ちょっと幸せ

確かなものを持つ人は強い

次男が小学生だった頃、友達のお母さんに、「セレブ」とあだ名されている方がいました。

ご自分の経済的な豊かさを、意図してかどうかは分かりませんが、他の人に知らしめるので、いつしか、こんなあだ名がつきました。 

おしゃれなおうちに暮らし、美的な生活に心を砕いている様子でした。

仕事を持つ母親をちょっと下に見ていて、「子育てしながらお仕事なんて大変ね。私は恵まれていてよかった」と口癖のように言っていました。 

次男が幼稚園の頃もガチで働いていた私など、

「フルタイムだなんてすごいわ。良かったら私が子供を預かるわ」なんて同情っぽく言われたこともありました(>_<)。 

その後、「私は恵まれてるわ」と必ず続くので、

経済的には確かに恵まれているのだろうけれど、なにか心に大きな穴を抱えているのかな・・・と想像していました。
 

その方とあまり会わなくなったなと思ったら、悪性の腫瘍ができて長期入院していると聞きました。

驚いてお見舞いのメールを送ると、

「病を得て、自分の人生を見つめ直している。夫と子供たちが助けてくれている。いかに多くのものを与えられているかを知った」という内容の長文の返信が届きました。
 

数か月が経ち、退院した彼女は、ずいぶん変わっていました。

地に足が着いたというのでしょうか。上から人を見る人ではなくなっていました。

メールに書かれていたように、闘病生活を送る中で、多くを得たのだと思います。

発病以前には持っていなかった、なにか確かなものを得たように見えました。

今、仕事を持つ彼女は、前よりいきいきとして、前より元気で、強そうです。