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旦那様、誤解を広げる発言と行動をどうかお抑えくださいっ
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「付きの侍女を作ったとかでもなく、まさかの、ぞっこん!?」
「誤解です! 違います!」
ハタと我に返り、フェリシアは思わず叫んだ。クッションの存在も忘れ、騎士たちのほうへと走り寄る。
「旦那様が言っているのは犬のこと――ふぎゅっ」
「ここにきてまだ僕に飛びついても来ないのに、僕以外の誰かに甘えるなんてだめじゃないか。お前は僕のものなのだから、駆け寄るのも僕でないと」
クッションごと後ろからロジャーに抱き締められ、フェリシアは声が出なくなった。
男のしっかりとした両腕、背中に感じる胸板に心臓がどっどっと鳴っている。
頭の上に重みを感じて、視線も下がっていた。おかけではっきりと、クッションごと抱き締める男の腕が見えた。
「僕の、もの……!?」
騎士たちの驚愕する声は『なるほど』という納得も伝わってくる。
(もう、これ、だめだわ)
ロジャーの台詞は、事情を知らないと独占したい女性への甘い台詞とも取れるし、抱き締められている状況からしても騎士たちへの誤解はとけそうにない。
ショックだが、それ以上に今の状況がフェリシアを落ち着かなくさせている。
「わ、分かりました。ですからもう離し――」
「いいかい? 分からないことがあれば僕が教える、困ったことがあれば僕を頼るんだよ、いいね?」
話す彼の唇が耳元に近付く。
吐息があたる。彼の香水の匂いに包まれたフェリシアは、もういっぱいいっぱいになってしまって、こくこくと頷く。
騎士たちが『察した』という表情で仕事を再開する。
それを見てロジャーが満足げな顔をしたなんて、フェリシアは知らない。解放された際に頭を撫でられ、視線がしばし落ちていたからだ。
「いい子だね。頼むから、僕の見えるところにいて」
彼の大きな手が、髪型を乱さない優しい手付きでフェリシアの頭を撫でている。
(今のは、愛犬への頭ぽんぽんだったりするのかしら? せっかく再会できたのにと不安になっているのかも……?)
そう想像すると彼の切ない気持ちまで勘ぐってしまい、フェリシアは「分かりました」と答えた。
もとより、ソファから離れる予定はない。
見て回りたい気持ちよりも、自分がこんなとこにいていいのかという緊張がある。
だが、ロジャーはとことん空気を読まないらしい。仕事を片付けると、クッションを抱いたまま待っていたフェリシアの手を取った。
「おいで、庭園を散歩して帰ろう」
「え、え?」
彼はフェリシアが抱えていたクッションを片手でどかし、手を引いて立ち上がらせ、そのままエスコートする。
「えー!」
連れ出されるフェリシアと、室内の騎士たちの声が重なった。
(なんで今になって『ついておいで』をしないのっ)
おかしい。来た時は問題なかったのに、どうして今は人間みたいに導かれているのか。
そばからついてくるイヴァンは何も言わなかったが、歩いていると王宮獣の人間の視線が突き刺さるような気がした。
メイド服もあって、かえって目立っているのをひしひしと感じる。
(メイド服くらい認識してお願いいいぃ!)
組み合わせからしても絶対におかしい。
フェリシアは今になって、ロジャーの視界が情報を正しく認識することを猛烈に願ったし、人々の視線には胃がきりきりと痛んでおかしくなりそうだった。
庭園でもロジャーはフェリシアから手を離さなかった。愛犬が忘れている可能性を考えてなのか、今の時期に植えられている花のことや名前を教えてくれる。
「――エルベラント伯爵が女性を連れていらしているわ」
「――髪を下ろしているし、休憩中に連れ出した、のか?」
「――侍女? どこのお嬢さんなのかな」
「――伯爵家に紹介したという話は聞いていないが、誰か知っているか?」
庭園を歩いていると、遠巻きにいろいろな憶測が交わされている。
(これ、絶対勘違いされているわ)
フェリシアは頭ががんがんと痛んでいた。
主人のと庭園散策を邪魔しては悪いからと、イヴァンが先に馬車乗り場へ準備のためいってしまったのも、タイミングが悪い。
声をけないのは『邪魔しては悪い』『何か事情があっての逢引だとしたら関わらないほうがよさそうだ』――フェリシアとしては、後者の推測が強い。
ロジャーがいちいちかっこいいことをするのもいけないのだと思う。
「この新しい葉は少し君の瞳の色に近いな。とはいえ世界中を探しても、僕を映し出す色以上に心地いい色は見つけられないだろう」
立ち止まった彼が花の下にある葉に触れた。フェリシアはどきりとして、それから心の中で頭を振る。
(いやいやいや、私じゃなくて愛犬のことだから)
いつも『お前』と愛情を込めて呼ぶロジャーが、急に『君』なんて口にしたのも、心臓がはねた理由だと思う。
イヴァンからは、愛犬の瞳の色云々については聞いたことがなかった。
つい不意打ちを食らってしまったが、今後は気を付けよう。そう思ってフェリシアは冷静を努め、答える。
「そうなのですね」
「王宮に頼んで数本持って帰ろうか」
どうせこれも、愛犬に向かって言っているのだろう。
そう思えたフェリシアは、よしよしいい調子だと心の中で言った。
(私が平常心でいれば、噂もあまり強めには立たないはず――)
と、不意に眼前に美しい顔が現われた。
フェリシアは呼吸が止まった。王宮を歩いていた時には見なかった、他者をはねのけるような真顔ではなく心を向けていると分かる眼差しだ。
「困らせたかな? 気に入る花がなかったのなら、花屋へ行こうか。今日の証に、それから君が覚えていてくれるように」
まるで『フェリシア』自身に話しかけてくれているみたいだ。
彼女は頬の熱が増すのを止められなかった。
遠くから、女性たちの羨ましがるような溜息と声が聞こえてくる。けれどロジャーから目を離せない。
「どうしたい?」
「い、いえ、わざわざ花屋なんて」
「それなら僕は王宮中のすべての種類の花を一つずつわけてもらうことになるな。それなら好みを教えてもらえなくても問題ない」
なんて卑怯な尋ね方だろう。
「そんなことできませんっ、いえ、しないでくださいませっ」
フェリシアは思わずロジャーに詰め寄った。
今にも触れそうな距離まできて見上げたフェリシアの懸命さに、ロジャーが目を少し丸くする。
「花屋に行きます! 好みの花の色と形は決まりましたからっ、ええそうです、そうしましょう」
「分かった――」
「そうとなれば早くいきましょうっ」
フェリシアは返事を聞くなり、ロジャーの手を掴んで、庭園の出口の一つである王宮の正面を目指した。
その近くに馬車が用意されていた。
待っていたイヴァンが片眉を上げたが、フェリシアは構わずロジャーを馬車に押し込むことを優先した。彼の背をぐいぐいと押す。
「さっ、旦那様お乗りくださいっ」
「分かった、わかった。楽しみなんだね」
含み笑いで言ってロジャーが乗り込む。
ほっとしたフェリシアに、イヴァンが歩み寄った。
「どういう状況ですか?」
「すみませんイヴァンさん、メイドとしてよくないのは分かっています。ですが旦那様の散財は防ぎましたっ」
「は?」
イヴァンが眉を寄せ、首を傾げる。
「あなたはおかしな行動と発言が常々見受けられますが、今回はいよいよわけが分かりませんね」
「日々の私の努力をそういうふうに見ていたのですか!?」
「いえ、元気が有り余っているのはよいことです」
元気が有り余っているとは、どういうことだろう。実家ではそういうふうに言われたことはない。
(いえ、日々必死だったせいかも)
そのため元気な女性に見える部分もあるのだろう。
そもそも苦労の原因は、味方しない執事も関わっている。フェリシアは溜息を吐く。
「そばにいて止めてくださったのなら少しは安心できるのに……」
「無理です」
「分かっています。ですから私なりに頑張ったのです。瞳の色に始まって、王宮中の花を一本ずつ集めさせるぞと脅されたんですよ」
「瞳の色?」
イヴァンが開いたままの馬車の扉へ目を向ける。
座席に足を組んで座っているロジャーは、楽しげに二人のほうを眺めていた。
「イヴァン、僕の〝ジェスミン〟との触れ合いはもうじゅうぶんか? そろそろ花屋へ向かいたいんだが」
「――ご配慮をありがとうございます。いつもの花屋へ立ち寄るよう御者に伝えてきます」
歩き出しながらもイヴァンは、ぎりぎりまで視線でロジャーの姿を捉えていた。
(ようやくここを去れるわっ)
そこに安心したフェリシアは、しかしながらその花屋が貴族御用達の王都一の大きなホテルの一階部分に入っているなんて知らなかった。
完成した花束を、店の前でロジャーに贈られた時には失神したくなった。
「まぁっ、見て、エルベラント伯爵が女性に花をあげているわ」
「お忍びのデートか?」
「どこの令嬢なのだろうな」
ああ、もう嫌、フェリシアは王都でも噂の起点を作ってしまったことに、心の中で号泣したのだった。
「誤解です! 違います!」
ハタと我に返り、フェリシアは思わず叫んだ。クッションの存在も忘れ、騎士たちのほうへと走り寄る。
「旦那様が言っているのは犬のこと――ふぎゅっ」
「ここにきてまだ僕に飛びついても来ないのに、僕以外の誰かに甘えるなんてだめじゃないか。お前は僕のものなのだから、駆け寄るのも僕でないと」
クッションごと後ろからロジャーに抱き締められ、フェリシアは声が出なくなった。
男のしっかりとした両腕、背中に感じる胸板に心臓がどっどっと鳴っている。
頭の上に重みを感じて、視線も下がっていた。おかけではっきりと、クッションごと抱き締める男の腕が見えた。
「僕の、もの……!?」
騎士たちの驚愕する声は『なるほど』という納得も伝わってくる。
(もう、これ、だめだわ)
ロジャーの台詞は、事情を知らないと独占したい女性への甘い台詞とも取れるし、抱き締められている状況からしても騎士たちへの誤解はとけそうにない。
ショックだが、それ以上に今の状況がフェリシアを落ち着かなくさせている。
「わ、分かりました。ですからもう離し――」
「いいかい? 分からないことがあれば僕が教える、困ったことがあれば僕を頼るんだよ、いいね?」
話す彼の唇が耳元に近付く。
吐息があたる。彼の香水の匂いに包まれたフェリシアは、もういっぱいいっぱいになってしまって、こくこくと頷く。
騎士たちが『察した』という表情で仕事を再開する。
それを見てロジャーが満足げな顔をしたなんて、フェリシアは知らない。解放された際に頭を撫でられ、視線がしばし落ちていたからだ。
「いい子だね。頼むから、僕の見えるところにいて」
彼の大きな手が、髪型を乱さない優しい手付きでフェリシアの頭を撫でている。
(今のは、愛犬への頭ぽんぽんだったりするのかしら? せっかく再会できたのにと不安になっているのかも……?)
そう想像すると彼の切ない気持ちまで勘ぐってしまい、フェリシアは「分かりました」と答えた。
もとより、ソファから離れる予定はない。
見て回りたい気持ちよりも、自分がこんなとこにいていいのかという緊張がある。
だが、ロジャーはとことん空気を読まないらしい。仕事を片付けると、クッションを抱いたまま待っていたフェリシアの手を取った。
「おいで、庭園を散歩して帰ろう」
「え、え?」
彼はフェリシアが抱えていたクッションを片手でどかし、手を引いて立ち上がらせ、そのままエスコートする。
「えー!」
連れ出されるフェリシアと、室内の騎士たちの声が重なった。
(なんで今になって『ついておいで』をしないのっ)
おかしい。来た時は問題なかったのに、どうして今は人間みたいに導かれているのか。
そばからついてくるイヴァンは何も言わなかったが、歩いていると王宮獣の人間の視線が突き刺さるような気がした。
メイド服もあって、かえって目立っているのをひしひしと感じる。
(メイド服くらい認識してお願いいいぃ!)
組み合わせからしても絶対におかしい。
フェリシアは今になって、ロジャーの視界が情報を正しく認識することを猛烈に願ったし、人々の視線には胃がきりきりと痛んでおかしくなりそうだった。
庭園でもロジャーはフェリシアから手を離さなかった。愛犬が忘れている可能性を考えてなのか、今の時期に植えられている花のことや名前を教えてくれる。
「――エルベラント伯爵が女性を連れていらしているわ」
「――髪を下ろしているし、休憩中に連れ出した、のか?」
「――侍女? どこのお嬢さんなのかな」
「――伯爵家に紹介したという話は聞いていないが、誰か知っているか?」
庭園を歩いていると、遠巻きにいろいろな憶測が交わされている。
(これ、絶対勘違いされているわ)
フェリシアは頭ががんがんと痛んでいた。
主人のと庭園散策を邪魔しては悪いからと、イヴァンが先に馬車乗り場へ準備のためいってしまったのも、タイミングが悪い。
声をけないのは『邪魔しては悪い』『何か事情があっての逢引だとしたら関わらないほうがよさそうだ』――フェリシアとしては、後者の推測が強い。
ロジャーがいちいちかっこいいことをするのもいけないのだと思う。
「この新しい葉は少し君の瞳の色に近いな。とはいえ世界中を探しても、僕を映し出す色以上に心地いい色は見つけられないだろう」
立ち止まった彼が花の下にある葉に触れた。フェリシアはどきりとして、それから心の中で頭を振る。
(いやいやいや、私じゃなくて愛犬のことだから)
いつも『お前』と愛情を込めて呼ぶロジャーが、急に『君』なんて口にしたのも、心臓がはねた理由だと思う。
イヴァンからは、愛犬の瞳の色云々については聞いたことがなかった。
つい不意打ちを食らってしまったが、今後は気を付けよう。そう思ってフェリシアは冷静を努め、答える。
「そうなのですね」
「王宮に頼んで数本持って帰ろうか」
どうせこれも、愛犬に向かって言っているのだろう。
そう思えたフェリシアは、よしよしいい調子だと心の中で言った。
(私が平常心でいれば、噂もあまり強めには立たないはず――)
と、不意に眼前に美しい顔が現われた。
フェリシアは呼吸が止まった。王宮を歩いていた時には見なかった、他者をはねのけるような真顔ではなく心を向けていると分かる眼差しだ。
「困らせたかな? 気に入る花がなかったのなら、花屋へ行こうか。今日の証に、それから君が覚えていてくれるように」
まるで『フェリシア』自身に話しかけてくれているみたいだ。
彼女は頬の熱が増すのを止められなかった。
遠くから、女性たちの羨ましがるような溜息と声が聞こえてくる。けれどロジャーから目を離せない。
「どうしたい?」
「い、いえ、わざわざ花屋なんて」
「それなら僕は王宮中のすべての種類の花を一つずつわけてもらうことになるな。それなら好みを教えてもらえなくても問題ない」
なんて卑怯な尋ね方だろう。
「そんなことできませんっ、いえ、しないでくださいませっ」
フェリシアは思わずロジャーに詰め寄った。
今にも触れそうな距離まできて見上げたフェリシアの懸命さに、ロジャーが目を少し丸くする。
「花屋に行きます! 好みの花の色と形は決まりましたからっ、ええそうです、そうしましょう」
「分かった――」
「そうとなれば早くいきましょうっ」
フェリシアは返事を聞くなり、ロジャーの手を掴んで、庭園の出口の一つである王宮の正面を目指した。
その近くに馬車が用意されていた。
待っていたイヴァンが片眉を上げたが、フェリシアは構わずロジャーを馬車に押し込むことを優先した。彼の背をぐいぐいと押す。
「さっ、旦那様お乗りくださいっ」
「分かった、わかった。楽しみなんだね」
含み笑いで言ってロジャーが乗り込む。
ほっとしたフェリシアに、イヴァンが歩み寄った。
「どういう状況ですか?」
「すみませんイヴァンさん、メイドとしてよくないのは分かっています。ですが旦那様の散財は防ぎましたっ」
「は?」
イヴァンが眉を寄せ、首を傾げる。
「あなたはおかしな行動と発言が常々見受けられますが、今回はいよいよわけが分かりませんね」
「日々の私の努力をそういうふうに見ていたのですか!?」
「いえ、元気が有り余っているのはよいことです」
元気が有り余っているとは、どういうことだろう。実家ではそういうふうに言われたことはない。
(いえ、日々必死だったせいかも)
そのため元気な女性に見える部分もあるのだろう。
そもそも苦労の原因は、味方しない執事も関わっている。フェリシアは溜息を吐く。
「そばにいて止めてくださったのなら少しは安心できるのに……」
「無理です」
「分かっています。ですから私なりに頑張ったのです。瞳の色に始まって、王宮中の花を一本ずつ集めさせるぞと脅されたんですよ」
「瞳の色?」
イヴァンが開いたままの馬車の扉へ目を向ける。
座席に足を組んで座っているロジャーは、楽しげに二人のほうを眺めていた。
「イヴァン、僕の〝ジェスミン〟との触れ合いはもうじゅうぶんか? そろそろ花屋へ向かいたいんだが」
「――ご配慮をありがとうございます。いつもの花屋へ立ち寄るよう御者に伝えてきます」
歩き出しながらもイヴァンは、ぎりぎりまで視線でロジャーの姿を捉えていた。
(ようやくここを去れるわっ)
そこに安心したフェリシアは、しかしながらその花屋が貴族御用達の王都一の大きなホテルの一階部分に入っているなんて知らなかった。
完成した花束を、店の前でロジャーに贈られた時には失神したくなった。
「まぁっ、見て、エルベラント伯爵が女性に花をあげているわ」
「お忍びのデートか?」
「どこの令嬢なのだろうな」
ああ、もう嫌、フェリシアは王都でも噂の起点を作ってしまったことに、心の中で号泣したのだった。
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