も、未だにまとまった答えがない、駄目な女子高生だ。
その渦巻く不安感は、たまに私を押しつぶそうとしてくる。
……でも。
お客さん達がいてくれるから。
私が働いて、私が頑張って……それで、認めてくれる人がいるから。
だからこの場は、民宿ヤマガミは……私にとっても、楽しくて嬉しい場所なんだ。
アイドルなんてやる才能もルックスもないけれど、目の前のお客さんが笑って、この民宿を少しでも楽しんでくれれば……それだけで私も嬉しくなる。
大変なコトは色々あるけど……。もう少しだけは、その「嬉しい」を民宿の娘として頑張りたい。
今日も、お客さんがいる。
今日も、私は民宿で働く。
……このなにもない、田んぼだらけの田舎だけど……。
民宿ヤマガミ、今日も営業しています!
――
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
こちら夢守市役所あやかしよろず相談課
木原あざみ
キャラ文芸
異動先はまさかのあやかしよろず相談課!? 変人ばかりの職場で始まるほっこりお役所コメディ
✳︎✳︎
三崎はな。夢守市役所に入庁して三年目。はじめての異動先は「旧館のもじゃおさん」と呼ばれる変人が在籍しているよろず相談課。一度配属されたら最後、二度と異動はないと噂されている夢守市役所の墓場でした。 けれど、このよろず相談課、本当の名称は●●よろず相談課で――。それっていったいどういうこと? みたいな話です。
第7回キャラ文芸大賞奨励賞ありがとうございました。
JOLENEジョリーン・鬼屋は人を許さない 『こわい』です。気を緩めると巻き込まれます。
尾駮アスマ(オブチアスマ おぶちあすま)
キャラ文芸
ホラー・ミステリー+ファンタジー作品です。残酷描写ありです。苦手な方は御注意ください。
完全フィクション作品です。
実在する個人・団体等とは一切関係ありません。
あらすじ
趣味で怪談を集めていた主人公は、ある取材で怪しい物件での出来事を知る。
そして、その建物について探り始める。
ほんの些細な調査のはずが大事件へと繋がってしまう・・・
やがて街を揺るがすほどの事件に主人公は巻き込まれ
特命・国家公務員たちと運命の「祭り」へと進み悪魔たちと対決することになる。
もう逃げ道は無い・・・・
読みやすいように、わざと行間を開けて執筆しています。
もしよければお気に入り登録・イイネ・感想など、よろしくお願いいたします。
大変励みになります。
ありがとうございます。
あやかし古民家暮らし-ゆるっとカップル、田舎で生きなおしてみる-
橘花やよい
キャラ文芸
「怖がられるから、秘密にしないと」
会社員の穂乃花は生まれつき、あやかしと呼ばれるだろう変なものを見る体質だった。そのために他人と距離を置いて暮らしていたのに、恋人である雪斗の母親に秘密を知られ、案の定怖がられてしまう。このままだと結婚できないかもと悩んでいると「気分転換に引っ越ししない?」と雪斗の誘いがかかった。引っ越し先は、恋人の祖父母が住んでいた田舎の山中。そこには賑やかご近所さんがたくさんいるようで、だんだんと田舎暮らしが気に入って――……。
これは、どこかにひっそりとあるかもしれない、ちょっとおかしくて優しい日常のお話。
エブリスタに投稿している「穂乃花さんは、おかしな隣人と戯れる。」の改稿版です。
表紙はてんぱる様のフリー素材を使用させていただきました。
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
エリア51戦線~リカバリー~
島田つき
キャラ文芸
今時のギャル(?)佐藤と、奇妙な特撮オタク鈴木。彼らの日常に迫る異変。本当にあった都市伝説――被害にあう友達――その正体は。
漫画で投稿している「エリア51戦線」の小説版です。
自サイトのものを改稿し、漫画準拠の設定にしてあります。
漫画でまだ投稿していない部分のストーリーが出てくるので、ネタバレ注意です。
また、微妙に漫画版とは流れや台詞が違ったり、心理が掘り下げられていたりするので、これはこれで楽しめる内容となっているかと思います。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる