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13章 冒険は五人と一匹で(5)
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「映画館じゃなくてもさ、家でも結構盛り上がるんだ。うちにホーム・シアターがあるけど、ピザとコーラは必需品だね」
「その組み合わせで食べた事はないなぁ……」
エルは少し考え、腕の中のクロエに「コーラとピザって、合うと思う?」と尋ねてみた。
クロエが、困惑した表情を見せた。エルも、普段は取る事がない欧米食や文化について悩ましく思った。コーラやピザ、ポップコーンといったものは、あまり食べた経験もない。
「考えたら、食事も、ほとんどオジサンの手料理だったし」
「にゃにゃー」
「ピザ持って来た時とか、ポタロウが盗んだりソースが飛んだり大変だったから、あまり出なかったのかなぁとも思うんだよねぇ」
「にゃう?」
クロエは小首を傾げたが、そうかも、と肯定するように「にゃ」と肯いた。
スウェンは、猫と話すエルをしばし見守り、座り込んでから無言を貫いているログへ視線を移した。
ログは部屋の角に背中を預け、目を閉じて腕を組んで座っていた。彼が眠っている気配はないが、それだけでも十分休めた事だろうと考え、スウェンは「ねぇログ」と声を掛けた。
「ログがコーラ派なのは知ってるけど、ほら、僕っていつも途中で寝ちゃうから分からないんだよね。ログは、映画って最後まで見る派だっけ?」
「音が煩くて眠れないからな」
質問されてすぐ、ログが片目を開けてスウェンを見つめ返した。
「別に最後まで見ようと意識した事はねぇが、特に映画館だと大音量だろ。煩くて眠れないまま、結局、最後まで見ちまう派だよ、俺は」
「映画館って、煩いの?」
思わずエルが尋ねると、スウェンは思い返すように「どうだったかなぁ」と顎に手を当てた。
「そこまで煩くはないと思うよ? 映画館は音質が良くて、画面も大きいし、――あ。ホラー物は特に良いよ! 女の子達は大抵、僕の腕にしがみついて来てくれるし」
「それは女の方も計算してんだよ。そういう女が一番うぜぇ」
「それもそれで楽しいって話しだよ、ログ。僕的には、今やってるホラー映画も是非見たいんだよね。悪魔とかゾンビとか色々揃って出てくるし。――エル君は、ホラーとかどう?」
またしても前触れなく質問されて、エルは、思わず腕の中のクロエを抱き締めた。
「え、あの、お化けとかは、その……ちょっと遠慮したいかな、なんて…………」
「あはははっ、お化けとは違うよ~。悪魔やゾンビだってば」
その真意を問うように、エルはセイジへと目を向けた。セイジは、エルの視線を受け取めると、「スウェンの求めるホラーは、ちょっとスプラッタかな……」と遠慮がちに意見した。
エルは嫌な汗を背中に覚え、更にクロエを抱き寄せた。ログは話しに飽きたのか、頭の後ろに両手をやって目を閉じてしまっており、スウェンだけが、エルの返答を期待の眼差しで待っていた。
「あの、俺はそういうビックリ系は、いらない、かな……」
「え~、意外だなぁ。もしかして恐いの?」
「こッ」
エルは、思わず声が裏返り、一瞬言葉が詰まった。
「恐いとか、そ、そそんなのある訳ないじゃんッ。ただ、あまり見ないだけで、特に興味もないというか……」
エルは答えつつ、テレビ放送されていたホラー系、スプラッタ系の映画に怯える様子を、いつもオジサンにからかわれていた過去を思い返した。弱みは出来るだけ知られたくなかった。
スウェンが、いくつかの代表的なスプラッタ映画の題名を上げ、陽気に話し始めた。エルはテレビで見ている時、目や耳を塞いでいる事が多かったので内容はうろ覚えだったが、不審がられない程度に相槌を打った。
途中、エルがとうとう言葉を失ってしまうと、セイジが「人間がスライスされる場面の詳細まではいらないからッ」と青い顔で拒否の意を唱えたが、スウェンは、二人に詳しく話し聞かせる事を止めなかった。
話を聞いていたログの口許が、わずかに笑みを浮かべていた。
ホテルマンは話の最中に、「ホラー映画なんて怖くありませんよ、小さなお客様!」「私はジンジャーエール派ですね」と少しだけ話に参加したが、映画には基本的に興味がないのか横になってしまい、気だるい至福の時間に寝返りを打ち、腹を座敷ら押し付けて手足をだらしなく伸ばしたりした。
吹きこむ風が、少しだけ冷たさを帯び始めた。
話しに満足したスウェンが背伸びをし、マメなセイジが持ち物の確認に入った。エルは怖い事を忘れる為、クロエと窓の外を眺める事に専念した。
穏やかな時間が暫く続いたあと、不意に、部屋の静寂をログの一声が破った。
「おい。そろそろ、しらばっくれるのは止めたらどうだ」
腕を組んで座っていたログが、寝そべるホテルマンを睨み付けた。
先程まで機嫌が良さそうだったが、何か考える所でもあったのだろうか。エルとクロエは、揃ってスウェンに目配せした。
スウェンは、ログに少々都合の悪いような表情を向けていた。もうちょっとタイミングを待てなかったのかと眼差しで訴えていたが、エルの視線に気付くと、諦めたように「少し大人同士で話し合わせて?」と唇に人差し指をあてる仕草を返した。
ねそべったままログへ顔を向けたホテルマンが、「はて」と首を傾げた。
「私、何か致しましたか?」
「腹を割って話していない事があるだろう。お前、どうも胡散臭いぜ」
「顔については度々言われますが、度量が狭いお方ですねぇ」
ホテルマンは、呆れた顔で上体を起こすと、ログの方を向いて正座した。
「私、ここでは大人しくしておりますよ?」
「俺はな、初めてお前をホテルで見た時から、妙な違和感が消えねぇんだよ。それにな、お前の戦い方が、そこのクソガキにそっくりなのは、どういう事だ?」
ログは立ち上がると、正座するホテルマンに詰め寄り、見降ろした。
「お前は何者だ? この仮想空間で、あちこちに出現するエキストラなんて、お前以外いないだろ」
ホテルマンが小さく眉根を寄せたが、――不意に角を引き上げ、その雰囲気が変わった。
「……今、言わなければなりませんかねぇ? 大変申し訳ございませんが、貴方の都合で、『こちら側』の予定を狂わせる訳にはいかないのですよ」
「なんの為に?」
スウェンが、すかさず口を挟んだ。
「実は僕も、ずっと考えていたんだよ。さっき、君とエル君が同時に闘う姿を見て変だなと思った。一見すると戦い方は違うようだったけど、基本となる動きが全く一致していたからね。まるで同一の戦闘訓練を受けたか、写しみたいだったよ」
「よく見ておられますねぇ」
ホテルマンが、取ってつけたような笑顔で言った。馬鹿にするような物言いがログの逆鱗に触れたが、すぐにスウェンが目で牽制し「ここで話すと決めたのなら、辛抱なさい」と珍しく上官らしい言葉を告げた。
立ち上がったホテルマンが、同じ高さから、ログとスウェンを見つめ返した。
「その組み合わせで食べた事はないなぁ……」
エルは少し考え、腕の中のクロエに「コーラとピザって、合うと思う?」と尋ねてみた。
クロエが、困惑した表情を見せた。エルも、普段は取る事がない欧米食や文化について悩ましく思った。コーラやピザ、ポップコーンといったものは、あまり食べた経験もない。
「考えたら、食事も、ほとんどオジサンの手料理だったし」
「にゃにゃー」
「ピザ持って来た時とか、ポタロウが盗んだりソースが飛んだり大変だったから、あまり出なかったのかなぁとも思うんだよねぇ」
「にゃう?」
クロエは小首を傾げたが、そうかも、と肯定するように「にゃ」と肯いた。
スウェンは、猫と話すエルをしばし見守り、座り込んでから無言を貫いているログへ視線を移した。
ログは部屋の角に背中を預け、目を閉じて腕を組んで座っていた。彼が眠っている気配はないが、それだけでも十分休めた事だろうと考え、スウェンは「ねぇログ」と声を掛けた。
「ログがコーラ派なのは知ってるけど、ほら、僕っていつも途中で寝ちゃうから分からないんだよね。ログは、映画って最後まで見る派だっけ?」
「音が煩くて眠れないからな」
質問されてすぐ、ログが片目を開けてスウェンを見つめ返した。
「別に最後まで見ようと意識した事はねぇが、特に映画館だと大音量だろ。煩くて眠れないまま、結局、最後まで見ちまう派だよ、俺は」
「映画館って、煩いの?」
思わずエルが尋ねると、スウェンは思い返すように「どうだったかなぁ」と顎に手を当てた。
「そこまで煩くはないと思うよ? 映画館は音質が良くて、画面も大きいし、――あ。ホラー物は特に良いよ! 女の子達は大抵、僕の腕にしがみついて来てくれるし」
「それは女の方も計算してんだよ。そういう女が一番うぜぇ」
「それもそれで楽しいって話しだよ、ログ。僕的には、今やってるホラー映画も是非見たいんだよね。悪魔とかゾンビとか色々揃って出てくるし。――エル君は、ホラーとかどう?」
またしても前触れなく質問されて、エルは、思わず腕の中のクロエを抱き締めた。
「え、あの、お化けとかは、その……ちょっと遠慮したいかな、なんて…………」
「あはははっ、お化けとは違うよ~。悪魔やゾンビだってば」
その真意を問うように、エルはセイジへと目を向けた。セイジは、エルの視線を受け取めると、「スウェンの求めるホラーは、ちょっとスプラッタかな……」と遠慮がちに意見した。
エルは嫌な汗を背中に覚え、更にクロエを抱き寄せた。ログは話しに飽きたのか、頭の後ろに両手をやって目を閉じてしまっており、スウェンだけが、エルの返答を期待の眼差しで待っていた。
「あの、俺はそういうビックリ系は、いらない、かな……」
「え~、意外だなぁ。もしかして恐いの?」
「こッ」
エルは、思わず声が裏返り、一瞬言葉が詰まった。
「恐いとか、そ、そそんなのある訳ないじゃんッ。ただ、あまり見ないだけで、特に興味もないというか……」
エルは答えつつ、テレビ放送されていたホラー系、スプラッタ系の映画に怯える様子を、いつもオジサンにからかわれていた過去を思い返した。弱みは出来るだけ知られたくなかった。
スウェンが、いくつかの代表的なスプラッタ映画の題名を上げ、陽気に話し始めた。エルはテレビで見ている時、目や耳を塞いでいる事が多かったので内容はうろ覚えだったが、不審がられない程度に相槌を打った。
途中、エルがとうとう言葉を失ってしまうと、セイジが「人間がスライスされる場面の詳細まではいらないからッ」と青い顔で拒否の意を唱えたが、スウェンは、二人に詳しく話し聞かせる事を止めなかった。
話を聞いていたログの口許が、わずかに笑みを浮かべていた。
ホテルマンは話の最中に、「ホラー映画なんて怖くありませんよ、小さなお客様!」「私はジンジャーエール派ですね」と少しだけ話に参加したが、映画には基本的に興味がないのか横になってしまい、気だるい至福の時間に寝返りを打ち、腹を座敷ら押し付けて手足をだらしなく伸ばしたりした。
吹きこむ風が、少しだけ冷たさを帯び始めた。
話しに満足したスウェンが背伸びをし、マメなセイジが持ち物の確認に入った。エルは怖い事を忘れる為、クロエと窓の外を眺める事に専念した。
穏やかな時間が暫く続いたあと、不意に、部屋の静寂をログの一声が破った。
「おい。そろそろ、しらばっくれるのは止めたらどうだ」
腕を組んで座っていたログが、寝そべるホテルマンを睨み付けた。
先程まで機嫌が良さそうだったが、何か考える所でもあったのだろうか。エルとクロエは、揃ってスウェンに目配せした。
スウェンは、ログに少々都合の悪いような表情を向けていた。もうちょっとタイミングを待てなかったのかと眼差しで訴えていたが、エルの視線に気付くと、諦めたように「少し大人同士で話し合わせて?」と唇に人差し指をあてる仕草を返した。
ねそべったままログへ顔を向けたホテルマンが、「はて」と首を傾げた。
「私、何か致しましたか?」
「腹を割って話していない事があるだろう。お前、どうも胡散臭いぜ」
「顔については度々言われますが、度量が狭いお方ですねぇ」
ホテルマンは、呆れた顔で上体を起こすと、ログの方を向いて正座した。
「私、ここでは大人しくしておりますよ?」
「俺はな、初めてお前をホテルで見た時から、妙な違和感が消えねぇんだよ。それにな、お前の戦い方が、そこのクソガキにそっくりなのは、どういう事だ?」
ログは立ち上がると、正座するホテルマンに詰め寄り、見降ろした。
「お前は何者だ? この仮想空間で、あちこちに出現するエキストラなんて、お前以外いないだろ」
ホテルマンが小さく眉根を寄せたが、――不意に角を引き上げ、その雰囲気が変わった。
「……今、言わなければなりませんかねぇ? 大変申し訳ございませんが、貴方の都合で、『こちら側』の予定を狂わせる訳にはいかないのですよ」
「なんの為に?」
スウェンが、すかさず口を挟んだ。
「実は僕も、ずっと考えていたんだよ。さっき、君とエル君が同時に闘う姿を見て変だなと思った。一見すると戦い方は違うようだったけど、基本となる動きが全く一致していたからね。まるで同一の戦闘訓練を受けたか、写しみたいだったよ」
「よく見ておられますねぇ」
ホテルマンが、取ってつけたような笑顔で言った。馬鹿にするような物言いがログの逆鱗に触れたが、すぐにスウェンが目で牽制し「ここで話すと決めたのなら、辛抱なさい」と珍しく上官らしい言葉を告げた。
立ち上がったホテルマンが、同じ高さから、ログとスウェンを見つめ返した。
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