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第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】

第236話 レインボー発? いえ、レインボ、一発です!

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「ん? 話し声が聞こえるな?」


 ゲイリーを探しに行くか、ジムとタニシがいる氷の砦に戻るか、それとも七光りマンを探しに行くか? 迷ったが、ゲイリーはほっといても意外と何とかなる。デーモンとも互角に渡り合えるヤツはそんな簡単には死なない。それよりもジム・タニシは七光りマンに狙われるとマズい。ジムはともかくタニシは殺される可能性がある。俺と同じ理由で。そう思ってきたところ、ビンゴだったようだ。


「……罪は重いぞ!」

「……タルカス様……お怒りに……、」


 物騒なワードが聞こえてくる。双方共にヒートアップしているので、いつ争いに移行するかわからない雰囲気になっている。声からして七光りマンとジムであるようだ。たまにタニシの悲鳴の様な物が聞こえてくるのでヤツは無事らしい。なんとか割り込んで、二人の口論を止めねば!


「ゴーレム如きが抹殺だと! 私が破壊して、ゴーレム墓場に廃棄処分送りにしてやる!」


 入り口に近付くと、七光りマンが背を向けているのが見えた。話の内容通り、ジムに手を下そうとしているのは間違いなさそうだ。魔法の集中、例の七光り光線を出そうとしているようだ。そうとわかれば、手段を選んでいられない! 速攻だ!


「レインボ……!? んぎぃ!!??」

(ズンッ!!!)

「極端派奥義、七年殺し!!」

「んぎぉ!? れ、れれ、れいん……ぼぅ……、」

(……バタッ!)


 七光りマンは絶命した。いや、死んではいないが社会的には死んだかもしれない。学生の前でみっともない悲鳴を上げて失神したんだからな。物凄い顔をして、口から泡を吹きながら失神。わりと顔立ちはいいのに物凄くみっともない姿をさらしてしまっている。


「あ、アニキ!?」

「な、何故、あなたが!?」

「安心しな! 峰打ちだ!」

「アニキ、それ峰打ちじゃないでヤンス! 思いっきり急所狙いでヤンスぅ!」

「そうだっけ? 男の急所は外したつもりだが?」

「男女共通の急所を狙ってるんでヤンスよぅ!」

「そこは急所に入るんですか? 僕は聞いたことないですよ?」


 七年殺し。つ、ついに禁じ手を使ってしまった。金的、目潰しなどにも匹敵する外法だ。別名、カンチョーとも言うらしいな。これもアンネ先生の件と同じだ。俺から剣を取り上げるからこんなことになるんやで。


「よう、お二人さん。大変、盛り上がってたみたいじゃないか?」

「何故です? あなたはアンネ先生と戦っていたはずでは?」


 七光りマンに聞いたんだろうか? アンネ先生の前にはヤツとも戦っていたんだがな。その辺は話してなかっただろう。だってみっともない負け方したからな。さらに恥ずかしいやられ方したから、もう俺らに弱みをにぎられたも同然だ。魔術師という知的な職業だから尚更だな。


「戦ってた? 危うく殺されかけたんで、半殺しにして放置してきた。トニヤのヤツもこの隙に不意打ちして来やがったから、黙らせてやった。まったく、どいつもこいつもえげつないことしてきやがる!」

「倒したんですか!? あの二人を!?」

「しれっとトニヤ君まで成敗されてるでヤンス! しかも女教師を半殺し? 何をしたんでヤンスかぁ!?」


 約一名、よからぬ事を気にしているが、無視しとこう。これで一応、ジムにとって邪魔な相手は俺だけになったはず。さあ、ジムはどうするつもりなのか?


「こうなると、次の相手はお前になると思うけど、どうする? やるつもりなら、俺、えげつないことするよ?」

「脅しのつもりですか! 僕はあなたを倒さないといけません! あなたはゴーレムの敵ですから!」

「俺はゴーレムと敵対した覚えはないんだが?トープス先生を通じて強行派を止めようとしている。」

「トープス先生は裏切り者です! 彼もタルカス様にとっては邪魔者なんですよ? 中立の立場を取っているフォグナー様がいるから、粛正されるには至っていないだけです。」


 フォグナー、ゴーレム勢力のキーパーソンの一人だな。タルカス率いる強行派、トープス先生に協賛する共存派の二大派閥が存在しているという。でも、強行派の方が数は多いらしいので、人間を抹殺するという気運が高まっているそうだ。


「じゃあ、憎いのか、俺が?」

「そういうわけではありません! 僕は能力主義の人間が憎いだけです。僕は彼らの力を得て蘇ったので恩を返す必要があるから、彼らの敵も討たねばならないんです!」


 やっぱ、恨み辛みを優先してしまうのは人間と同じ、人間が作ったからこそ、同じ様な傾向を取ってしまうのだろう。これも生き物のサガか……。


「恩返しって理由だけで人殺しになれるのか?」

「なります! ならないといけないんです!」


 ゴーレム達は人間を根絶やしにしたい。だからといって、これはコイツ自身には関係のない話だ。憎しみを持つ相手の範囲が違う。違うから不本意な相手ですら、殺さないといけなくなる。恩があるからといって、容易に出来るはずがない。ジムみたいな性格のヤツなら絶対無理だろう。
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