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五章 見えるようになった親友と、任務の終了

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 走るノエルのスピードがぐんっと速くなって、ラビは咄嗟に息を止めた。その直後、大きく跳躍した彼と共に、一気に外の世界に飛び出していた。

 とても高い位置にある遺跡の天井、風化が窺える亀裂の入った周囲の壁や、柱の様子が目に留まった。ふっと辺りを見回してみると、広々とした空間に蛇の姿は一匹もなく、黄土色をした明るい砂が、薄らと積もっているだけだった。

 下に目を向けると、こちらを見上げているセドリック達の姿があった。剣は既に鞘に収められていて、彼らが「あ」という形に口を開けて、目を丸くする。

 そこには、頭にターバンを巻いた三人兄弟の盗賊団もいて、ベック達が途端に指を向けてきて「デカい狼だッ」と、驚愕の声を上げた。

「あ。ほんとに見えているんだ」

 ラビは、彼らの反応を見て、術具が効果を発揮しているらしいと分かった。ノエルと共に下に向かい、その背から降りて着地する。

 すると、すぐに心配性の幼馴染であるセドリックが駆け寄ってきて「怪我はありませんかッ」と確認してきた。

「止まった大蛇が、崩れ始めたのを見た時は、心臓が止まる想いでしたよ」
「大丈夫だよ。それに腹の中というよりは、別空間の部屋みたいなところだったというか」

 そう答えたら、セドリックがこちらを見下ろしたまま「部屋……?」と首を傾げた。ラビも、よくは分からなかったから説明出来ず「うん、廊下と部屋があった」と口にして、同じように首を捻っていた。

 ユリシスが、愛想のない美麗な顔を向けて「無事で何よりですが」と小さく息を吐いて、ノエルの方へ視線を移した。ヴァン達が彼を取り囲んで、漆黒の毛並みの胸元から覗く立派な首飾りを、しげしげと見つめる。

「なんか、急に上品な犬みたいになってんなぁ」
『俺は犬じゃねぇ、狼だっつてんだろうが煙草野郎』

 予想していたんだと言わんばかりに、ノエルが仏頂面で言い切った。

 セドリックが、改めて状況を確認するべく、部下達の間から進み出て、少し腰を屈めてノエルの胸元の宝石に目を留めた。そばにユルシスが立ち、同じようにしてそこを見つめる。

「ノエル、これが例の『宝』の術具なんですか?」
『そうだ。上手い具合に使えば、こうして実体化して姿を見せられる』

 こんな感じだな、と彼が言った直後に、セドリックが「あ、消えた」と口にした。ユリシスが「ふむ」と秀麗な片眉を引き上げて、ジン達が手品でも見せられたかのように目を丸くして驚きを口にする。

 ラビは、ノエルの姿が見え続けていたので、やはりオンとオフの違いが分からなくて「そこにいるんだけどな」と呟いてしまった。

『術具に宿っている魔力は、無限じゃない。状況に応じて使うつもりだ』

 そう説明しながら、ノエルは再び姿を見せたようだった。話の途中で、テトとジンが目を見開いて「おぉ~」と素直な感想の声をこぼし、サーバルが「実に不思議だなぁ」とのんびり言った。

 様子を見守っていたヴァンが、腰に片方の手をあてて口を開いた。

「まぁ見えるようになるってのは、有り難いよな。声だけだと、どっちにいるのか自信がねぇし。それにしても、チビ獣師がいつもこんな風に『きちんと見えてる』ってのも、不思議だよな」
「露骨に『チビ獣師』って呼んでくんの、やめない? というか、オレ、前にも言ったじゃん。お前らが見えてない方が不思議なんだよ」

 ラビはイラッときて、唇を尖らせた。氷狼の一件以来、彼らが平気でチビだの小さいだの言ってくる事については、腹立たしく思っていたから、ここにノエルの事を知らない三人の盗賊がいる事を忘れて、ヴァンを睨み付けていた。

 腰を伸ばしたセドリックと替わるようにして、ユリシスが片膝をついて、ノエルが身に付けている首飾りを観察した。

「この宝石の質と大きさからすると、本当に『お宝』のようですね。滅多にお目にかかれないような、他の色も含まれていない高純度のアメジストです」
『人間にとっては『お宝』だろうな。ただ、俺の制御から外れると、手に触れただけで意識が飛ぶ代物だぜ』
「それは、こうして今の状態であれば問題ない、と報告をしても構わないという事でしょうか?」
『ああ、この状態なら無害だ。勝手に周りに影響を与えちまう事もない』

 ユリシスは、その返答を聞き届けると「ご協力ありがとうございます」と、淡々とした調子で告げて立ち上がった。次の問題に取りかかりましょう、と後ろを振り返る様子を見て、ラビはセドリック達と共に、彼の視線の先を追った。

 そこには、身を寄せ合って怖々とこちらを見つめているベック達がいた。戸惑い立ちつくしていた彼らは、自分達が注目されている事に気付くと、身体を強張らせて、訝ったノエルと目が合った途端にピキリと硬直する。

 まるでオバケでも見るような反応である。ノエルが『あ?』と喧嘩を売るような声を上げて、それがこう続けた。

『なんだよ、取って食ったりしねぇぞ』
「デカい狼が喋ってる……」

 長男であり、兄弟盗賊団のリーダーであるベッグが、ぎこちなく指を向けてそう言った。弟達が口を揃えて「さっき聞こえていたオバケの声だ」と、兄の後に続く。

 ラビは遅れて、そういえばノエルの声は、はじめから聞かれていたんだったと思い出した。

 騒ぎの中で、考え無しに『見えない動物がいる』と教えてしまったけれど、混乱や不安要素を増やさないためにも、妖獣という喋れる生物が存在している事は説明しない方がいい。相手は、昨日ちょっとボコっただけの盗賊である。

「……どうしよう、ノエル……?」
『心配すんな。いざって時は、バラさないよう心身共に恐怖を叩きこんで、脅す』

 秘密を探られたら、と不安になって大きな瞳を揺らせたラビを見るなり、ノエルは絶対零度の眼差しを盗賊団へと戻した。冷静にそう言いながら、下についていた右前足から凶器のような爪を出して、バキリと地面を砕いていた。

 その一部始終を見ていたジンが「容赦ねぇな、ワンコ」と真剣な様子で言い、テトが同意するように真面目な表情で頷いた。サーバルも、「冷酷君主みたいな事を言わないであげて」と顔色を悪くする。

 数秒ほど、セドリックは真面目な表情で思案していた。考えを終えてふっと緊張を解いた彼を見て、ヴァンが「どうします?」と待っていた対応の指示を尋ねる。

「チビ獣師とワンコの件は、俺らと総隊長の秘密っすよね?」
「確かにそうだが、仕方ない。ここは――」

 そう答え掛けたセドリックは、ユリシスに目配せをされて口を閉じた。任せてください、と視線で伝えられて、ちらりとヴァンと目を合わせる。

 その様子に気付いたラビも、ノエルと共にきょとんとして目を向けた。何か考えがあるらしいユリシスが、一同の視線を受けながらベック達に向かい、銀縁眼鏡を押し上げて口を開いた。

「先程『事情があって透明になっている』とヴァンに――そこにいる彼に教えられたと思いますが。この遺跡にあったのは、実は謎の古代人が残した、呪を解くための首飾りだったのです」

 唐突に、彼が気真面目な表情で、しれっとそんな事を言った。

 それを聞いたラビ達は、揃って「は?」と呆気に取られた声を上げてしまった。まさか、そんな子供騙しみたいな作り話をするイメージもなかったから、一体どんな風に話をまとめてくるつもりなんだ、と、口も挟めずに様子を見守る。

「これから話す事は、一部他言無用でお願いします。ここにいる『彼』は、この年齢にして害獣専門として活躍し、国家獣師への推薦も受けているほどの技術と知識を兼ね備え、幼い頃に拾った狼に『人の言葉まで教えてしまった』天才なのです」
「国家獣師の推薦って、マジかよッ」
「この凶暴なガキなら、害獣専門って言われても肯ける……!」
「狼に人語を教育するとか、やべぇなッ」

 ベック達が、「つまり『天才獣師』なのか!?」と、勢い良くこちらを見てくる。けれど、そう紹介されたラビは、ユリシスがほぼ棒読みである事に気付いていたから、どうしたものかと困ってしまって、愛想笑いも出てこないでいた。

 ノエルが『喋れる理由としては、無理があるよな』と、向こうに聞こえないような声量で言って、ヴァン達が揃って「同感だ」と小さく頷いた。セドリックは、ちょっと不安そうな表情を浮かべていたが、優秀な副官に引き続き任せる事にして、額に手をあてて溜息をこぼすに留めた。

 後ろの一同の反応を背中で察知し、ユリシスが上司以外のメンバーを、冷やかに無言で見やった。ラビは、自分でやっておきながら露骨に殺気を向けてくるなよ……と思った。

「――獣師である『彼』は、先日、第三騎士団の専属獣師として大抜擢されました。しかし、その相棒である狼が、別件の古代遺跡の調査にて呪いを受けてしまい、姿が見えなくなってしまっていたのです」

 ユリシスは、自身にベック達の視線が戻ってすぐ、さりげなく表情と視線を戻して、彼らへの説明と説得を再開した。

「そこで、不思議な術を使っていた『謎の古代人』が、『砂の亡霊に守らせている呪いを解くアイテム』があると聞き、私達はココを訪れたわけです。つまり、ここに財宝などはありません」

 ちゃっかり、この遺跡には金目の物は一切眠っていない事も、ついでのように告げる。

 こんな話を信じる人はいないだろう。ラビはそう思ったのだが、ベック達の反応を見て、真剣に考えて悩むのが馬鹿らしくなってきた。彼らは全く疑っていないどころか、納得してスッキリしたようなイイ表情を浮かべていたのだ。

「なるほどな。それで妙な蛇やら、大蛇やら出てきたってわけか」
「兄貴、謎の古代人なら、呪いも摩訶不思議な事とかも、起こりそうだもんな」
「やっぱ遺跡って、オバケより怖いところだったんだなぁ」

 盗賊兄弟の中で、一番若い彼がそう言った。どこか尊敬するような目をノエルへと向けて、「でもさ」と言葉を続ける。

「俺、ちっちゃい時に、動物と喋ってみたいなぁって思ってたんだよなぁ」
「それすげぇ分かる」
「ロマンがあるよな」

 ベックと次男が、気持ちは同じであると三男に相槌を打った。ノエルが『頼むから、真っ直ぐキラキラと見てくんなよ……』と口許を引き攣らせると、当初の困惑をどこへやったのか、彼らが「やっぱり狼が喋ってる!」と楽しげに騒いだ。

 ユリシスは、表情筋がないような生真面目な表情を貫いて、最後の仕上げにかかって口を開いた。

「獣師である『彼』については、まだ国家獣師の登録はされておらず、情報は公にされていない状況です。『天才獣師』である事と、『その相棒の秘密』と呪いの件は、他言無用でお願いします」

 それを聞いた三人兄弟の盗賊達が、「勿論だとも!」と元気いっぱいに挙手して答える様子を、ラビはなんだかなぁと思いながら見つめていた。そうしたら、指先で肩を叩かれた。

 振り返ると、そこにはサーバルがいた。騒動の際に落としていた帽子を、見付けて拾い上げてくれていたらしい。彼が「どうぞ」と労うような笑顔で差し出してきたので、ひとまずは「ありがとう」と礼を言って受け取った。

 そういえば、あの盗賊達は、これといって金髪金目に反応してないな。

 今更のように気付いて、ラビは不思議に思いながらも帽子を頭に被り直した。そうしたら、こっちを見たベックが「帽子、あったんか」と、なんだか拍子抜けするくらい親切な声を、普通に掛けてきたのだった。
 

 それから、全員で遺跡を出て、しばらく一緒に森の中を歩いた。

 先程手助けしてくれた鳥達の姿は、どこにもなかった。森は来た時と同じように静まり返っており、風が木々の葉を揺らす音しか聞こえてこない。


 渡り鳥だから、そのまま旅立ってしまったのだろう、とノエルは推測を口にした。すると、途端にラビの横から、ベック達が顔を覗かせて「そういえば鳥が乱入してきたなッ」と、思い出してすぐ好奇心たっぷりに色々と質問し始めた。

「お前さ、狼で動物だし、鳥の言葉も分かるのか?」
『まぁ、そうだな』
「あの鳥達、なんて言ってたんだ?」
「ネクタイしていた鳥もいたよな!?」
『くそッ、テメェらうるせぇぞ今すぐ黙れ。そんで触ろうとしている手を引っ込めろ三男野郎』

 最後の台詞を、ノエルは一呼吸で言い切った。しかし、狼と喋れているという状況だけで楽しいのか、ベック達は叱られた効果もなく、話しかけ続けていた。

 森を出る手前に停めてあった馬車の前で、彼らとは別れる事になった。先にセドリック達が挨拶を済ませて、馬車の準備を慣れたように進める中、ラビは先程までにあった事を思い返して、自然な表情で改めて礼を告げた。

「途中で、オレの事を助けようとしてくれて、ありがとう。悪さはしないようにね」
「へへっ、なんか正面切って礼を言われると、変な感じだな」

 お互い怪我がなくて良かったな、とベックが不器用な様子で笑った。そして、弟達と揃って「またボコられるのは勘弁だ」と苦笑を浮かべると、相棒の黒大狼にも手を振って去っていった。
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