37 / 42
鬼と獣 下
しおりを挟む
宮橋が、ポケットにしっかり『白豆』をしまうのを、雪弥は見届けた。ネクタイをシャツの中に一部しまい、スーツの袖口もしっかりと絞め直す。
標的を見据え、冷静に支度する雪弥の隣から、宮橋が奥の黒い何かを眺めやって言う。
「それにしても、面白い。一体何かと思ったら、あれは〝蜘蛛の糸〟か」
「蜘蛛?」
「ふふん、あの魔術師風情が風間(かざま)の店の奥に入れたカラクリが、少し分かった。あの蜘蛛の糸は、自由にどこにでも繋がれて、そして気付かれない類の能力を固有に宿しているらしいな。僕くらい目が良くないと、なかなか〝見えづらい〟」
不思議な能力、という事だろうか?
雪弥は、そういえば夜蜘羅(よるくら)と初めて遭遇した際、夜狐達でさえ察知していなかった事を思い出した。
よくよく考え直してみれば、それは〝異様な状況〟である。
「蜘蛛の糸、ですか……」
「覚えおくといいよ。今は多様でも、いずれ君に必要な情報の一つになるだろう」
その時、黒いモノが消えた。
ぞろぞろと場を埋め尽くし、向かってくるのは鬼の大群だ。その先頭に立った怨鬼が、一度彼らの足を自分の後ろで止めさせた。
「それじゃあ、行きます」
そろそろか、と察して雪弥は言った。
「ああ、行ってくるといい。ただ、これだけ言っておく」
一歩踏み出して飛び出そうとしたところで、雪弥は、自分のスーツの裾を掴んできた宮橋を振り返った。
活き活きとした彼の明るいブラウンの目が、雪弥の鈍く光る青い目と合うと、強気に笑んだ。
「〝周りの事情も環境も関係ない。君が、どうしたいのか〟だ」
それは相談役としての、最後の宮橋なりの『答え』の形のように思えた。
「それ、アドバイスだったりしますか?」
思わず尋ね返してみると、彼が答えないまま、にっこりと笑って手を離した。
やっぱり、その読めない笑顔は兄を思わせた。雪弥は兄のそれを前にした時のように、条件反射でぞぞーっとしてしまう。
「さて」
笑み一つで雪弥を黙らせる事に成功した宮橋が、手を打った。
「雪弥君、派手な〝化け物退治〟といこうじゃないか。僕が許可する。この一帯は〝無音状態〟だ――存分に暴れまくれ」
雪弥は、小さく溜息を吐いた。
「言われなくとも」
そうしないと、あなたにも被害が行くでしょうに、と思いながら雪弥は飛び降りた。
その時、怨鬼が叫んだ。
「さぁ殺せ! 狩りの時間だ!」
直後、最後の箍が外れたかのように、鬼共が雄叫びを上げて一斉に武器を持ち、雪弥へと向かい出した。
まるで獣の咆哮なようだ。
下へと落下していきながら、雪弥はその光景を見て思った。叫びは言葉の羅列として、耳に聞こえても来ない。
人、ではないのか。
もはや自我は、ないのか。
怨みに、鬼。己の感情に呑まれて人を捨て、なんらかの形で〝人〟を〝失ったモノ〟。それほどまでにして、自分を抑えきれなかった者も中にはあるのだろうか。
――今となっては、いや、そもそも雪弥には知った事でもないのだけれど。
『バケモノ退治と行こうじゃないか』
風を切る音がする耳元で、先程の宮橋の声が蘇った。
不思議と、その言葉が親しみ慣れた語彙のように、聴覚に沁みた。
――兄を、そして家族を守る。
不意に、カチリ、と頭の思考が切り替わるのを感じた。
殺せ。害になるモノ、要らぬ存在、全てを〝殺せ〟。獰猛な激情が込み上げた直後、雪弥は飛んできた鈍器を足場に、空中で軌道を変えて前方に飛び出していた。
ドゥッ、と鳴った鈍い音の一瞬後には、一人の鬼の首が胴を離れていた。
雪弥の伸びいた長い爪が、日差しを受けて血飛沫の中で凶器に煌めく。
「さすがは番犬候補! 話に聞いていた通りの爪(ぶき)よ!」
大将の怨鬼が、腕を組んで堂々と構えた姿勢でアッパレと叫ぶ。
番犬候補とはなんだ、次期副当主と、何故みんなしてさせたがるのか。今、そんなのはどうでもいい。
斬りごたえのある肉感が、冷めや指先から伝わってくる。次々に襲いかかってきた鬼の、腕を引き千切り、眼球ごと顔を手刀で貫通させ、その腹部の臓腑を容赦なく引き裂いて切断した中で、雪弥はそう思った。
振り降ろされた大きな己を、込み上げる不快感のまま、拳で打って粉砕した。
「ここにいるのが、殲滅部隊の〝全員か〟」
雪弥は、光る青い目で向こうの怨鬼を見据えて、声を響かせた。この中でまともに話せるのは彼しかいない。
「怪力も、その細い身で我と互角か。なんとも良き好敵手か」
怨鬼が、隠せない鬼の闘気を滲ませて、赤く光る目でニィッと笑った。
「そうとも。命を受け、我が一族が持つ兵を全員連れてきた。たった一人に対してこのような待遇は、初めてである。光栄に思うがいい」
つまり負けたとしても恥ではない、と彼は言いたいようだ。
――初めて?
雪弥は、覚えた違和感に思考がぐらついた。殺意に淀んだ目で標的の肉塊を見て、思う。とても不快だ、と。
この場に溢れたモノらからも、独特の覚えがある気配を感じるが、あの大男からは特にとても厭な気配を感じていた。殺したくて、殺したくて、たまらなくなる。
――愚かな鬼の大将よ。一人、前門で迎え討ってやったのを、忘れたか。
ぐるるる……と憎悪に嗤う獣の呻きを聞いた気がした。噛み砕いた感触、血の味、殲滅した後の荒れ果てた大地のイメージが脳裏を過ぎる。
――あれは〝私〟だったのか。それとも〝獣〟の方だったのか。
ああ、今は、どちらでも構わない。
雪弥は翻った一瞬後、周囲の鬼共をバラバラにしていた。ふわりと舞うように、そのまま手を真っ赤に染めた血を外へと振り払う。
殺さなければならない。殺していい。目の前の鬱陶しい雑魚を片付けねば、あの大将は出てこないのだから。嗚呼、殺してやった――とても心穏やかな気分がした。
ぐらりと揺れていた脳が、元に戻る感覚。
「ならば、好都合」
短い思考を終えた雪弥は、そう物憂げに口にした直後、不意に凍える青い目で怨鬼をロックオンした。
強烈な殺気に、飛びかかった鬼が唐突に嘔吐した。目も向けないまま、雪弥は〝反射的に〟その垂れた頭(こうべ)を処刑のごとく〝斬り落とした〟。
「全員ここで殺して、一人も兄さんのところへは行かせない」
この三日間、思い返すたびに不快だった。それをここで片付ける。
雪弥は、宣言すると一気に突き進んだ。首を、胸を、胴を、腕ごと切断して斬り落としていきながら、喚く鬼共の間を行く。
身軽な動きをした鬼が、高く飛んで頭上から雪弥に迫った。
――その次の瞬間、血の雨が降り注いだ。
一瞬にして、爪でバラバラに切り裂かれた残骸が、ぼとぼとと鬼共や地上に落ちる。雄叫びを上げる鬼が、雪弥が通り過ぎた直後には生きたまま四肢をもがれ、身体の一部を弾けさせていた。
「……お前、本当にただの〝候補の一人〟なのか?」
怨鬼が、初めてやや緊張した様子で喉仏を上下した。しかし、そこに恐怖はなく、
「なんと。なんと、面白い事か」
同じく殺戮を愉しむ怨鬼が、自分の横から向かおうとした部下の鬼を、うっかり素手で掴んで潰しながらそう言った。
標的を見据え、冷静に支度する雪弥の隣から、宮橋が奥の黒い何かを眺めやって言う。
「それにしても、面白い。一体何かと思ったら、あれは〝蜘蛛の糸〟か」
「蜘蛛?」
「ふふん、あの魔術師風情が風間(かざま)の店の奥に入れたカラクリが、少し分かった。あの蜘蛛の糸は、自由にどこにでも繋がれて、そして気付かれない類の能力を固有に宿しているらしいな。僕くらい目が良くないと、なかなか〝見えづらい〟」
不思議な能力、という事だろうか?
雪弥は、そういえば夜蜘羅(よるくら)と初めて遭遇した際、夜狐達でさえ察知していなかった事を思い出した。
よくよく考え直してみれば、それは〝異様な状況〟である。
「蜘蛛の糸、ですか……」
「覚えおくといいよ。今は多様でも、いずれ君に必要な情報の一つになるだろう」
その時、黒いモノが消えた。
ぞろぞろと場を埋め尽くし、向かってくるのは鬼の大群だ。その先頭に立った怨鬼が、一度彼らの足を自分の後ろで止めさせた。
「それじゃあ、行きます」
そろそろか、と察して雪弥は言った。
「ああ、行ってくるといい。ただ、これだけ言っておく」
一歩踏み出して飛び出そうとしたところで、雪弥は、自分のスーツの裾を掴んできた宮橋を振り返った。
活き活きとした彼の明るいブラウンの目が、雪弥の鈍く光る青い目と合うと、強気に笑んだ。
「〝周りの事情も環境も関係ない。君が、どうしたいのか〟だ」
それは相談役としての、最後の宮橋なりの『答え』の形のように思えた。
「それ、アドバイスだったりしますか?」
思わず尋ね返してみると、彼が答えないまま、にっこりと笑って手を離した。
やっぱり、その読めない笑顔は兄を思わせた。雪弥は兄のそれを前にした時のように、条件反射でぞぞーっとしてしまう。
「さて」
笑み一つで雪弥を黙らせる事に成功した宮橋が、手を打った。
「雪弥君、派手な〝化け物退治〟といこうじゃないか。僕が許可する。この一帯は〝無音状態〟だ――存分に暴れまくれ」
雪弥は、小さく溜息を吐いた。
「言われなくとも」
そうしないと、あなたにも被害が行くでしょうに、と思いながら雪弥は飛び降りた。
その時、怨鬼が叫んだ。
「さぁ殺せ! 狩りの時間だ!」
直後、最後の箍が外れたかのように、鬼共が雄叫びを上げて一斉に武器を持ち、雪弥へと向かい出した。
まるで獣の咆哮なようだ。
下へと落下していきながら、雪弥はその光景を見て思った。叫びは言葉の羅列として、耳に聞こえても来ない。
人、ではないのか。
もはや自我は、ないのか。
怨みに、鬼。己の感情に呑まれて人を捨て、なんらかの形で〝人〟を〝失ったモノ〟。それほどまでにして、自分を抑えきれなかった者も中にはあるのだろうか。
――今となっては、いや、そもそも雪弥には知った事でもないのだけれど。
『バケモノ退治と行こうじゃないか』
風を切る音がする耳元で、先程の宮橋の声が蘇った。
不思議と、その言葉が親しみ慣れた語彙のように、聴覚に沁みた。
――兄を、そして家族を守る。
不意に、カチリ、と頭の思考が切り替わるのを感じた。
殺せ。害になるモノ、要らぬ存在、全てを〝殺せ〟。獰猛な激情が込み上げた直後、雪弥は飛んできた鈍器を足場に、空中で軌道を変えて前方に飛び出していた。
ドゥッ、と鳴った鈍い音の一瞬後には、一人の鬼の首が胴を離れていた。
雪弥の伸びいた長い爪が、日差しを受けて血飛沫の中で凶器に煌めく。
「さすがは番犬候補! 話に聞いていた通りの爪(ぶき)よ!」
大将の怨鬼が、腕を組んで堂々と構えた姿勢でアッパレと叫ぶ。
番犬候補とはなんだ、次期副当主と、何故みんなしてさせたがるのか。今、そんなのはどうでもいい。
斬りごたえのある肉感が、冷めや指先から伝わってくる。次々に襲いかかってきた鬼の、腕を引き千切り、眼球ごと顔を手刀で貫通させ、その腹部の臓腑を容赦なく引き裂いて切断した中で、雪弥はそう思った。
振り降ろされた大きな己を、込み上げる不快感のまま、拳で打って粉砕した。
「ここにいるのが、殲滅部隊の〝全員か〟」
雪弥は、光る青い目で向こうの怨鬼を見据えて、声を響かせた。この中でまともに話せるのは彼しかいない。
「怪力も、その細い身で我と互角か。なんとも良き好敵手か」
怨鬼が、隠せない鬼の闘気を滲ませて、赤く光る目でニィッと笑った。
「そうとも。命を受け、我が一族が持つ兵を全員連れてきた。たった一人に対してこのような待遇は、初めてである。光栄に思うがいい」
つまり負けたとしても恥ではない、と彼は言いたいようだ。
――初めて?
雪弥は、覚えた違和感に思考がぐらついた。殺意に淀んだ目で標的の肉塊を見て、思う。とても不快だ、と。
この場に溢れたモノらからも、独特の覚えがある気配を感じるが、あの大男からは特にとても厭な気配を感じていた。殺したくて、殺したくて、たまらなくなる。
――愚かな鬼の大将よ。一人、前門で迎え討ってやったのを、忘れたか。
ぐるるる……と憎悪に嗤う獣の呻きを聞いた気がした。噛み砕いた感触、血の味、殲滅した後の荒れ果てた大地のイメージが脳裏を過ぎる。
――あれは〝私〟だったのか。それとも〝獣〟の方だったのか。
ああ、今は、どちらでも構わない。
雪弥は翻った一瞬後、周囲の鬼共をバラバラにしていた。ふわりと舞うように、そのまま手を真っ赤に染めた血を外へと振り払う。
殺さなければならない。殺していい。目の前の鬱陶しい雑魚を片付けねば、あの大将は出てこないのだから。嗚呼、殺してやった――とても心穏やかな気分がした。
ぐらりと揺れていた脳が、元に戻る感覚。
「ならば、好都合」
短い思考を終えた雪弥は、そう物憂げに口にした直後、不意に凍える青い目で怨鬼をロックオンした。
強烈な殺気に、飛びかかった鬼が唐突に嘔吐した。目も向けないまま、雪弥は〝反射的に〟その垂れた頭(こうべ)を処刑のごとく〝斬り落とした〟。
「全員ここで殺して、一人も兄さんのところへは行かせない」
この三日間、思い返すたびに不快だった。それをここで片付ける。
雪弥は、宣言すると一気に突き進んだ。首を、胸を、胴を、腕ごと切断して斬り落としていきながら、喚く鬼共の間を行く。
身軽な動きをした鬼が、高く飛んで頭上から雪弥に迫った。
――その次の瞬間、血の雨が降り注いだ。
一瞬にして、爪でバラバラに切り裂かれた残骸が、ぼとぼとと鬼共や地上に落ちる。雄叫びを上げる鬼が、雪弥が通り過ぎた直後には生きたまま四肢をもがれ、身体の一部を弾けさせていた。
「……お前、本当にただの〝候補の一人〟なのか?」
怨鬼が、初めてやや緊張した様子で喉仏を上下した。しかし、そこに恐怖はなく、
「なんと。なんと、面白い事か」
同じく殺戮を愉しむ怨鬼が、自分の横から向かおうとした部下の鬼を、うっかり素手で掴んで潰しながらそう言った。
1
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
「蒼緋蔵家の番犬 1~エージェントナンバーフォー~」
百門一新
ミステリー
雪弥は、自身も知らない「蒼緋蔵家」の特殊性により、驚異的な戦闘能力を持っていた。正妻の子ではない彼は家族とは距離を置き、国家特殊機動部隊総本部のエージェント【ナンバー4】として活動している。
彼はある日「高校三年生として」学園への潜入調査を命令される。24歳の自分が未成年に……頭を抱える彼に追い打ちをかけるように、美貌の仏頂面な兄が「副当主」にすると案を出したと新たな実家問題も浮上し――!?
日本人なのに、青い目。灰色かかった髪――彼の「爪」はあらゆるもの、そして怪異さえも切り裂いた。
『蒼緋蔵家の番犬』
彼の知らないところで『エージェントナンバー4』ではなく、その実家の奇妙なキーワードが、彼自身の秘密と共に、雪弥と、雪弥の大切な家族も巻き込んでいく――。
※「小説家になろう」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
かれん
青木ぬかり
ミステリー
「これ……いったい何が目的なの?」
18歳の女の子が大学の危機に立ち向かう物語です。
※とても長いため、本編とは別に前半のあらすじ「忙しい人のためのかれん」を公開してますので、ぜひ。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ヘリオポリスー九柱の神々ー
soltydog369
ミステリー
古代エジプト
名君オシリスが治めるその国は長らく平和な日々が続いていた——。
しかし「ある事件」によってその均衡は突如崩れた。
突如奪われた王の命。
取り残された兄弟は父の無念を晴らすべく熾烈な争いに身を投じていく。
それぞれの思いが交錯する中、2人が選ぶ未来とは——。
バトル×ミステリー
新感覚叙事詩、2人の復讐劇が幕を開ける。
【完結】タイムトラベル・サスペンス『君を探して』
crazy’s7@体調不良不定期更新中
ミステリー
過去からタイムトラベルをし逃げてきた兄弟が、妹の失踪事件をきっかけに両親が殺害された事件の真相に挑むミステリー
────2つの世界が交差するとき、真実に出逢う。
5×××年。
時を渡る能力を持つ雛本一家はその日、何者かに命を狙われた。
母に逃げろと言われ、三兄弟の長男である和宏は妹の佳奈と弟の優人を連れ未来へと飛んだ。一番力を持っている佳奈を真ん中に、手を繋ぎ逃げ切れることを信じて。
しかし、時を渡ったその先に妹の姿はなかったのだ。
数年後、和宏と優人は佳奈に再会できることを信じその時代に留まっていた。
世間ではある要人の命が狙われ、ニュースに。そのことを発端にして、和宏たちの時代に起きた事件が紐解かれていく。
何故、雛本一家は暗殺されそうになったのだろうか?
あの日の真実。佳奈は一体どこへ行ってしまったのか。
注意:この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
【解説】
この物語は、タイムトラベルして事件の真相を暴くのではなく、縛りがあってタイムトラベルすることのできない兄弟が、気づきと思考のみで真相に辿り着くという話。
なので殺害方法とかアリバイなどの難しいことは一切でない。知恵で危機を乗り越えていく。
雛本三兄弟シリーズとは、登場人物(性格などベース)だけは変わらずに色んな物語を展開していくパラレルシリーズです。
「ここへおいで きみがまだ知らない秘密の話をしよう」
水ぎわ
ミステリー
王軍を率いる貴公子、イグネイは、ある修道院にやってきた。
目的は、反乱軍制圧と治安維持。
だが、イグネイにはどうしても手に入れたいものがあった。
たとえ『聖なる森』で出会った超絶美少女・小悪魔をだまくらかしてでも――。
イケメンで白昼堂々と厳格な老修道院長を脅し、泳げないくせに美少女小悪魔のために池に飛び込むヒネ曲がり騎士。
どうしても欲しい『母の秘密』を手に入れられるか??
ここは猫町3番地の4 ~可哀想な犯人~
菱沼あゆ
ミステリー
「雨宮……。
俺は静かに本を読みたいんだっ。
此処は職場かっ?
なんで、来るたび、お前の推理を聞かされるっ?」
監察医と黙ってれば美人な店主の謎解きカフェ。
4話目です。
きっと彼女はこの星にいる
花野りら
ミステリー
行方不明になった彼女、森下真里を救うため探偵になった和泉秋斗。しかし現実は失踪してからもう十年の月日が流れていた。そんなある夏の日、事務所の二階に住む田中奈美からこんな依頼を持ちかけられる。「うちの猫を助けてください」彼女の依頼を受け見事に猫を助けた和泉だったが、突然記憶を失ってしまう。何が起こったかわからないまま、猫を送り届けようと奈美の部屋を訪れた和泉の前に、絶世の美少女田中あかねが現れ「行方不明の彼女を見つけにいくぞ」と告げられる。なぜあかねが真里失踪事件の情報を持っているのかと尋ねるが、その理由は教えてもらえない。和泉にその理由を話せば、この世界が消えてしまうらしい。そんな哀しみを持つあかねと和泉のミステリアスな調査が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる